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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年3月29日金曜日

2013年3月29日金曜日15:31
ココロデスクです。

知る人ぞ知る「猫の島」、田代島に来ています。


いえ、この方は島の猫様です。

田代島は、牡鹿半島の西側にある周囲11.5kmの小さな島です。
島に渡るには、石巻港から1日に3便出ているフェリーに乗ります。牡鹿半島を眺めながらの約50分の船旅です。牡鹿半島先端の鮎川港から隣の網地島を経由して渡る便もあります。

網地島ライン(フェリー運営会社)
http://www12.ocn.ne.jp/~ajishima/index.html


ブルーライナー号。この日は経験したこともないような揺れでした。

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ところで、私はなぜこの島に来たのでしょうか?

話は去年の12月にさかのぼります。

ある日、フェイスブックでこんなボランティアツアーの情報を発見したのです。


田代島へゆくボランティアツアー参加者募集!!
ネコの島で有名な田代島は震災後、
観光客もめっきり少なくなって、さみしい島になってしまいました。
その震災の跡地を利用して、誰でも気軽に利用できる
竹製の休憩所「バンブーデッキ」を作るお手伝いをしていただける方を
募集します。


企画したのは仙台の旅行会社「たびむすび」。小さな会社ですが、震災前から地域おこしに関わるグリーンツーリズムなどに意欲的に取り組んできました。最近注目されている「着地型観光」ですね。

たびむすび
http://www.tabimusubi.co.jp/


私は田代島には震災の前に一度だけ訪れたことがあります。
日帰りでしたが、島内を散策してたくさんの猫に会い、子どもたちも大喜びでした。

その田代島が今どうなっているのか?
そもそも、バンブーデッキを作ることがどうして復興につながるのだろうか?
「定員5名」の文字を見て、「急げ!」とばかりに申し込みましたが、さてそれからが長い道のり。


このツアーは、もともとは12月8、9日に実施されるはずだったのですが、その前日に旅行会社からこんなメールが。

明日(12/8)の田代島ボランティアツアーは
天候により、帰りのフェリ-が欠航の為、延期となりました。
間際のご連絡で恐縮ですが、ご了承ください。
フェリー会社のお話ですと、水曜日頃まで欠航する可能性があるとのことで、
そうしますと皆様が田代島で足止めとなってしまいます。
来年1月に延期の予定です。
出発日が決まりましたら改めてご連絡いたします。
宜しくお願いいたします。


船が動かないのでは仕方ありませんね。


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年が明けて1月26日。あらためて決まった出発日です。

前夜から雪が降ったものの、風は弱く波は穏やかに見えました。旧北上川の河口にある発着所で「今日は大丈夫だろう」と出発を待っていたところ、出発5分前になって「明日の帰りの便が欠航する恐れがある」と再び延期に。
参加者の中には、はるばる神奈川から夜行バスで駆け付けた人もいて、一同ややがっかりでした。
でもすぐに気を取り直して「じゃあ、また次回!」と、この朝は明るく解散しました。

2度目の出発は、直前で中止に。

そして1週間後の2月2日。
この朝も吹雪で波はやや荒く見えましたが、101トン・定員220名の「ブルーライナー」は、私たち7人の参加者と、他にも数組の乗客を乗せて出航!

ブルーライナー号。石巻から田代島の大泊と仁斗田、
網地島の網地と長渡(ふたわたし)の港を連絡します。

ジェットコースターのように揺れました。

北上川の河口を抜けて外海に出た途端、荒波が船窓を叩きました。
大きなうねりを一つ、また一つと乗り越えるように船は前進しました。
私は怖さを振り払うように夢中でシャッターを切っていました。
(おかげさまで、船酔いをすることすら忘れていました。
 平気でおにぎりをほおばりながら撮影していたので、同行メンバーからはあきれられました)


やがて波は穏やかになり、行く手の島影が徐々に大きくなってきました。田代島です。

田代島が見えてきました。

田代島には2つの港があります。
北にあるのが今日の目的地の大泊ですがこの便は泊まらず、南の仁斗田で降りました。
三度目の正直で、ようやく渡航に成功! です。

田代島の仁斗田港にて。
そして上陸するなり、「お約束」の猫の歓待。
島の人口は約60人ですがその倍くらいの猫が住んでいるそうです。

田代島には犬が1匹もおらず、猫たちの天国です。
出迎えてくださった軽トラックに分乗して、大泊の集落に移動しました。

生えている樹木にも、何となく南のムードが漂っています。

タブノキ。暖かい沿岸地方で育つ木です。

細い山道をしばらく走ると前方に海が開け、眼下に小さな港が見えてきました。大泊港です。
港に面した狭い平地。
がれきと呼べるものは見当たらず、家屋や作業場の跡と思われるコンクリート基礎だけが残るばかりでした。



「今日はここにバンブーデッキを作ります」。

リーダーが少し先の原っぱを指さしました。
いよいよ活動開始です。


(つづく)

2013年5月2日木曜日
猫の島に集いの場を~バンブーデッキボランティア その2(石巻市田代浜)
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/05/blog-post_5636.html

(取材日 平成25年2月2日)