header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年11月9日月曜日

2015年11月9日月曜日17:05
こんにちは、にゃんこです。

10月10日、仙台市の日立システムズホール仙台(青年文化センター)にて開催された講演会,

「被災地の今~南三陸町歌津~」


前回は、この会を主催した「東北互援紡ぎ」の活動をご紹介しました。

===================
2015年10月27日
必要とされなくなるまで応援!~被災地の今 南三陸町歌津~ その1
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/10/1.html
===================

今日は、本題の講演会の模様をお伝えします。

老舗の衣料品店「マルエー」
-------------------------
最初に登壇したのは、歌津にある仮設商店街「伊里前福幸商店街」で衣料品店「マルエー」を営む千葉教行さん
前回の記事でもご紹介した通り、歌津商工会会長を経て町議会議員として地元に貢献、現在は南三陸町商工会副会長・南三陸町森林組合総務委員長を務めていらっしゃいます。

「マルエー」の店主、千葉教行さん

千葉さんの父親に当たる先代が昭和16年に歌津町伊里前で「千葉英呉服店」を創業。
今年で74年を迎える老舗の呉服店です。
現店名の「マルエー」は、千葉さんが継ぐ際に「親しまれやすい名前を」との想いから改名しました。

震災後の人気商品は南三陸町のロゴが入ったジャンパー!
町の職員や商工会会員、常連客などの口コミで広がり、震災前もかなりの売れ行きだったとか。

「オリジナル南三陸ロゴ入りジャンパー」と「がんばっぺTシャツ」

しかし震災の大津波により、店も自宅も流出。

震災後、兵庫県から災害支援に来ていた職員がこのロゴ入りジャンパーを着ている人を見て、
「私も欲しい!」
と言われたことがお店再開のきっかけになったと言います。

「一時は店を閉めてもいいかなと思ったんです。でも地域の人のためにと思うと責任も出てくるんですよね。やらなければいけないって」

今は奥様と二人でお店を切り盛りしています。

震災後4カ月目にガレージを改装しオープン

「修行を終えて昭和40年に歌津に戻ってきてから、青年団や商工会青年部などいろんな活動に参加してきました。各団体での活動をしてきましたが、いつのまにかトップになっていました」
と、千葉さん。

「これまでいろいろなことをやらせていただきましたが、常に考えていることはこの地域をなんとかしようということでした。そのため地域活性化のため積極的にイベントなども行ってきました。その間にいつの間にか年齢も年齢になっていて。そこに震災。それでもめげずにやるべきだと思い4年7カ月を過ごしてきました。今は新たな町を作っていくために活動をしています」

南三陸町歌津の魅力
------------------------
ココロプレスでもご紹介してきましたが、南三陸町は海と山に囲まれ、さらには世界的にも貴重な魚竜化石が発見されたとしても知られる観光資源が豊富にある町。
今年9月にも「嚢頭(のうとう)類」の化石が発見されたという報道を目にした方も多いと思います。

「南三陸町は本当に海が豊か。自慢は蝦夷アワビ。昭和天皇にも献上されたほどの高い品質を誇ります。去年の12月にも商店街で『歌津あわびまつり』を開催しましたが大盛況でした。また宮城県内でも生産量のトップを誇るワカメ。こちらも品質が良いと全国的に評判です。ほかにもウニやカキ、ホタテ、ホヤなど海の幸の宝庫なんです。産業として生産加工品などにも力を入れています」

歌津地区に位置する田束山はツヅジの名所として有名
(ココロプレス過去記事より)

「それほど強い台風も来ないし、雪もあまり降らないし、本当に住みよい町として自負していました。
なので震災は予想外。大津波で受けた被害は相当なものでした」

南三陸町の未来のために、新たなまちづくりを
---------------------------------------
平成23年~25年度までの復旧期を終え、住まいの再建や地域コミュニティの再生に取り組む復興期(平成24年~29年度)真っただ中の南三陸町。

商店街でも再生に向けて準備をしている段階だと千葉さん。

「志津川の『南三陸町さんさん商店街』、歌津の『伊里前福幸商店街』の本格的な復活に向けて、町や商工会、両商店街の出店者が出資したまちづくり会社、『株式会社南三陸まちづくり未来』が今年6月に立ち上がりました。2つの商店街がバラバラになるのではなく一つにまとまって一緒に運営していこうと。管理会社の役割ですね」

新たな商店街には仮設商店街からのほか新規参入も含め、『南三陸町さんさん商店街』には32店舗が、『伊里前福幸商店街』には8店舗が入る予定で、平成28年度中の開業を目指しています。

「伊里前福幸商店街の場合は現在の場所に新しい商店街を建設するため、来年の初めに一度仮設商店街を別の場所に移転し、土地の嵩上げ工事が終わってから本格的な建設が始まります。今はまだまだ土を盛っている段階です」


現在の歌津町の様子
(写真提供:東北互援紡ぎ)

最後に千葉さんは、
「震災から4年7カ月、全国の方々をはじめ、世界の方々から支援をいただきここまでやってきました。今の時代だからこそここまでこれたんだなという気がしています。

でもこれから先、まだまだ頑張っていかなければなりません。今は新設する商店街を夢見ながら頑張っています。

震災直後と比べると被災地の注目度も薄れてきてしまっています。我々もいつまでも甘えてばかりではいられないというのは分かっておりますが、これを乗り越えるためにはまだまだ皆さんの協力が必要だと感じています。

震災ですべてを失ったけれども多くの方と巡り合うこともでき、人の温かみも含めてさまざまなことを体験させていただきました。失ったものの代わりに新しい大切なものも得ることができました。

私は人生で大切なことは2つあると考えています。
一つは自然の恩恵、人の恩恵、いろんな恩恵がそこにはあるというということです。そして2つ目はそれを感じる心の感謝。これを忘れてはいけません。

これから先、何年頑張れるか分かりませんがこの2つの言葉を胸にこれからも歩んでいきたいと思っています。

皆さんも歌津に来ていただいて自分の目で復興状況を見ていただきたい。そしてぜひ私たちのところにも足を運んで交流をしていただけたらうれしいです」


▼伊里前福幸商店街
http://isatomae.jimdo.com/

▼東北互援紡ぎ
http://t-net.club/creative/welcome.cgi?o=Category


(つづく)

次回は、伊里前福幸商店街で復興応援隊として活動している坂下邦彦さんの講演の模様をお伝えします。


(取材日 平成27年10月10日)