こんにちは。寒くなってきましたね。石巻より、アオキです。
中央アイトピア通りを歩いていると、「ボランティアの皆さん本当にありがとうね 石巻人も頑張ります」と、大きく張り紙がされてあるセトモノ屋さんがありました。気になって、お話を伺いにお邪魔してきました。
中央二丁目の尾張屋さんは創業102年の老舗。オーナーの近藤良一さんは3代目の方で、昔の石巻の町並みのことを沢山お話してくださいました。
震災でお店の商品の3分の2は売り物にならない状態になってしまい、変わり果てたお店の状況を見て、近藤さんはやる気を無くしてしまったそうです。
しかし、娘さんを筆頭にお店のドロかきが始まりました。間もなく、ボランティアの方々の協力で片付けや消毒の作業が入り、お店としてのカタチを取り戻したそうです。
「ボランティアの方々には、本当にお世話になりました。店を開けなくてはならないなという気持ちに変わりました。特にあの一言は忘れられません」と、当時のことを振り返り、今でも感謝の気持ちでいると話してくれました。
その一言とは…
「今日も仕事を与えてくださって、ありがとうございます。」 という外国人のボランティアの方の言葉でした。
おにぎり・パン・パック詰めのご飯といった食事が長期化する中、「被災された皆さんは、食器を使って温かい物を食べたいと、きっと想っていることだろう」と近藤さんは考えました。
お店再開の意欲を与えてくれたボランティアの方々へ直接は恩返しすることはできないけれど、できることで恩返しがしたいと、7月6日にお店の営業を再開、それから2週間の間はご来店くださった被災されたお客様に、食器から花瓶までお一人様10点無料で差し上げたそうです。
「今となれば、大抵のことでは動じません。これからも、愛する妻と一緒に店をやっていこうと思います」と、愛犬のモモちゃんを膝に乗せ、微笑んでくれました。
人からもらった温もりを、感謝の気持ちでまた人へ繋げる。
そんな素敵なココロのループで今日も石巻は、一歩また一歩進んでいます☆
(平成23年11月28日)