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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2013年3月28日木曜日

2013年3月28日木曜日14:03
kaiiです。
気仙沼湾を望む小高い丘の上に建つリアス・アーク美術館で、平成25年3月2日から3月17日まで、震災で傷ついた人々の「心の慰め」と「心の復興」の願いが込められた「希望の光 富永成風展」が開かれました。
3月9日、京都府在住の富永成風画伯がリアス・アーク美術館を訪れ、日本画の持つ魅力を会場を訪れた人たちに説明しました。



富永画伯は自身の作風を心象絵画と紹介しました。心象絵画とは意識に浮かんだ姿や像を動物や植物、仏の姿に模して表現する絵画です。


アートセラピストの娘さんと奥さんの意見や感想を参考にして、仏の像を描くときには現代女性の姿を重ねて描き、絵画セラピーもしています。
展示された多くの絵の中には、「慈愛」「あるようでないもの」「見えるようで見えないもの」「力強さと静寂」が描かれています。


印象的だったのは、静寂を湛えた桜の絵。桜の幹に宿る慈愛の心が咲かせた優しい桜の花を描いた水墨画に静寂を感じました。



展覧会を企画した富永成風展実行委員会実行委員長の熊谷光良さんは
「圧倒的な力強さと得も言われぬ慈悲深い温かさに包まれ自然に涙し心穏やかな癒しの時をいただいた。1人でも多くの人に私と同じような心揺さぶられる感動に出会っていただくことで明日への力にしていただきたい」
と、思いを話しました。


ご自身も津波で店舗も自宅も失った熊谷さんは、「町並みの復興と共に立ち止まったままの人の心の復興が進むことを祈っています」と話します。「人」が復興のエネルギーでエンジンだとkaiiも思います。



震災前は共に支えあっていた人間関係や地域が震災で壊れました。
「おたがいさま」の優しさのある関係が崩れ、「妬み」「僻み」「恨み」行き場のない思いが、互いの心を傷つけ合うことがあります。
被災を免れた人の中には故郷に住みにくさを感じている人がいます。
熊谷さんの「心の復興へ」の思いを聞きながら、kaiiも1日も早く人々の心が平穏な気持ちになることを祈りました。



(取材日 平成25年3月9日、17日)