栗駒山の「世界谷地原生花園」のニッコウキスゲがもうすぐ見ごろを迎えます。
柔らかな光を跳ね返すニッコウキスゲ。 高原に「夏が来たよ」と知らせてくれます |
「世界谷地」というのは「広い湿原」という意味から名付けられたそうです。
栗駒山(1627m)の南側斜面、標高約670m~710mほどの高原台地の上に細長く広がる、本有数の高原の湿原地帯。
上段、中段、下段に分かれて、ざっと4グループ、大小8つの湿原があり、それらを区分けするように、ブナの原生林が横切っています。
駐車場からのアプローチ。 はじめはやや急登ですが普通の靴でも歩いて行けます。 第一湿原まではゆっくり20分ぐらい |
「原生花園」の名の通り、ここは高山植物の楽園。
春から初秋にかけての期間、真っ青な空色の下、高山ならではの可憐な花々が次々に咲き代わる、“雲表の花園”なのです。
栗駒の街から、山里の風景を経て、森に突入して約50分。
駐車場に車を止め、そこから500mほど歩くと「第一湿原」が、1200mのところに第二湿原があります。
木立の中のアプローチ。 早めの時間なら木漏れ日がすてきです |
でも、現在、立ち入ることができるのは第一湿原のみです。
2008年6月14日に発生した「岩手宮城内陸地震」で、栗駒山は、山容が崩落するなど、大きな被害が発生した場所でした。
山域の中には、傷跡を目にする場所や、立ち入りが制限されているところもまだ多くあります。
「世界谷地」第二湿原は、湿原そのものは、ほぼ無事でしたが、アプローチの散策道や木道や散策路の再整備がたいへんとのことで立ち入りができません。
分岐点。駐車場から歩いてきたのは右手前(「駒ノ湯」)側 |
第一湿原の入り口です。 右に曲がると一気に視界が開けます |
6月23日、時刻は午後6時を過ぎていましたが、夏至からまだ2日目という日の長さと夕陽に期待して訪ねてみることにしました。
・・・・・・咲いていました!
「世界谷地原生花園」のシンボルと言うべき「ニッコウキスゲ」の群落です。
湿原に着いたのは午後6時過ぎ。 陽はだいぶ傾いていました |
「ゼンテイカ(禅庭花)」と呼ばれるユリ科の多年草の別名です。
早朝から夕方まで咲く昼咲きの花で、わずか1日でしぼんでしまい、翌日には新しい花が咲くという、美しくもはかない花・・・。
そんなわけで、この日は、鮮やかなオレンジの花色も、夕陽の中にまどろみかけていて、写真の出来はもうひとつ・・・・・・。
右手奥の山肌には、 まだ雪が残っていました |
もっと早い時間ならば、草原の緑も、その上を点描のように彩る花々も、もっとキリッと輝いて、鮮やかな対照を見せてくれるはずです。
もちろん、夕陽は夕陽でキレイですが。
木道が整備されていますが、 落っこちたりしないようにご注意ください |
花一輪の命は短いですが、 次々と咲き代わるので、群落としての眺めは長く楽しめます |
明日にはまた、新しい花が咲くところに由来するのでしょうか?
もうひとつ。『君いませば心なごむ』という言葉もあります。
やさしくて安らかで、ちょっと勇気づけられる気がします。
第一湿原に咲く花は・・・・・・。
ショウジョウバカマ5月)、ミズバショウとワタスゲ(5月~6月)は過ぎてしまいましたが、サラサドウダン、レンゲツツジ(6月)は少し咲き残っています。
ワタスゲも、名残の色をとどめていました |
そして、このあと、盛夏に向かって、ニッコウキスゲ(6月下旬~7月上旬)、タテヤマリンドウ(6月下旬~7月中旬)、コケモモ(7月いっぱいぐらい)、キンコウカ(7月~8月)、ミツガシワ、ミズギク(8月)、エゾオヤマリンドウ、イワショウブ(8月~9月)・・・・・・などが、駆け足で過ぎていく中東北の山岳の夏を、明るく美しく、鮮やかに輝かせてくれます。
今、咲いているこの花は今日でおしまい。 明日はまた、つぼみが新たな花を咲かせます |
7月15日までの土・日曜日は、東北本線石越駅、東北新幹線くりこま高原駅などからバスも運行中です。
山頂まで1時間30分ほどで登って行ける「中央コース」の登山口である「いわかがみ平」へも足を延ばせます。
マイカーでお出かけならば、登山、そして夕陽や星空やお月夜なども楽しんでみてください。
ルート上には日帰り入浴ができる温泉施設もあります |
ちなみに、この日(6月23日)は“スーパームーン”。
月影の奥底から、ノクターン(夜想曲)が聞こえてきそうな、すてきな夜でした。
「スーパームーン」とは、月が地球に最接近する満月の日のこと。 最遠のときよりも14%大きく、30%明るく見えます。 ちなみに次回の「スーパームーン」は2014年8月11日です |
宮城デスティネーションキャンペーンは6月で終わってしまいますが、夏雲の影を待ちわびる花々や深緑が、高原の風に揺れる“東北ならではの美しい夏”は、これからが本番です。
きっと心を癒してくれる大緑境の花畑へ、ぜひお出掛けください。
(取材日 平成25年6月23日)