今年は寒暖の差が大きいですね。風邪などの流行性感冒が流行しています。ご自愛ください。
南三陸産の「貝」を材料に、女性書道家高橋汀蘭(たかはし ていらん)さんが、一つ一つ手作りしている「南三陸泊貝っこ(みなみさんりくとまりげっこ)」に会いに来ました。
南三陸産の巻貝の貝殻を材料にしたストラップ |
高橋さんの作品「南三陸泊貝っこ」は、天然の貝殻が素材。すべてが世界にひとつだけの作品です。小さな貝殻と台紙ひとつひとつに、高橋さんの優しい言葉が「筆」で書かれています。
南三陸産の二枚貝の貝殻を材料にしたストラップ |
「幸せの大きさを他人とくらべないでね」と書かれた貝の台紙には
幸せはほどほどがいい
あまりに
幸せすぎると
少しの不満も
不幸に思えるから
と書かれた作品もありました。
大きな津波を経験したお母さんの優しさと気持ちの言葉だと感じました。
貝の「ストラップ」や「キーホルダー」にもひとつひとつ違う言葉が書かれています。
南三陸産の貝殻をアクセントのしたシュシュ 春の優しい南三陸町の海のようなイメージです |
南三陸町の貝をアクセントにした「シュシュ」は南三陸の春の優しい海をイメージさせるデザインです。
南三陸の海から拾った小さな貝殻をアクセントにした ミサンガ |
小高い場所にある、高橋さんのご自宅を訪ねると、お庭には南三陸町志津川の海岸を中心に拾った貝殻がたくさん置いてあります。
東日本大震災後、書道家の高橋さんは、南三陸町の支援のために訪れた人たちに何かお返しをしたいと思いました。
当時四人目の子どもを妊娠中だった高橋さんにとって、できることは多くはありませんでした。
しかし、震災前、家族で南三陸町の袖浜海水浴場などで拾い集めた貝殻に、書道家の高橋さんと高橋さんの子どもたちの心に浮かんだ言葉を筆で書いてストラップなどを作り、ボランティアや支援に来た人たちに渡しました。
自然の貝殻に高橋さんが書く優しい言葉が人気を集め、「お土産に欲しい」など引き合いが来るようになりました。
ひとつひとつ心を込めて「南三陸泊貝っこ」を手づくりしている 書道家高橋汀蘭さん
震災から半年後の平成23年9月から多くの友人や知人の手助けなどもあり、震災で仕事を失った女性たち3人と一緒に「南三陸泊貝っこ」を立ち上げました。
|
小さな子どもがいるので短い時間に集中して作品づくりをしている高橋さんの小さな「夢」は、地域のお年寄りたちと一緒に書道ができる書道大会を開くことだといいます。歳を重ねると表彰状を受ける機会が減ります。その機会を書道大会を開いて作りたいといいます。
南三陸泊貝っこの売上の一部はこうした地域の教育交流や子ども支援に役立てられています。
津波で大きな被害を受けた南三陸町は、海の近くまで山が迫っていて仮設住宅を建築する用地が確保しにくかったため、隣の登米市に仮設住宅を建設しました。
南三陸町から人口が流出したために、高橋さんの書道教室も、震災後生徒の数が30%ほどまで減少しています。
高橋さんは「南三陸町と南三陸泊貝っこ」の作品をいつも大切にしてくれる多くの方々に感謝し、観光客の減少するこの時期にたくさんの応援をしてほしいと話します。
小さな貝殻で作る、世界でひとつだけのアクセサリー「南三陸泊貝っこ」は400~800円の手ごろな価格で販売されています。
貝殻に好きな言葉や格言など、お客さんの希望の言葉を入れることができます。包装代金と送料は別途かかりますが全国に発送しています。お気軽に下記までお問い合わせください。
高橋汀蘭:tomarigekko@gmail.co
女性の手仕事が地域の「元気」につながっていくようにと願っています。
(南三陸泊貝っこリンク先)
http://ameblo.jp/teiran-kana0204/
(取材日 平成26年1月24日)