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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年3月29日土曜日

2014年3月29日土曜日19:17
こんにちはエムです。

震災から3年目を迎える目前の3月9日。
亘理町では「伊達なわたりまるごとフェア」(以下:まるごとフェア)
という町を挙げての催しが開催されました。

亘理町佐藤記念体育館前で開会式の後行われたテープカット

 これは、豊かな大地・亘理町の魚介類や野菜、農産加工品など特産品を一堂に集め、展示販売するイベントです。
亘理町内だけではなく、山元町、角田市、岩沼市をはじめ、山形県、福島県など、町内外からの参加がありました。さらに亘理町と姉妹都市を結んでいる北海道伊達市のブースも含めて、約50の団体が軒を連ねました。

海産物の炭焼きなどを販売するブース

町が復興事業で整備した「いちご団地」などで収穫された亘理の特産物イチゴやほっき飯の他、野菜、りんご、味噌、日本酒など美味しそうな特産物ばかりで目移りします。
この日は約10,300人が訪れ、大盛況でした。

味噌や醤油のブース

そしてこの日に合わせ、亘理町が選定した観光PRキャラクター「わたりん」のお披露目も行われ、大人気でした。

314点の応募から町民投票などで決定した「わたりん」:中央
右は亘理産仙台いちごキャラクター「わたリーナ」
仙台・宮城観光PRキャラクターの「むすび丸」も駆けつけました
「わたりん」のモデルは亘理伊達家初代当主、伊達成実公。兜(かぶと)には町の花サザンカと特産のイチゴ、前立(まえだて)には決して後戻りせず前へ進むというケムシを配し、復興への思いも表現されています。
わたりんは、開会セレモニーで斎藤邦男町長から「観光PR係長」の辞令を受けました

      
   亘理町佐藤記念体育館内にも約30のブースが店を開き大勢のお客さんでにぎわいました

「まるごとフェア」は東日本大震災のあった平成23年も、震災の起こる前に行われました。震災の年も中止を免れたことが幸いし、平成3年から間を空けずに毎年行われているそうです。 

亘理町佐藤記念体育館内のブース

「震災1年後の平成24年も、出店数は減ったものの時期をずらして3月20日の春分の日に行いました。ただ震災前と比べると、町内からの参加店舗、入場者数はどうしても減っていますね」

そう語るのは亘理町商工観光課 丸子城さん。
「まるごとフェアの裏方です」と謙虚な丸子さんですが、このイベントの運営にはなくてはならない人物の1人でしょう。

「震災前は荒浜のお店などの出店がありましたが、震災後は津波の被害のなかった町場や内陸の生産者が中心になっていますね。
やはり出展者の数や入場者数は震災前と比べると減っています。ですが、毎年同じように開催できる。同じように開催することが大切だと考えています」

亘理町商工観光課 丸子 城さん

丸子さんに「復興は進んでいると思いますか?」とお聞きしてみました。

「何をもって復興が進んだとするのか。仮設住宅が無くなった時点なのか等、どの辺りを基準にするのかで変わると思いますが、移転先の住宅や防潮堤の建設などは着実に進んでいるんだと思います」

亘理は海の幸、山の幸が豊富で、仙台市からもさほど遠くはありません。仙台駅からJRでも30分ほどです。
今はいちご狩りのシーズンですので、再開した「亘理いちご」を味わいに足を伸ばしてはいかがでしょうか。

亘理町観光協会
http://www.datenawatari.jp/

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「笑み舞う」smile project(プロジェクト)を企画した「NPO法人 みんな一書」(以下:みんな一書)もこの催しに参加し、会場となった亘理町佐藤記念体育館の中で凧制作のワークショップや書のパフォーマンスなど行いました。

「みんな一書」が作ったポストカード

「ポストカードやカレンダーの収益で、被災地の子どもたちへ文房具を贈ったりしています」

説明してくださったのは白石市で書の教室を開いている佐久間玉流さん。玉流さんも「みんな一書」のメンバーです。

「3月11日」から始まるカレンダー「いっぽ一歩」。
震災を忘れないという強い願いが込められています

「今日一日のためだけに、いろいろな人が流派に関係なく集まっています。私たちは震災復興のお手伝いを “書” で何かできないかと集まりました。
1人ではなかなかできない、こうした活動を通して、協力者はだんだん多くなってきています」

玉流さんの言葉通り、会場は活き活きとした熱気が満ちていました。

書のパフォーマンスをしてくださったのは、仙台市若林区で教室を持つ
支部蘭蹊さん。
墨を含んだ筆は10kgほどもあるそうです

左より:おかや筆墨本舗/菅沼さん、佐久間玉流さん、支部蘭蹊さん、岡崎翠園さん、書のお弟子さん

凧の制作・(書人の)凧の販売
などもありました


「笑み舞う」smile project についてはココロプレスでも紹介していますので詳しくはそちらをご覧ください。

2014年3月21日金曜日
被災地の青空に「笑み舞う」(気仙沼市、石巻市、七ヶ浜町、仙台市、亘理町)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/03/blog-post_21.html


(取材日 平成26年3月9日、3月24日)