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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年11月30日月曜日

2015年11月30日月曜日9:26
石野葉穂香です。

町の復興計画の中に「バイオマス産業都市構想」を盛り込み、その実現に向けて取り組みを進める南三陸町。

その先駆けを担う施設として、今春より同町保呂毛地区で建設が進められてきたバイオガス施設「南三陸BIO(ビオ)」が完成。
10月16日、関係者の出席のもと、竣工式が執り行われました。
10月16日に竣工式を迎えた「南三陸BIO」
同19日から、すでに本格稼働中です
「南三陸BIO」の起工式の模様と、その施設が目指す事業については

2015年5月1日金曜日
「エコタウン実現を目指して~ 『南三陸BIO』の建設が始まりました(南三陸町)」
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/05/blog-post.html

を、ご一読ください。

竣工式には、事業の主体者として施設の運営を担う、環境関連事業の「アミタホールディングス(本社・京都市)」の熊野英介代表取締役、佐藤仁町長、JA南三陸の高橋正代表理事組合長など関係者約70名が出席。
何よりも操業の安全を。
そして町の発展を祈ります
神事に則った式典が厳かに行われ、そのあと、施設の内覧会が行われて、発酵や貯蔵に係る設備、関連の車両などが紹介されました。

本格稼働は、3日後の10月19日から。

生ゴミを扱う施設ですが、この日はまだ作業場などもピカピカです。諸設備の役割について、担当者から説明を聞きながら、施設の内外を一周しました。

5月の記事と重複しますが「南三陸BIO」について、あらためてお話ししたいと思います。

この施設は、南三陸町内の家庭や店舗などから排出される生ごみ、し尿汚泥といった有機系廃棄物を発酵処理して、バイオガスと液肥(液体肥料)を生成するリサイクル工場です。
受入室。専用バケツで回収された生ゴミが搬入され、
生ゴミ破砕機で細かく粉砕されるほか、
余剰汚泥もこの部屋で受け入れます
週2回、町内の集積所に出された生ゴミを回収して「BIO」に集めて、さらに従業員が、生ゴミに混入したビニール袋やプラスチック片、卵のカラなどを手作業で取り除き、粉砕します。

そのあと、合併浄化槽の余剰汚泥と混ぜて、メタン菌で発酵させ、液肥とバイオガスを作り出します。
液肥は肥料として町内の農地に散布され、また、バイオガスは発電に用いて施設内で使います。

大きなタンクはメタン発酵槽。生ゴミを発酵させてバイオガスと液肥にします。
手前の四角い機械はバイオガスを燃料にして電気と熱を生み出す発電機
生成される液肥は年間約4500トン。田んぼの場合、70ヘクタール分になります。
また、バイオガスの生産量は1日あたり390Nm3。これを発電に利用すると同じく1日あたり600kwh(約60世帯分)の電力が生み出されます。

余剰電力は、売電したり、災害発生時などの非常用電力にも利用可。

タンク車に描かれているのはBIOのイメージキャラクター「めぐりんちゃん」
施設は「バイオマス産業都市構想」を掲げる南三陸町のバイオガス事業の中核を担う施設。
官民連携(PPP)スキームで構想・事業化されたもので、アミタでは、2012年から南三陸町で実証実験を行ってきました。

今後15年間は、民設民営施設として町の業務を受託する形で、アミタが事業主体となって施設運営を行い、町内での地域内資源循促進の拠点施設として機能していきます。
こちらは液肥散布用の専用車両。
キャタピラを採用しているので、畑へも田んぼへも進入可能です
町ぐるみで生ごみを回収し、液肥をつくり出そうという試みは、全国的にも珍しい取り組みとのこと。
東日本大震災で大きな被害を受けた南三陸町ですが、これからは、資源循環の新たな仕組みを全国に発信する、フロントランナーとなります。

佐藤仁町長は
「町の復興計画に『エコタウンへの挑戦』というものを記載していましたが、4年半が過ぎて、いよいよ現実的な政策としてスタートできることはうれしい限りです。
震災前から、町内で出されるゴミ重量の3分の1は生ゴミで、その処理は以前から課題でした。その処理にかかる経費も大きかったので、施設の稼働は、財政的な面からも助かります。町の皆さんにも説明会を通じてご理解をいただき、協力態勢も整っています。エコタウンの先駆けとなれるよう、事業を続けてまいりたいと思います」
とコメント。
佐藤仁南三陸町長
なお、南三陸町の「南三陸森林管理協議会」は、今年7月宮城県では初めて「FSC® (Forest Stewardship Council® /森林管理協議会)」の森林認証を取得しました。

「FSC」とは、森林の適切な管理方法と、その森林で育てられた木材製品の加工や流通プロセスを認証する国際機関です。

南三陸町森林管理協議会では、この「森林認証制度」の取得により、木工産業の創出や、職人の育成と雇用、流通などの基盤をつくり、「南三陸杉」のブランド力アップや、ものづくり文化の再生を目指します。
南三陸BIOの稼働により、赤色のラインが現実のものに。
里と街が結ばれることとなりました


つまり、南三陸町の「バイオマス産業都市構想」が目指すのは、生ゴミのリサイクルだけではなく、『森・里・海・街の豊かさが循環するまち』なのです。

「地域資源がぐるぐると循環するまち」
その実現に向けた南三陸町の挑戦が、いよいよ本格スタートです。

(取材日 平成27年10月16日)