引き続き、「NPOスマイルシード」さんと「越後愛届け隊」の皆さんの活動の第2週目を紹介します。
2013年4月24日水曜日
桜の木が植えられました(東松島市宮戸)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/04/blog-post_3348.html
以前取材した1週間後の3月30日にも活動していると聞き訪れたのは、石巻市渡波にある明神社です。
前の週の3月23日には、道路沿いにシダレザクラが植えられました。 (photo by ココロデスク) |
今回も同様、桜の苗木や、花植えをしていました。今回は16名の参加者が作業をしていましたが、「越後愛届け隊」だけではなく、インターネットの情報で駆け付けた関西の大学生や、以前活動していた学生の飛び込み参加があり、とてもにぎやかでした。
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photo by NPOスマイルシード |
黄本さんは、作業が終わりかけたときにボランティアに向けて、こう語りかけました。
「土手が崩れていて、掘っていたら瓦礫が出てきましたよね。ミミズ一匹もいなかったでしょ。あれは命がない砂。塩害が入っているため全く命がない砂なんです。それに命が芽生える為に腐葉土と生土を入れました。そして、みんなで魔法の言葉を掛けました。これできっと神社の神様も守ってくれるでしょうー」
塩害を受けた土の再生、それは、花が生きることができる環境になるということです。
花がきれいに咲くことで、復興の姿も見ることができます。
そして何よりも、「目」で見る癒しを作ることができます。
次の日には、火にも強く水にも強い防風林、防災の役目をすると言われるタブの木を植えました。
明神社が鎮守の森になるために、少しずつ、苗木や花苗が植えられます。
小渕浜や宮戸にも少しずつ新しい苗が植えられています。
今回もみんなで心を込めて植えました。 |
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明神社に植える桜の木 |
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そして、今回は明神社だけでなく、個人宅へも1本の桜の木を植えることになりました。
明神社の隣に住んでいる及川まみさん宅です。
桜の苗木を植える作業を微笑んで見守っていた及川さんの腕の中に赤ちゃんがいました。
及川さんは、生まれも育ちも渡波で、明神社の隣が実家でした。震災当時、高台にいたのでご自身は無事でしたが、ご両親が津波の被害に遭い、亡くなりました。
震災後に結婚をして、旦那さんと実家に戻ることを決意しました。
そして、長男の奏(ひなた)くんが誕生して家族が3人になりました。
及川さんの長男を抱く黄本さん |
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及川さんのお宅の庭に植えた桜の木 |
「笑顔満開!桜も満開!強い子に育ってね」 及川まみさん |
「ちょうど、生まれた年に植えていただいて、一緒に成長できれば良いな。毎年きれいに咲くと良いね」と、奏くんに話しかけていました。
温かいお日様の光を浴びて、スヤスヤと寝ている奏くん、
小さな桜の木と共に元気にスクスクと育ってね。
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津波はたくさんの命を奪いました。
そして、日本中がたくさんの悲しみに染まりました。
私の周りにも、大切な人を失った人たちがたくさんいます。
それでもその人たちは、笑顔を見せます。
「生きているからこそ・・・」と、歯を食い縛って頑張っている人たちがたくさんいます。
そして、その中からも、奏くんのように元気でたくましい命が誕生しています。
明神社の桜 4月17日 |
2週間前に植えた桜の木に花が咲き始めています。
小さくさりげなく咲いている桜は、いつも見ているどの桜よりも力強く見えました。
花を植え続けている人たち、
それは、頑張っている地元の人たちに「寄り添いたい」と思っている人々が「花」を通して想いを伝えていました。
時間が経つにつれて、人の心は変化します。
しかし、「寄り添う」という心は胸に止めておいてほしい、
「NPOスマイルシード」さんの活動に触れて、あらためてそう思いました。
今後も「NPOスマイルシード」の皆さんや「越後愛届け隊」の皆さんの活動は続きます。
たくさんの花が、ここ石巻や東松島に広がります。
(取材日 平成25年3月30日)
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<新潟県内にお住いの読者の皆さんへ>
「越後愛届け隊」では第15弾の活動への参加者を募集中です。
活動日 5月18日(土)~19日(日) 1泊2日
活動場所 石巻市網地島(石巻港からフェリーで1時間20分の離島です)
活動内容 植樹、海岸清掃など
詳しくはこちら(募集案内のPDFです)
http://www.kyoritsu-kanko.jp/osusume/images/20130423/volunteer.pdf