header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2016年1月11日月曜日

2016年1月11日月曜日14:44
こんにちは、YMです。
今回は一般社団法人みやぎ連携復興センターが実施した、ある復興支援事業をご紹介します。

■事務局のさらなるステップアップのために!
震災直後から県内各地でさまざまな住民団体が立ち上がり、復興や新しいまちづくりへ向けた活動を行っています。しかしどんな団体でも活動していくうちに、何かしらの課題や改善すべき点が出てくるのは必至でしょう。

「どうにか改善したいけど、今はそんな余裕が無い…」

そんな現状を抱えた団体が活動を続けていくためには、「まず団体の基盤と事務局の機能を強化することが必要だ」と、立正佼成会一食(いちじき)平和基金から寄付を受け、住民団体に向けた助成事業を行うことになりました。
それが今回の事業「復興まちづくり協議会等事務局ステップアップ助成」です。
審査で選ばれた全10団体に対し、総額450万円が助成されました。

■立正佼成会一食平和基金とは?
立正佼成会は仏教団体です。お互いと共に生きる仏教の考えに基づいて「一食を捧げる運動」を行っています。
「一食を捧げる運動」とは、困難を抱えた人々のことを思い、毎月1日と15日、朝昼晩の食事のうち一食を抜きます。この食費分が「一食平和基金」となり、さまざまな地球の支援に活用されています。

■助成を受けて半年間の活動報告
この助成を受けて、各団体は5〜10月の約半年間の間に事業を実施しました。それぞれどんな活動が行われてきたのでしょうか? その活動報告会が仙台市内で行われました。

選ばれた10団体を一通りご紹介しますと、

1)気仙沼八日町復興まちづくりの会(気仙沼市)
2)筆甫地区振興連絡協議会(丸森町)
3)大谷里海(まち)づくり検討委員会(気仙沼市) http://oyakaigan.com/
4)NPO法人わたりグリーンベルトプロジェクト(亘理町) http://www.watari-grb.org/
5)石巻仮設住宅自治連合推進会(石巻市) http://jichiren.info/
6)あおい地区まちづくり整備協議会(東松島市)
7)鮎川港まちづくり協議会(石巻市)
8)階上地区まちづくり協議会(気仙沼市) http://hashikami-machikyo.jp/
9)閖上地区まちづくり協議会(名取市) http://yuriage-machikyo.net/
10)南蒲生復興部(仙台市) http://minami-gamou.com/


「学びたい」「整えたい」「深めたい」「調べたい」「伝えたい」の5つのテーマから、自分たちが「強化したいこと」を2つ以上選択し、それぞれ活動してきました。

■伝えたい!整えたい!
これらを選んだ団体は、必要機材を整えたり、地域情報誌の作成・発行、ホームページの作成・更新など、情報発信のために活用しました。

■学びたい!深めたい!調べたい!
これらを選んだ団体は、まちづくりで成功している地域や同じく被災した他地域を視察したり、まちづくりを研究している専門家を招いて、セミナーを行ったりしました。
ほとんどの団体が「学びたい」を選んでいました。団体に所属している方は、今までまちづくり活動をしたことがない”素人”がほとんどだったので、「とても勉強になった」と話していました。

その中で「閖上地区まちづくり協議会」は、
「今回は同じく津波被害を受けた志津川地区と鹿折地区を視察に訪れ、現地のまちづくり協議会と意見交換をしてきました。それぞれ事務所を持ち、そこに住民たちが集まっていました。
一方、自分たちの閖上地区には現在家が1軒も無く、現地に協議会の”事務所”すら無い状況です。6、7カ所に点在する仮設住宅を回り、住民から意見を収集するのは非常に難しく、そこが復興の妨げになっていると身を持って感じました。
これまで他地域を見学することが無かったので、今回は外に目を向けることができる良い機会をいただきました。今後は事務所や拠点の設置などを実現したいです。」
と報告しました。

==========
■「内陸部」も復興途上
この中で唯一”内陸部”から選ばれた丸森町の「筆甫地区振興連絡協議会」の取り組みをご紹介します。
丸森町筆甫地区は宮城県最南端の地区で、福島県との県境に位置しています。そのため放射線汚染による風評被害が今も尾を引いています。
「放射線汚染で地域資源や住民の心がダメになってしまった地区。地域が壊滅状態になっている」と、始めに事務局長の吉澤武志さんはこう説明しました。
今回はテーマから「学びたい」「深めたい」「調べたい」を選びました。
行った取り組みは、
(1)放射線汚染で地域が描いたビジョンを失ってしまったので、もう一度”新たなビジョン”を作ること
(2)地域の担い手となる若者(20代~40代)を育てること
大きな課題だったこの2つを併行して行いました。

全9回に渡り、若者たちを連れてワークショップや視察を行いました。
ワークショップでは毎回10〜20人が参加し、ファシリテーターに入ってもらい、まったく地域づくりに興味・関心が無かった若者たちに、その楽しさを知ってもらいました。
また地域活動に参加したり、これからの事業計画を作っていきながら、今後数十年の中で自分たちが何をやっていけば、自分も楽しく、地域にとっても良いことかを話し合ったりしてきました。

「結果的に地域ビジョンはまだでき上がっていないけど、今回本当に良かったなと思うことは、この半年間意見交換を行ってきた人たちで”若者グループ”が結成できたことです。
毎月1回定例会を行い、ビジョン作りに取り組みながら、実践していくことが決まりました。今までこのような動きが無かったのですが、助成金のおかげでようやく活動することができました。それが将来的に見たら、事務局としてものすごいステップアップになった」と言います。

吉澤さんは「震災後から4年半、ずっと地域の復興に力を注いできたが、この助成金で今までで最も効果が上がった事業ができたと思っています。この助成金が無ければ、これからの地域の未来を描くことが難しかったでしょう。本当に心から感謝しています。」と話していました。
==========

■突然大喜利が始まった!?
前半の報告会は少し固い感じでしたが、後半からガラッと変わり、大喜利風のパネルディスカッションが始まりました。
地元の自慢や活動のために行っている事など、お互いの意見を出し合いました。
「会議で一度決めた事が、次の会議でまた議題に上がる」など、みんながうなずいてしまう”事務局あるある”が出てくる度に笑いが起き、和やかな雰囲気で進みました。

最後に全団体から立正佼成会に感謝を込めて、花束と感謝状が贈られました。
この事業は内容は少し変わるかもしれないけれど、支援目的は変わらずに2016年も継続していくとのことです。

(取材日 平成27年11月28日)