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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年7月27日日曜日

2014年7月27日日曜日7:05

仙台駅4番線ホームに入線した、特別列車「石巻アイデアトレイン」

ザーリャです。
いよいよ、石巻STAND UP WEEK2014が開会しました!
「川開き祭り」までの一週間、石巻はまちを知り、まちを楽しみ、町の未来を語るまちづくりウィーク」。

石巻の街やその周辺で行われる企画は、その数50種類以上!さまざまイベントが連日繰り広げられています。

開催日初日の7月25日。
仙台から石巻へと向かう石巻STAND UP WEEK2014特別列車が出発しました!
車の中で鉄道と東北の未来を話そう&考えよう!
「石巻アイデアトレイン」on石巻線マンガッタンライナー
ザーリャも、さっそく乗車させていただきました!
仙台駅の電光掲示板には、「マンガッタンイシノマキ2.0」の入線予告が!

ひときわ目を引く特別列車が入線!ホームに歓声が上がりました

車内ワークショップに登場した講談師の田辺銀冶さん

14:15、JRの皆さんに見送られて、石巻へ向けて、出発!

「テーマは、『世界で一番面白い街を作ろう!』です」
そう語る、ISHINOMAKI2.0代表の松村豪太さん

2011の夏から始まった「石巻STAND UP WEEK」は、今年で4回目。
「企業、行政、クリエイター、芸能人といった、今年は今までにないぐらい多くの団体が参加します」
そう語るのは、イベントを主催するISHINOMAKI2.0の代表、松村豪太(まつむらごうた)さんです。

「いま、石巻では日本の未来を作るヒントが、そして被災地でしかできない取り組みやアイデアが生まれています」
松村さんは石巻の復興の「今」をそう説明します。

「それを他の地域の方に、また世代を終えた方々に伝えていく。それが恩返しでもあり、私たちの使命だと思っています」

今年の「石巻STAND UP WEEK2014」のテーマは、「未来作りの見本市」。「触れる・遊ぶ・食べる・作る」という4つの
アプローチが設けられています。

「震災があったからこそ生まれた、斬新で画期的なアイデアがあります。それを楽しく、ポジティブなものとして、皆で体験して伝えていく。そういったイベントを目指しています」
松村さんはそう語ります。

企画に協力したJRの奥山さん。ワークショップにも参加しました
列車に同乗してくださったのが、JRの奥山さん。
「JRとしても、なんとか『石巻STAND UP WEEK』を応援できないかと考えました。それが、この特別列車です」

車内からは大きな拍手が起こりました。


列車は東北本線を北上していきます。車窓には東北の田園風景が広がります。


乗客の皆さんの多くが、他県から訪れた方々でした。
「これが東北なんですね」
初めて東北を訪れたという女性は、車窓の風景を熱心に眺めていました。


旅の先々で、たくさんの沿道の方々が列車に手を振ってくれました。


そして車内で始まったのは、「列車の中で鉄道と東北の未来を話そう&考えよう!」と題したワークショップ。

仙台と石巻を結ぶJR仙石線は、東日本大震災の津波により、大きな被害を受けました。現在復旧工事が行われており、
来年には全線復旧する予定です。
JRの奥山さんによれば、「新型ハイブリット車両」も運行する計画だと言います。

「より素晴らしい仙石線を作るために、どんなアイデアがあるだろうか?」
それを考えるのが今回のワークショップです。

「ここで出たアイデアは、実際の企画会議で使わせていただきます」と、JRの奥山さん。

乗客の皆さんが自己紹介をしながら、自分のアイデアを次々に発表していきました。
時には「あまりに斬新すぎるアイデア」に車内が大きな笑いに包まれる場面も。


「JR九州のように、三陸を縦断する豪華な観光列車を走らせる」
「自転車を載せられる、サイクルトレインが欲しい」
「鉄道マニアとしては、非公開の貨物基地などが見られる列車に乗りたい!仙石線なら『工場夜景マニア』も乗るはず」
「揺れる車内で『筋トレ列車』はどうだろうか?」


「車内でずっと音楽が流れていたらいいですね」
「すごろくで実際の鉄道を回るゲームは? 一度やってみたら、降りた8割が無人駅でした」
「クッキングトレイン。地元の食材で料理を作り、食べ歩きしながら走る列車」
「屋根の無い電車を夜中に走らせて、東北の星空を眺める列車。綺麗じゃないですか?」


「行商列車は?地元のおばあちゃんが地元の食材を持って乗り込む。お土産も買える」
「東北は食材が豊富ですから、『寿司列車』。地元のネタをどんどん握っていく」
「今回のような特別列車の模様をWEB配信して、生中継。好きな人がいるんですよね」


それぞれの車窓に貼られました、皆さんの「新しい電車」のアイデア。


ワークショップが進むうちに、列車は石巻線への分岐点、小牛田(こごた)駅に到着。ちなみにこの「石巻アイデアトレイン」on石巻線マンガッタンライナー号は、特別列車のため駅に到着しても扉は開きません。

ホームでこの特別列車に「遭遇」した方々は、皆さん手を振ってくださいました。


小牛田駅からは東京でご活躍されている講談師の田辺銀冶(たなべぎんや)さんが登場。
講談で仙石線の前身である「宮城電気鉄道」の歴史を紹介しました。

私、ザーリャも通勤では仙石線を利用していますが、まったく知らなかった話ばかり。

実は営業開始当初にあった「仙台駅~東七番丁駅(現在の東口付近)」間は、日本最初の地下路線だったなんて、皆さんは知っていましたか?


こんな仙石線の歴史を、「銀冶さんは何で調べたのだろう・・・?実は鉄道マニアの『鉄子』なのかな・・・?」などと、驚くばかりのザーリャでした。
そして、あまり馴染みのなかった「講談」ですが、実はとても分かりやすくて、面白い・・・!ぜひ、いろいろなお話を聞きたい!そう感じました。銀冶さん、またぜひ東北に来てください!


16:08、JRの皆さんの待つ石巻駅に到着!

約2時間の旅の末に、ついに石巻駅に到着しました!ホームではたくさんの方々が迎えてくださいました。


最後に、特別列車をバックに、参加者全員で記念撮影を行いました。
皆さんとも、ここでお別れ。
楽しい旅に、後ろ髪をひかれる思いでした。
皆さん、ありがとうございました!またどこかで!

「被災地復興の現在形に触れていただければ」と話す、松村豪太さん
「復興の先にある、楽しい東北・楽しい石巻を感じてください。私たちも、石巻でお待ちしています!」
村松さんは、そう語りました。

ISHINOMAKI2.0では、今後も仙石線の再開に向けて、「アイデアトレイン」の計画を進めています。

次回の発車では、皆さんどうぞ乗り遅れのありませんように!!


(取材日 平成26年7月25日)