本日は、白石市の中心部に悠然と存在している場所に向かおうと思います。
みなさん、おわかりですね?
『白石城』です。
雪の中にそびえているお城は味わい深い
白石駅前の通りを歩くこと10分。意外と早く着きました。
片倉小十郎で人気のこの地は、報道される機会が多くはありませんでしたが、城の被害が大きいです。
今回お話を聞かせていただくのは、(財)白石市文化体育振興財団の大槻孝司さんです。
普段は白石城の案内などをされており、歴史好きが高じて今の仕事をしているそうです。
「壁の傷みがほとんどです。瓦も一部。ただ、柱とかにはなんら問題は無かったんですよ。はい」
漆喰(しっくい)や瓦の処理は、去年の3月中にすべて片付けを終えました。翌4月1日にはお客さんを入れ、通常営業を再開したそうです。
城の中の壁。色が付いたラインは、全て補修が必要な箇所
城の外壁。しっくいが剥がれ落ち、痛々しいです
「多くの観光客の方に戻ってきてほしいので、去年の7月から平成24年の3月31日まで、高校生以下は入場料無料にしてるんですよ」
それでも例年に比べると観光客は5割減で、依然厳しい状態は続く見込みだそうです。
また、白石城の修繕には莫大な額が必要なため、『白石城の復興募金』を、こちらと市役所などで設置しています。市民の皆さんや、訪れた方にもぜひご協力をいただけたらと、大槻さん。
「被災地の方も結構来るんですよ。石巻とか気仙沼とかから。気晴らしに来られるようですね。ずっと家に居てもしょうがないんでって、皆さんおっしゃるんですよ。募金にも寄付をしていただいて、逆に頑張ってと言われることもあり、ありがたい気持ちでいっぱいです」
自らも被災している中で、人を思いやれることは、日本人、いや東北の人たちの凄さであり誇りだと思います。
大槻さんはじめ、他のスタッフの方々が一番気を遣っていること。それは、
『言葉遣い』です。
「何気ない言葉や話し方で、あの時のことを思い出せてしまわないように気を付けていますね。こちらの方から津波のことについて聞くことはないですね」
ただ接するのではなく、相手の心情に配慮をしながらお城の案内をするのは凄いことだと思います。
復興に関するイベントなどは特別行ってないとのことですが、地震は毎年行われているイベントのほうに影響を与えているようです。
「毎年10月上旬に鬼小十郎まつりが開催されているんですけど、これが結構人気がありまして、市の方でもそれまでに城の修繕を完了させたいなと話してたんですよ」
鬼小十郎まつりは、毎年全国からお客さんが訪れ盛り上がるイベントだそうです。
人気の要因は、鎧を無料で着られこと。特に女性のお客さんには大人気だそうです。
「一時期の武将ブームは、落ち着きましたね。なんですか、歴女ですか?あの方たちが多く来られたのは、2~3年前が多かったですね。中には、大阪から車で来られる人もいましたよ」
今後については、「とにかく安全な状態に戻して、また皆さんに来ていただけたら」と話していました。
お土産で売れているTシャツ。白石城をイメージしているデザインです
私も、大槻さんにお城の中を案内していただきました。
案内されている最中にも、外国の観光客が何組も来ていました。
「結構いらっしゃるんですよ、外国の人も。サムライとか、向こうの人は好きですから、お城にも来られるんですよね」
一通り案内をしていただきながら、一番上のスペースまで来てみました。
あいにくの雪ですが、天気の良い日には蔵王連峰や白石市を一望できるそうです。
被災した全ての人が幸福になることを想いながら、白石城を後にしました。
白石城に行ってみたい方は、ぜひ問い合わせてみて下さい。
『白石城』
宮城県白石市益岡町1番16号
TEL 0224-24-3030
FAX 0224-24-3033
http://www.shiro-f.jp/shiroishijo/
(平成24年1月30日)