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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年10月27日火曜日

2015年10月27日火曜日9:27
こんにちは、にゃんこです。

10月10日、仙台市の日立システムズホール仙台(青年文化センター)にて、「被災地の今~南三陸町歌津~」と題した講演会が開催されました。

震災から4年7カ月。
震災の記憶を風化させないために、私たちには何ができるのか?
ここでしか聞けない、南三陸町歌津の今を伝えるというものです。

ちなみに南三陸町は平成の大合併により、志津川町と歌津町が合併して平成17年に誕生した町。
震災前の平成23年2月末時点での人口は17,666人、現在(平成27年9月末)は13,890人が暮らしています。
今年の10月1日で誕生10周年を迎えてました。

▼南三陸町HP
http://www.town.minamisanriku.miyagi.jp/index.cfm/1,html

誕生10周年記念ロゴ
(南三陸町HPより)

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この日登壇したのは、歌津にある仮設商店街「伊里前福幸商店街」で衣料品店「マルエー」を営む千葉教行さん
そして震災直後に東京からボランティアとして歌津を訪れ、2011年12月に歌津に移住し、現在は復興応援隊として活動している坂下邦彦さんです。

(左から)「東北互援紡ぎ」代表富田純一さん、坂下邦彦さん、千葉教行さん

千葉さんは、歌津商工会会長を経て町議会議員として地元に貢献、現在は南三陸町商工会副会長、南三陸町観光協会理事、南三陸町森林組合総務委員長を務めていらっしゃいます。

このお2人については次回あらためてご紹介します!

カラフルなスポーツフラッグが迎える伊里前福幸商店街
(写真提供:東北互援紡ぎ)

伊里前福幸商店街…地域の人が気軽に立ち寄れる商店街をと、2011年12月にオープンした仮設商店街。
衣料品店、電気店、理美容室、食品店、魚屋、酒屋など10店舗が軒を連ねています。
住所/本吉郡南三陸町歌津字伊里前96-1
http://isatomae.jimdo.com/

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この会を主催したのは「東北互援紡ぎ(とうほくごえんつむぎ)
今年(2015年)の9月に設立したばかりの団体です。

まずはこの「東北互援紡ぎ」の活動からご紹介したいと思います。

「支援なんてそんな大層なことは恥ずかしくて言えません。でも応援ならできます。
できるときにできることをコツコツやろうと。そいう想いで活動しているんです」
と話すのは、代表の富田純一さん。


仙台市在住の富田さんが歌津で活動を始めるきっかけ。
それは2013年の冬に京都に住む知人から受けた、ある一つの依頼でした。

―東京から南三陸町に移り住んでボランティアをしている友人がいる。自分は現地に足を運ぶことができないから、
代わりに会ってくれないか―

これが富田さんと歌津との出会いでした。

「震災前まではボランティアなんてしたことなかったんです。亘理町で被災した妹から、押し付けボランティアのような人もいて大変なんだという話も聞いていましたし、お金も時間もないから自分には無理だと思っていました。でも関東や関西、四国や九州など、とにかく遠方の方のほうが本当に熱心で。宮城県人の自分が何もやらないでいいのかって恥ずかしくなったんです」

実は富田さん、震災で受けた精神的な問題から沿岸部に行けない状況が続いていたと言います。
「それでも自分にできることはないかと2012年頃から植樹祭に参加してみたり、石巻でお茶っこをやったり、ちょっとずつは何かしていたんです。今でも海が見える道路を走るのは、ちょっとつらいときがあります」

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こういった縁があって2014年1月から歌津に通い始めた富田さん。
以前からボランティアで仙台から通っている友人が発案した「ウタカフェ・プロデュース」というグループの裏方としてお手伝いを始めることに。伊里前福幸商店街の一角で「ウタカフェ」がスタートしました。

「小さいグループだから大したことはできない。ただ伊里前福幸商店街に来る人にほんのちょっとの時間でも安らいでもらえればいいなという想いがあって、休憩スペースをお借りしてカフェスタイルのお茶っこを始めたんです。仮設にも交流サロンなどはあるようですが、参加するのはいつも同じ人なんだって聞いたんです。引きこもっている方も出てきていただいて、いろんな話が聞けたらいいなと。だから商店街なんです」

活動はこのほかにも講演会やスポーツフラッグの展示会、商店街で行われる各イベントのサポートなど多岐にわたります。

夜の商店街を華やかに彩るイルミネーションの設置もその一つ。

(写真提供:東北互援紡ぎ)

(写真提供:東北互援紡ぎ)

「お店が閉店してしまうと周囲の灯りもなく真っ暗になるんです。BRTの駅がすぐ側にあるのですが、最終着は21時頃。物騒な話も聞いたことがあって。嵩上げ工事のため一旦別の場所へ移転が決まっているので街頭を設置するのも難しいようなんです。だったら子どもたちのためにイルミネーションを贈ろうとSNSで寄付を呼び掛けたんです。全国の皆さんにご協力をいただいたおかげで無事設置することができ、子どもたちもとても喜んでくれました。うれしかったですね!」

こちらのイルミネーション今は中断していますが、クリスマスに向けて復活予定だそうですよ!

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以前から考えると自分が支援する立場になるとは思ってもみなかったのでは―?
という私の質問に対して返ってきた言葉―。

それが冒頭でご紹介した、
「支援しているなんていまだに思ったことないですね。応援はできますけど。だからココロプレスを最初に知った時はあ~同じ感覚だなと思って! 支援なんてそんな大層なことは言えません。やれることは小さなことだけ。皆さんの力をお借りしてやらせていただいています。近場に居るものとして被災地の情報を発信するとか、とにかく架け橋になれればいいなと。
情報だけは発信していかないと世間の関心はあっという間に薄れます」

特に歌津は、同じ町内の志津川の陰に隠れてしまい情報がなかなか出てこないのも事実。

「南三陸というと大半は志津川地区になってしまうのかな。報道関係でもよく見るのは志津川です。全国的に有名になった防災庁舎やさんさん商店街、モアイ像もありますからね。さんさん商店街は観光商店街で、伊里前福幸商店街はどちらかというと生活商店街という印象なんですよ。その違いも大きいと思います」

2012年2月に志津川地区にオープンした南三陸さんさん商店街
(ココロプレス過去記事より)

「どこもそうですが、被災地の中でも復興の格差はものすごく出てますよね。行政機関のある地域がまず先に、という意味では歌津より志津川の方が進んでいるという印象はありますね。元々の街の成り立ちとか産業の違いもありますし、いろんな見方もあるのでこれがいいとか悪いとか一概には言えません。
だからこそ光が当たりにくいところに少しでも当てていけたらなと。その一つとして、今回千葉さん、坂下さんはじめ多くの方のご協力で講演会を開催できました。本当に有難いことだと思っています」

チリ共和国から南三陸へ贈られた「モアイ像」
(ココロプレス過去記事より)

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お手伝いを始めてから約1年半。

「『ウタカフェ・プロデュース』での経験を生かし、さらにきめ細やかなサポート活動を目指して、東北互援紡ぎを立ち上げました。支援地域のニーズに合わせて、出来ることをコツコツ継続する予定です。肩に力を入れ過ぎちゃうと続きませんから。
でも応援てなかなか難しいんですよね。現地の需要と合っているかどうかというのが非常に大事。常に確認しながらの活動です。間違っていることに気が付かないと押し付けになってしまいます。だから現地にいる坂下さんにもアドバイザーとして協力をお願いしています」

私が言うのもなんですが、講演会当日初めてお会いした際もニコニコと柔らかい笑顔で気さくに話し掛けてくださった富田さん。この柔和なお人柄のどこにそんなパワーが!? 
なんて失礼と思いながら思わず聞いてしまいました。

「いやいや、ただのおやじですよ! 今まで好き勝手に生きてきましたから。家内には本当に感謝してます。
私が考える“応援”て、必要とされなくなるためなんです。困った人がいるから成り立つわけですよね。その困りごとがなくなるために一生懸命やらせていただいているんです。10年先、20年先、何年先になるか分かりませんが、続けられる限りは続けたい。おまえもう来んな!って言われるのが理想。そんなこと言われたらうれしいですよね!」

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自分が必要とされなくなるまで―。
おそらく支援活動を行っている誰もが富田さんと同じ想いなのではないでしょうか。
震災から4年7カ月が過ぎた今もなおそっと寄り添い続けてくださる方々がいる。
そのことを決して忘れていけない。
そう、あらためて思いました。
(つづく)


次回は本題、「被災地の今~南三陸町歌津~」の講演会の模様をお伝えします。



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東北互援紡ぎでは、現在賛助会員を募集しています。詳細はこちらまで↓
◆東北互援紡ぎ
http://t-net.club/creative/welcome.cgi?o=Category


~イベント情報~
南三陸おらほの学園祭2015
10月31日(土)~11月30日(月)
場所/伊里前福幸商店街など
問/南三陸おらほの学園祭 実行委員会 事務局
https://www.facebook.com/oragaku


(取材日 平成27年10月10日、10月16日)