梅雨ですね。気温が高く湿気が多いこの時期は食欲が減退します。
食欲が落ちると喉ごしのいい麺類を食べたくなります。
気仙沼においしい「つゆ」があることを、皆さんご存じですか?
その「つゆ」の名は「いいっちゃ」。
万能つゆ「いいっちゃ」は2種類のサイズがあります |
濱田屋は、1823年(文政6年)創業。気仙沼では老舗の、みそ・しょう油・酒の製造販売元でした。
濱田屋のオリジナル商品「いいっちゃ」は先代(15代目)が販売を始め、口コミで人気になった濱田屋の人気商品です。
かつおぶし、むろあじぶしなどの魚のだしがベースの「いいっちゃ」には、適度な甘さとコクがあります。希釈して使えてとても経済的です。
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濱田さんは、5年ほど前に先代から「濱田屋」の経営を引き継ぎました。
気仙沼湾の北側にある鹿折地区で酒屋「酒大将」を営んでいました。
その「酒大将」は、東日本大震災の津波火災で焼失しました。当時店長をしていた男性が、津波に巻き込まれて亡くなりました。
ショックを受けた濱田さんは、店舗を持つことにも従業員を雇用することにも怖さを感じ、一度は店を再開することを断念しました。
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しかし、発売から25年が経ち濱田屋の人気商品だった「いいっちゃ」の人気は、地元のファンの中で震災に負けずに生き続けていました。
平成25年5月に販売が再開された「いいっちゃ」への思いがかかれたパンフレット |
震災から半年が過ぎた頃、濱田さんに地元の「いいっちゃ」のファンから、「『いいっちゃ』はもう販売はしないのか?」という問い合わせが来るようになりました。
ファンの声に後押しされた濱田さんは、「16代目の自分で濱田屋の屋号を失くしてしまってはいけない」と一念発起し、平成25年5月から「いいっちゃ」の販売を再開しました。
濱田屋の人気商品「いいっちゃ」と濱田屋16代目濱田美穂さん 「いいっちゃ」のおいしさが自慢です |
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「いいっちゃ」は店舗では販売していませんが、1本から電話注文することができます。
2本入り、3本入りの化粧箱もあり、引き出物やお土産としても人気があります。
気仙沼市内の商店や土産品販売所3店舗でも購入できます。
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「いいっちゃ」を使って、「竹の子ご飯」を炊きました。少量の「いいっちゃ」だけで他の調味料を使わずに炊きましたが、とてもおいしく炊くことができました。
「いいっちゃ」で炊いた今年最後のタケノコご飯はダシの旨さを感じる出来上がりになりました |
気仙沼の新鮮な魚介類との麺とも煮物にも合う、万能つゆ「いいっちゃ」。
万能つゆ「いいっちゃ」で炊いた「お煮しめ」 つゆの色が濃く出ないので、お料理の仕上がりがとてもきれいです |
「いいっちゃ」とは気仙沼の方言で「良い(おいしいもの)でしょう」の意味です。
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名の通り、おいしい「いいっちゃ」には、販売を再開した16代目濱田美穂さんの「屋号を自分の代で終わらせたくない」という、「家」と「先祖」を思う心も込められています。
震災後、「家族」のあり方を考えた人も多くいると思います。
濱田さんのお話を伺いながら、「家族」が育ててくれた自分の命に感謝する心の大切さを思いました。
濱田屋
電話:090-4314-8787
フェイスブック
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(取材日 平成26年6月5日)