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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年7月28日火曜日

2015年7月28日火曜日9:30
石野葉穂香です。

宮城県下のほとんどの市町が真夏日(日中の最高気温が30度を超えること)となった7月12日、岩沼市玉浦地区にある岩沼「みんなの家」では、竣工2周年を記念する「夏祭り」が開催され、昨年の倍以上となる約500人もの来場者でにぎわいました。
地域のみんな、大集合! 青色のポロシャツの方がインフォコムのスタッフの皆さんです
祭りの告知チラシが事前に小学校で子どもたちに配られたこともあり、会場には子どもたちの元気な声がいっぱい。
浴衣姿の小学生、部活帰りのユニフォーム姿の中学生などがひと足早い夏休み気分を楽しんでいました。

そして、子どもたちの笑顔が、大人たちも元気にしてくれます。
地区のお母さんたちも、お手伝いに駆けつけたほか、手づくりのお漬け物を持参して、社交場である「みんなの家」の縁側で、お茶を飲みながらお漬け物をポリポリ。
岩沼「みんなの家」自慢の〝縁側〟
まるで村祭りのような雰囲気ですが、よそから来た人もウェルカム。
誰もの心を和ませてくれます。

「みんなの家」については、こちらの過去記事をご一読ください。

2014年3月20日(木曜日)
地域の笑顔が集う「みんなの家」
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/03/blog-post_802.html

2014年8月7日(木曜日)
みんなでつくる「みんなの家」の一周年記念夏祭り!
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/08/blog-post_93.html


「みんなの家」は、津波で被災した岩手、宮城、福島の三県の沿岸部に、現在14棟があります(建設中も含めると15棟)。

「漁師さんの作業場」「農家の拠点施設として」など、さまざまな目的に使われていますが、ここ、岩沼「みんなの家」は、
・岩沼と玉浦の農業の復興および発展の拠点
・ITと農業や医療を融合した事業の創出拠点
・被災地の復興の様子を発信する情報拠点
・地域の「みんな」が集うコミュニティ施設
 として、インフォコム(株)が建設し、管理と運営も行っています。

東日本大震災からの復興支援を、これからも続けて行くために、ここで事業を創り出し、同時に「みんな」がここに集まって、地域づくりやまちづくりに役立つような、そんな場所を目指しています。

各地にある「みんなの家」の中でも、岩沼「みんなの家」の利用率というか活況は群を抜いているのだとか。

先に書いたように、例えば漁師さんの作業場として、建てられた目的を満たしているケースもありますが、岩沼ほど多くの人たちが、まさに子どもたちからお年寄りまでが毎日集う「みんなの家」は、なかなかないそうです。

一足早い夏休み
「ひとつには民間の企業が運営に携わっているということが大きいと思います」
と話すのはインフォコム(株)みんなの家推進チームの大内隆司さん。

「開設から2年の間で、『みんなの家ではこんなこと、あんなことをやっています。さらにこれからはこんなこともやりたいです』と、さまざまなところでPRをさせていただきました。2年目で知名度はぐんとアップ。やっぱり存在しているだけでなく、こちらから顔出しをすることが大事ですね」

インフォコム(株)みんなの家推進チームは、「社会的課題を、ITを駆使して解決するインフォコムソーシャルビジネスの事業展開を目指」しているチーム。

岩沼「みんなの家」の運営も、チームの事業創出に繋がる活動です。
地域の人たちの中へ積極的に飛び込んでいき、たくさんの人たちと関わってきました。

花火セットなどが当たる抽選会
暑くても元気!
子どもたちが嬉しいとお母さんもうれしい
「施設を建てて終わり・・・ではなく、こちらも企画を打ち出す。打って出るというか。
岩沼みんなの家の運営方針は『農業とIT』『地域コミュニティ』の二本柱です。毎月1回、何かしらのイベントを、地域の皆さんを巻き込む形で開催しています。餅つき、夏祭り、いも煮会、ハロウィン、クリスマス・・・。
さまざまなイベントで地域の皆さんにご協力をいただいていて、直売生産者のお母さんたちも、楽しそうにお手伝いくださるんです」(大内さん)
お母さんたちが育てたトウモロコシ、枝豆、キュウリ。「おにぎらず」も人気でした
これは記者(石野)の勝手な感想ですが・・・
例えば全国どの地域にも「公民館」というコミュニティ施設があります。
でも、利用率の低い公民館というのも、それこそ全国に幾つもあります。

それは「場所はお貸しします。でも催事の準備や運営はそちらで~」というスタンスが、使いやすそうで使いにくい感じにしてしまっているのかもしれません。

岩沼「みんなの家」は、施設側が、常に「DO(動く)」です。
「お使いください」ではなく「遊びサ来てけさいんねー」という、より積極的で開放的な存在であることが、多くの人を引きつけている理由なんだと思います。

家族みんなで楽しめるみんなの夏祭りです
「今日もあそこで何かやってる」「今日もきっと誰かに会える」「ちょっと縁側でお茶っこ飲むべ」・・・という、岩沼「みんなの家」の存在感というか『存在力』は、今や地域にとって、なくてはならないチカラとなっています。

その証拠画像が、この記事の写真たち。
昔から続く村の鎮守様の縁日でもない、「施設が2周年を迎えました」という記念イベントに、こんなにたくさんの人が集まりました。
わたあめは、今も昔もやっぱり大人気

浴衣姿がお似合いです
次は何を食べようかな・・・
「お父ちゃん、あれ買って~」
『お初天神』のような会話があったかも?
こんな場所、ウチのまちにもほしい・・・。そんなふうに思いませんか?

東日本大震災から5度目の夏。
岩沼には、新しいコミュニティの絆が、ますます大きく強く結ばれています。

その中心に「みんなの家」。
建物は小さいけれど、とても大きな存在感を放っています。

館内には、ソフトクリームやコーヒーなどの喫茶メニュー、野菜や加工品の物販コーナーもあります。
そして、運がよければお母さん手づくりのお漬け物がいただけるかもしれません。

皆さんも近くを通りかかったら、ぜひお立ち寄りください。

(取材日 平成27年7月12日)