震災後、被災地域では子どもたちの遊び場である学校のグラウンドや校庭に次々と仮設住宅が建てられました。
その状況は震災から3年半が過ぎた今でもほとんど変わっていません。
さらに、仮設住宅への入居が地区単位で行われなかったことも多く、各地区に従来あった子ども会組織のコミュニティはバラバラに。
震災以降、まちで遊び、まちの人と交流する機会が一気に減ってしまった子どもたち―。
「さまざまな人々とふれあう機会が減ってしまったことで、価値観の違いや多様性を感じることも少なり、さらに社会性や創造性、感性、感動、感謝が育ちにくくなっているのではないか。また、子どもを見守る環境ができないため、子どもだけでなく親も孤立しやすくなってしまった。
だからこそ今、子どもと一緒にコミュニティを再構築し、子どもが夢と希望を描けるまちづくりが必要。そして、その夢と希望をみんなで支え、実現するためのサポートをするのが私たち大人の使命なのではないか」
こう考えたのが石巻市に住む戸田勇也さんです。
「子どものためになることなら何でもやるぞ!」と戸田さんを中心に石巻の住民が集まり、
2011年11月に「子どものための石巻市市民会議」が発足しました。
この「子どものための石巻市市民会議」が中心となり、2012年から毎年開催されているのが
「子どものまち・いしのまき」です。
石巻で震災復興活動をしていたNPOや大学、商店街や企業など約20団体以上が集まり、「みんなで子どもの夢を応援しよう!子どもが主役のまちをつくろう!」と始まりました。
「子どものまち・いしのまき」は、石巻市の商店街を舞台にした子どもの職業体験イベントです。
子どもたちがお店や会社、公共機関など各種サービスを提供する会社を作り、働き、お金を稼ぎ、そのお金で遊んだり買い物をしたりする実体験型の学習プログラムなんだそうです。
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こんな仕組みになっています |
子どもたちは、イベントの数カ月前から実際のお店や会社を訪問してインタビューや研修を行い、企画会議や制作・準備をしていきます。
ハローワークや銀行、各お店で働く店長や店員もすべて子どもたちです。
単なる職業イベントではなく、子どもが自分の夢を実現するために会議や研修、準備を重ね、実際に一定期間まちを運営する子どもが主役のまちづくりそのものです。
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開催に向けて今年8月に行われた第2回の子ども会議 |
第1回「子どものまち・いしのまき2012」では、ケーキ屋さん、生ジュース屋さん、雑貨屋さん、ねこカフェ、獣医さん、スタイリストさん、アクセサリーデザイナー、フェイスペインティング、アイドル、漫画家、大工さん、テレビ・ラジオ局、ハローワーク、銀行、観光ガイド、市役所職員、警察官、お医者さん、学校の先生など、なんと約150種類以上もの仕事を行ったんだそうです!
さらに、2日間に訪れた参加者は約1,700名!
戸田さんたちが想定した人数をはるかに超える参加者が集まりました。
ここで使われる通貨は、マキーと呼ばれるもの。
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入国審査場でパスポートとマキーを受け取り、ハローワークに行き仕事を探します。店員さんとしてお仕事をしたら お給料としてマキーをもらい、今度はそのマキーで自分な好きなお店でお買い物などを楽しみます♪ |
「子どものまち・いしのまきを通じて、子どもだけでなく親同士が繋がり、顔の見える関係や地域で子育てする環境が生まれます。またまちの人や自然、文化とふれあうことで愛着を持つ人が増えますし、さまざまな人とふれあうことで一人ひとりの感性、感動、感謝の心を育んでいきたい」と戸田さん。
今年も10月4日(土)、5日(日)に開催されます!
今年はどんなお店が登場するのでしょうか?ワクワクしますね!
5日(日)には、会場の一部を道路封鎖し、ストリートパーティも開催されるそうなので、
こちらもぜひお楽しみに♪
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「子どものまち・いしのまき2014」
日時 : 2014年10月4日(土)、5日(日) 10:00~15:00
会場 : ことぶき町通り (石巻市中央)※社会福祉協議会前の通りになります
参加費 : 無料
アクセス : JR石巻駅より徒歩約10分
問い合わせ : 子どものまち・いしのまき2014実行員会
http://ishinomakids.com/
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(にゃんこ)