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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2016年3月29日火曜日

2016年3月29日火曜日9:27
こんにちは。kaiiです。
東日本大震災から5年がたちました。5年間、世界中からたくさんのご支援をいただきました。あらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。

私が震災後に、生活や取材活動などを通じて、自分の命を守るために大切だと感じてきたことを前編、中編に続いて話します。


2016年3月11日金曜日
東日本大震災から5年~自分の命を守るために(前編)(気仙沼市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2016/03/5_11.html

2016年3月15日火曜日
東日本大震災から5年~自分の命を守るために(中編)(気仙沼市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2016/03/5_15.html




災害が発生してすぐの混乱期をどう生き抜くか? どんな備えが必要かをあらためて考えてみようと思います。

震災発生から6日目。翌日の天気が崩れることを予想して、帰宅することを決めました。
早朝、勤務していた会社へ私物の長靴を取りに戻り、長靴に履き替えて3km先の我が家を目指しました。
この日の目標は、愛猫と家族、我が家に避難していた当時、93歳の伯母に無事会うこと。




自宅までの道のりは障害の連続でした。道路と呼べる道はなく、津波で打ち寄せられた重油と汚泥の混ざったものが深いところではくるぶしの高さまでありました。
る道、ガレキが打ち寄せられた道を歩いて約3時間かけて家に戻りました。

自宅までの道には、津波で打ち寄せられた魚、ネコやイヌの亡骸、遺体がありました。

無事に帰宅して、着替え、洗髪、洗顔、歯磨きをしました。震災発生から6日目。とても気持ちが良かったことを思い出します。

帰宅した翌日、山火事が拡大し避難勧告が出ていることを知りました。防災無線もダウンしているため情報が届きませんでした。

近くでも、強く風が吹くとくすぶっていた火が燃え上がりました。

愛猫をキャリーに入れ避難を始めましたが、ネコが嫌がることと風の方向が変わり延焼しないと判断できたため一度家に戻りました。

家に戻り数日が過ぎ、「自分は何をここでしているのだろう」という気持ちにさいなまれ始めました。
極度の緊張から解放され自由な時間ができたことで、かえって生きるための目標を見失いました。

生きる目標をもっていることで自分を維持していた私には、何もしない環境で生きることが苦痛でした。

避難所には困っている人がいる。
さまざまな感情に一喜一憂するより避難所で困っている人たちのためにできることをしよう。

翌日から避難所へボランティアに通いました。
食料の尽きかけていた地域に帰りには食料を分けてもらうこともできました。

地域に残った人たちが、生きるために荷物を運ぶなど協力し合い助け合い、急性期を生き抜くことができました。


私たちの地域の停電が解消したのは震災から2カ月が近づいた5月4日。断水が解消したのは5月23日でした。

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自分ごととして考えてください。

発災直後、混乱期、自分が生きるために何が必要なのか?

モノですか?
人ですか?
お金ですか?

私は、毎日を自分が生きるための目標が必要でした。目標があると行動を組み立てることができました。
他力本願になり、不満を抱えて生きることから遠ざかることができました。


命はみんなに平等に1つです。
その命をどう守り生きるのか?
これが私の目標です。今もその目標は変わりません。

自分ごととして考えれば、自分の命を守るために必要なことが見えます。誰かがしてくれることは全て自分に合いません。

避難所で、高齢の女性たちに言われたこと。
「尿取りパットがほしいけど男性職員だけで恥ずかしくてもらいに行けない。もらってきてほしい」

高齢の女性たちのこの言葉から・・・女性の皆さんは考えてください。
自身を守るために何が必要か。自分のストレスを減らすための手立てを、羞恥心を守るために必要なことを。

「生きる」
強い思いがないと、辛さを抱え「死」を見つめてしまいます。

南三陸ホテル観洋の女将阿部憲子さんが命を守るために必要なことについて語った記事(平成28年3月3日)
http://kokoropress.blogspot.com/2016/03/2.html


災害が起こった時、自分の命を守るために自分の命を生きるために何が本当に必要なのか・・・
自分ごととしてもう一度考えてみませんか。


(取材日 平成28年3月13日)