東日本大震災から3年8カ月。
公営住宅や防災集団移転などの工事が進み,
仮設住宅からの転居が始まったというニュースが増えています。「復興のまちづくり」は少しずつ確実に前へと歩みを進めています。
ここ最近、会う人から「疲れた」という言葉を聞くことが増えています。
震災の後、小さな地震が頻発しました。また生活環境が激変したことで対人関係も変わり、被災地の人たちは常に緊張した状況の中で生活を続けています。
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「ゆう」さんは、東日本大震災の前から、気仙沼市内で「癒しの部屋 ゆるゆら」を運営していました。
ストレスを感じ辛い感情を閉じ込めて生活している間に、心や体に不調を感じてしまった人たちがいる。そうした人たちの感情を解放する手伝いがしたいと考えたのです。
震災の後、「自分より大変な人がいるから自分は大変だと言ってはいけない」、と周囲の人に遠慮した人もいます。そうして溜め込んだ感情が「心の疲れ」になり、
「それが一因と思われる体の不調を訴える人も増えています。]
と「ゆう」さんは話します。
震災後、「ゆう」さん自身も周囲の人に遠慮して震災の痛みを話せず、いつの間にか心も体も動かなくなってしまい仕事を休むことになりました。
少しずつ回復した「ゆう」さんは、自分のように困っている人たちの話を聞いて「癒し」になりたいと考え、「癒しの部屋 ゆるゆら」を再開しました。
「ゆう」さんのセラピーは、セラピーグレードのエッセンシャルオイルやカラーオイル、クリスタルなどを使ったヒーリングです。
「ゆう」さんは、
「心が感じる痛みや辛さの度合いは人それぞれ違っていて当然です。 しかし、自分以上に辛い体験をしている人たちがいる中で、自分も辛いのだとはとても言い出せず、いつの間にか自分の感情に蓋をしてしまう人たちも少なくありませんそうして流されずに溜めこまれた感情は、時として心身に症状として現れることがあります。どのような感情も流してあげることが大切です」
と言います。
「震災のことに限らず、私たちは、他人と自分を比較したり、世間体など自分の外側に意識を向け良い悪いや正しい間違いなどのジャッジをしてしまいがちですが、まずは自分の感じているものをありのまま受け入れ認めてあげることが大切です。自分の外側に意識を向け過ぎることは自分のエネルギーを外側に大きく与えることでもあるので、どうしても自分自身のエネルギーが不足してしまいます。自分の内側に意識を向け、自分の感覚を信じることで自分本来のパワーを取り戻していくことが今とても大切です」
「そのお手伝いをするのが、ヒーリングです。心と体のエネルギーを整えることで不調を軽減していくことができます」とゆうさんは話します。
「みんな違ってみんないい」 「自分の感覚を大切にして信頼することで自分の内なるパワーを取り戻そう」と 話す「ゆう」さん |
震災後のストレスだけでなく、現代社会の中でストレスを抱える人たちの「癒し」になればと「ゆう」さんは話します。
「癒しの部屋 ゆるゆら」は女性専用です。
11月からは、メールで悩みを聞いて、自分の内側に意識を向け、意識の使い方を変えることで悩みを解放する「メールセッション」も開始しました。
「メールセッション」は性別に関係なく受けています。
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同じ被災地で「被災」していても温度差や格差を感じることがあります。
「被災」という事実は人それぞれに感じ方があり、誰かと比べることも評価することもできないと思います。
震災で大きく変化した生活環境や人間関係にストレスを抱えながら生きている人も少なくありません。
「疲れた」
その短い言葉を自分の心の叫びをして遠慮しないで話せることは必要だとkaiiも思います。
伸びをして体の疲れを解放するように心の疲れも解放しながら「前へ」。
「ゆう」さんのお話を聞きながらそんなことを思いました。
「癒しの部屋 ゆるゆら」
http://yuruyura-hr.jimdo.com/
(取材日 平成26年10月27日)