皆さんは、自分の町の魅力についてどれだけ紹介できますか?自分の町の魅力を知っていますか。
私は東日本大震災が発生する前は、自分の住む町の歴史や魅力について誰かに伝えられるほど理解していませんでした。
多賀城市にまちの魅力を発信している女性がいます。
松村正子さんです。
陸前山王駅から歩いて1分ほどの場所に 「コミュニティカフェ&ガイドツアー タガの柵(き)」はあります |
松村さんは平成26年8月、JR陸前山王駅から歩いて1分ほどの場所に「コミュニティカフェ&ガイドツアー タガの柵(き)」を立ち上げました。
多賀城市の魅力を発信し続ける松村正子さん |
タガの柵は地域の市民が主体となり、地域の資源を活かしながら、地域の課題をビジネス的な手法で解決し、その活動で得た利益を地域に還元すること。地域の活力や雇用を生み出す地域再生型のビジネスモデルを実践すること。多賀城の地域活性につながる事業に取り組むことを目的にしています。
松村さんは震災後、地元の人たちと関わる間に、地元で地道に仕事をしている人・地域活動している人たちが評価されていないと感じる機会が増えました。
もっと地元でプライドをもって働く人たち、地域のために活動している人たちの情報を発信していきたい、多様性をみせていかないといけないと考えるようになったと話します。
多賀城市には史跡などのたくさんの観光資源があり、魅力いっぱいの町です。その魅力を地域の内外に発信するため地域ガイドツアーをしています。
ココロプレスでも以前紹介しました
春爛漫!多賀城お花見ツアー開催のお知らせ(多賀城市)2015年4月3日http://kokoropress.blogspot.com/2015/04/blog-post_88.html
あやめを満喫!初夏の多賀城跡ツアー開催のお知らせ(多賀城市)2015年6月17日
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/06/blog-post_17.html
松村さんは「実は地元の人でも地元のことを知らない人が多いです。ツアーを始めて、多賀城に興味を持つ人が増えました。地域の魅力を発信し続けていくことはとても大切だと感じています」と話します。
また、タガの柵を始めて、地域の人たちの中にも地域を思う強い気持ちを感じるようになったといいます。
多世代が地域の中でつながる場作り、震災がきっかけであってもアクションを起こした人、起こそうと考えている人が一歩踏み出す手がかりになりたいと松村さんは考えています。
地域に思いをもっている人たちが、自分の考えや思いを表現できていければ、今以上にいい地域づくりができると松村さんは言います。
タガの柵の4つビジネス的視点
・継続していけるようにする
・積極的に動いている
・元気でスキルをもっている
・地域に貢献したい
地域を元気にできるのは「人」。
たくさんの人に多賀城を知ってほしい。たくさんの人が多賀城市を訪れてくれるよう地域の情報、魅力を発信していき、仙台と多賀城の間の人の往来を拡大したいと考えています。
店内には多賀城に関する書籍がたくさん並べられています |
タガの柵の「売り」は、人と情報のマッチングができること。継続した事業展開の中で仙台だけでなく県内の地域とも連携し、交流を深めることで相互の向上を目指したいと松村さんは言います。
震災後、さまざまな地域支援が行われてきました。
震災から5年。
地域づくりも岐路に立っています。
私たちは大切なふるさとを生活する地域をどのように復興させていきたいのでしょうか。
松村さんと話して、「地域づくり」は自分たちが参加して行うものであり、与えられるものではないと感じました。
(取材日 平成28年2月18日)