3月20日、東北工業大学八木山キャンパスで「みちのく未来基金 第5期生の集い」が開催されました。
東日本大震災で両親またはいずれかの親を亡くした子どもたちの進学資金をサポートする「みちのく未来基金」は、「これから復興の原動力になる子どもたちの夢を諦めさせてはならない」という思いで2011年からスタート。これまで1期生から4期生まで合計434名に奨学金を給付し、今年新たに進学する5期生を迎え入れました。
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みちのく生とサポーターたち |
進学する90名のうち68名の5期生が参加し、自分の夢を1人ずつ発表しました。

「震災で一度諦めかけたが、小さい頃からの夢だった教師になりたい」
「震災の時に助けてくれた看護師に憧れて、同じ職業に就きたい」
「大学で学んだことを活かし、地元の復興に貢献したい」
みんなさまざまな夢へ向かって、力強く歩む姿を見せてくれました。
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さらに今年は大学へ進学した1期生たちがちょうど卒業を迎える年にもなりました。
3月に学校を卒業し、社会人になるみちのく生77名のうち21名が、これから進む道を報告しました。
「みちのく未来基金は、自分にとって大切な場所。基金という枠を超えて、たくさんの仲間と出会い、いろんな経験ができて、充実した大学生活を送ることができました。春からは地元に就職し、保育教諭として子どもたちと共に復興の力になっていきたいです」
「栄養士が夢でしたが、震災に遭い進学を諦めかけていました。その時この基金を知り、大学に進むことができました。その間にいろんな資格を取得し、4月から幼稚園の栄養士の職に就くことになりました。サポートしてくれた人たちのおかげで、抱いていた夢を実現することができ、うれしい気持ちでいっぱいです」
苦難を乗り越え、無事に夢を実現できたことや感謝の思いを伝え、見守ってきた周りのサポーターたちもその言葉に胸が熱くなっていたようでした。
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「羽ばたく君へ」 卒業生へ卒業証書を渡すみちのく未来基金代表理事の長沼さん(右) |
みちのく未来基金代表理事の長沼孝義さんは、
「最近はスタッフの努力でなく、みちのく生自らが支え、作り上げている基金になりつつあるとつくづく感じます。今回の会も全部みちのく生が運営してくれました。
この基金は震災時にお腹にいた子が大学を卒業するまで続けますので、あと20年続きます。20年後はここにいるみちのく生は40歳になっていますので、いずれはこの子たちが強力なサポーターとなり、支えてくれる基金になっていくでしょう。
皆さまどうか長いご支援をよろしくお願いします!」
と挨拶しました。
■公益財団法人みちのく未来基金
http://michinoku-mirai.org/
(取材日 平成28年3月20日)