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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年9月23日水曜日

2015年9月23日水曜日14:40
こんにちは。kaiiです。東日本大震災から4年6カ月が経ちました。

町の復興が進むのと比例するように、私たちは「震災の時の経験や記憶」を少しずつ忘れかけています。

地震や津波だけでなく、台風シーズンに向けて、「災害の時に自分の命をどう守るのか?」「そのためにはどんな備えが必要か?」を考えてみませんか。

今回は、フィリピンから気仙沼市に来て25年間になる、「バヤニハン気仙沼フィリピーノコミュニティー」代表の及川ジェニファーさんといっしょに、外国人の目線で「防災」を考えてみようと思います。

及川さんは、母国フィリピンからだけでなく、気仙沼市や近隣の町に住んでいる外国から来た人が困っていることの相談に応じるなどの活動をしています。

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そんな及川さんに、東日本大震災の経験から考える「防災」ついてお話を伺いました。


あなたの贈り物があなたにさらに大きな幸せをもたらします
及川ジェニファーさんは支えあうことの大切さを話します



及川さんは、東日本大震災が発生した時、気仙沼市の市街地にいました。
大きな地震の揺れに驚き、外に出ると、震災の少し前に気仙沼市に引っ越してきた人たちが右往左往していました。及川さんは、避難先が分からず困っている人たちに、近くにある避難場所を教えて避難するよう促し、自身も避難しました。避難所では、外国人被災者の支援活動を仲間と一緒にしました。

「困っている時に、助け合うのは当たり前です。外国人も日本人も関係ない、みんな同じ人間です」と話します。


及川さんは、来日後しばらくの間、日本語も気仙沼の地理もよく分からず苦労した経験があります。
その経験から、及川さんは、分からないことはできるだけ自分で調べ、勉強しています。

「『ワタシワカリマセン』は一番楽で簡単です。」

「しかし自分の身の安全を守るためには、自分で言語を学び、安全に避難できる経路や場所、必要なものを考えなければなりません」

「私は、一番の防災は『学ぶ』ことだと思います」

「緊急時は、皆、自分のことだけで精一杯です。ですから、自分の命はまず自分で守らなければなりません。私たち外国から来た人間も、自分で自分の命と家族を守らなければなりません」

「緊急時に多言語で危険を知らせる放送をすることは、難しいと私は考えています。ですから私たちは、命を守るために学ばなければなりません」と及川さんは繰り返します。

彼女が「学ぶ」ことが大切と繰り返す理由は、3つあります。

1つ目は、東日本大震災の時、気仙沼に住んでいる人でも、避難場所や避難経路がわからず右往左往する人に出会ったことです。
自分の命を守るために、自分の足で歩いて自分の眼で避難場所や避難経路を確認することが大切だといいます。

2つ目は、震災後、水産加工場で働いていた同胞たちが、震災を理由に解雇され、働く場所と生活の糧を失った経験です。『字が読めること』『字が書けること』『話せること』で雇用機会が拡がるといいます。

及川さんは、仲間たちと協力して、津波で仕事を失った同胞が仕事に就くための学習の支援をしました。2人の同胞が、介護初任者研修を終了して介護施設で働いています。

3つ目は、母国フィリピンでは、貧困などの理由で、学びたくても学校に通えない子どもがいることです。
学ぶ機会があれば、「命を守り」生活を安定させる機会が拡がるといいます。

及川さんたち「バヤニハン気仙沼フィリピーノコミュニティー」のメンバーは、東日本大震災の経験から、命を守るために「学ぶこと」がとても大切だとあらためて自覚しました。


あなたの親切を私たちの国の子どもたちに分けてください
及川さんは家庭に眠っている文房具の支援を呼びかけています


及川さんたちは、フィリピンの子ども達が『字を学べる環境』を整えていきたいと動き出しています。
彼女たちは、「私たちには大きなことはできません。しかし、日本の寺子屋のようなイメージで、子どもたちの学ぶ機会を増やしたいと思います」

「日本の皆さんにお願いです。家庭の中で眠っている鉛筆や消しゴムなどの文房具を、フィリピンの子ども達に分けてください。私たちは、クリスマスに一時帰国します。その時、フィリピンの子ども達に届けます」
「ご協力いただける方は、バヤニハン気仙沼ラジオのフェイスブックページからメッセージをお願いします」と呼び掛けています。

「Bayanihan Kesennuma」の連絡先
bayanihankesennumaf@yahoo.com


「字が読めることが命を守ることつながる」という及川さんの言葉がとても印象的でした。
「防災」=「ものを準備すること」と思っていた私にはとても大きな学びでした。

地震の時の避難先、津波情報が発令された時の避難経路と避難場所、降雨に伴う災害の時の避難場所と方法、タイミングなどを家族で話し合うことが大切だと感じました。

(取材日 平成27年9月2日)