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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2016年2月13日土曜日

2016年2月13日土曜日12:05
こんにちはエムです。

東日本大震災からもうすぐ5年を迎えようとしています。
震災発生後は全国各地から、世界各国から本当にたくさんの方が宮城県に応援に来てくれたことは、忘れようもありません。
取材をしている今でも、「ボランティアの方に感謝の気持ちを持っている」と語る人は大勢います。

そんな震災直後から現在も変わらず、山元町で支援活動を続けている団体があります。
「NPO法人 未来に向かって助け合い」です。

発起人で理事長を務める福井福治さんの本籍地は栃木県宇都宮市。
天理教下野分教会代表役員を務めると共に、少年院を出所した子どもたちや家庭裁判所から補導委託された子供たちなど、帰るところの無い子どもたちを預かる「児童自立援助ホームしもつけ」の施設長などを兼任しています。
山元町と宇都宮市を行ったり来たりしながら、どちらでも重要な活動を続けている方です。


上の「山元・夢ファーム」は、「未来に向かって助け合い」が昨年(2015年)5月に開設した牧場で、現在活動の拠点になっています。
「夢ファーム」では震災後の原発事故によって閉鎖となった南相馬の牧場から、3頭の年老いたポニーを引き取り、世話しています。

27歳のバックホー。土・日は乗馬させてもくれる元気なポニーです

「何も無くなった場所で、ここを人の集まる場所にしたい。それによって地元の人たちの笑顔、また雇用が生まれてくれば良いなと考えて作りました」と語る福井さん。

実は「未来に向かって助け合い」が重点を置いているのは、桑の葉を使った製品を産出し販売すること。津波被害で人が住めなくなった広大な土地を利用し、3年掛かりで5000本に及ぶ桑の木を植えています。
畑には他にもカボチャやサツマイモ、ハマボウフウなども試験的に栽培し、山元町の雇用につながる特産品を生み出そうと試行錯誤しているところです。


「毎日野外で炊き出しですよ」と笑って迎えてくださいました

「工場誘致とかいろいろ話はありましたが今は無くなっているようですし、それにせっかくこれだけの自然があり広い土地があるので、これを生かしたものを作ったらと考え、山元町役場に許可をいただいて2012年から桑の木を植え始めました。

桑の葉を収穫して『桑の葉茶』などを作っていますが、今では地元の人が中心になってやっています。製品化され販売してますが、もっと売り上げが伸びて皆さんの雇用につながれば……と思ってます。でもまだ雇用までは至ってないですけどね。

町の復興計画には入ってない土地をお借りしていましたが、5年の間には予定が変わってお返ししなければならない土地もあります。そういった場合は引っ越しは当然しなければならないと思っています。
実は2500本の桑の木の引っ越し先を探しているところです。畑が見つかれば、その作業にもボランティアの力が必要になってきます」

「ゆくゆくは、今取り組んでいる製品やこの場所でやろうとしていることが一体化して、人がたくさん集まるようになってほしい。それが軌道に乗ったら僕は手を引き、地元の方が中心になって運営できれば良いと考えています。
そのための軌道作りをしています。
でもまだ、ここで本当にやっていけるのかは不安がありますので、しっかりとした土台固めができるまでは僕の仕事だと思ってやっています」

奥が「夢ファーム」入り口。左右には桑畑などの農地が広がっていました。
ゆくゆくは手前左の建物をレストランにする計画もあります

福井さんは震災直後から、岩手県や宮城県女川町へ支援物資を集めて運ぶなどのボランティア活動を始めました。
縁があって山元町に入ったのは2011年6月末。
当時山元町のボランティアの数は、他の大きな町と比べると100分の1とも感じるほど少なかったのだそうです。

全国的に声を掛けながらボランティアを集め、福井さん自身も山元町の津波で壊れた民家を借りて寝起きしながら、床下の泥出し、側溝の掃除、仮設でのイベントなどを行いました。

「最初の1~2年の間には全国、北海道から九州まで、1日50人から100人体制で来てくれていました。四国、関西とかは多かったかな。大型重機も持って来てくれてました。
今まで来てくれたボランティアは、延べ2万人以上です」

福井さんは当初、「ひのきしん山元」という名前で活動をしていましたが、周りの人から「個人でやってるボランティアよりもNPOにした方が活動しやすいよ」と勧められ、2013年7月30日、「NPO法人 未来に向かって助け合い」を立ち上げました。

NPOになってからは、「1人じゃなくてNPOだったんだ」「法人だったんだ」という言い方をしてくれる人が増え、県や町などの役所でも横のつながりが広くなり、福井さんは活動がしやすくなったと感じています。

2500本が植えられている桑畑。ここは来年までに引っ越さなければなりません

「未来に向かって助け合い」が管理しているのは桑畑3カ所、他にカボチャなどを栽培してる畑が数カ所あります。「夢ファーム」でも馬の世話などもありますので、しなければならない作業はいつでもあるようです。

「ここでのボランティア作業は一番多いのが“畑作業”。完全無農薬だし、化成肥料も殺虫剤も使っていませんので、作業は手作業なんです。
畑の草取りや、桑の葉摘み(6月以降〜10月半ばまで)、摘んだ後は手洗いして乾燥機にかけます。毎年冬が来る前には枝の剪定作業もあります。そうすると、春が来た時に新しい芽がたくさん芽吹いてきて質の良い桑の葉になるんです。
施肥には牧場の馬糞も有効活用されていますよ」

他にもU字溝の掃除や草刈り、地元の人の要望が入ればそちらの作業もしています。

剪定し紐で縛られた桑の木の枝。
ボランティアの力無しにはできない作業がたくさんありました

春を待つ桑の木

現在も土・日曜日は地元のメンバーや、他県からのボランティアなどが来てくれているのだそうですが、私が取材した日は平日だったため、3人のボランティアの方にしか会えませんでした。
お聞きすると3人とも県外の方。今回初めて来たという方から半年以上滞在している方まで、それぞれの都合に合わせて作業を手伝っているということでした。

その中の臨床心理士の方は、心が弱っている人にここはお薦めだと言います。
「ここはとても良い環境だと思いますよ。自然療法とか作業療法という観点からもそうですが、誰かのために何かをしてるという感覚が、必ず人を回復させると思います」

なるほど皆さんが常に笑顔で生き生きした表情なのは、この場所、この環境が影響しているからなのですね。私自身、取材しながも伸び伸びした気持ちになり、気付くと何度も笑っていました。

ぶらっと立ち寄っても楽しい場所です

もうすぐ32歳のスマイル
「食べるの遅いから取られちゃうよ。早く食べな」

「そうですね。心の弱ってる人にももっと気軽に来てもらって、ここで癒しになったり元気になってもらいたいですね。それも重要な目的の1つですよ」

さらに福井さんは言いました。

「現段階でも山元町の復興はまだまだ遅れています。
ここではボランティア作業は山ほど、いくらでもありますが、ボランティアの数は減っているのが実状です。
皆さん、どうぞご協力お願いします」

「誰でも!誰でも来て良いの!」と話す福井さんとボランティアの皆さん


「明日に向かって助け合い」の今までのボランティア活動の内容と、販売している製品についてはこの後2回に分けてお届けします。
驚きの活動内容と、今後注目度アップが予想される高品質の製品についての記事をどうぞお楽しみに!

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会員募集】
・賛助会員 一口 3000円
・正会員  一口 1万円
会員には桑の葉製品を贈るなどの特典もあるようです。詳しくはホームページからお問い合わせください。

また継続した活動を続けてゆくために支援を募っています。
[ゆうちょ銀行]
名義 特定非営利活動法人 未来に向かって助け合い
記号 18150
番号 14893721

ちょっと体調を崩していた“あんず”は16歳。
「今まで頑張って働いてきた馬たちなので
ここでゆっくり余生を過ごしてもらいたいんです」

◆ NPO法人 未来に向かって助け合い
宮城県亘理郡山元町山寺字北泥沼112
http://tohoku-fukkou.holy.jp/index.html
Facebook
https://www.facebook.com/WeiLainiXianmiraitasukeaigkatteZhukeHei/

◆ 山元夢ファーム(YouTube)
https://youtu.be/QdwchVk9N4U

(取材日 平成28年1月12日)