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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年9月15日火曜日

2015年9月15日火曜日10:16
こんにちは。kaiiです。
今年は気温差の大きい夏でしたね。皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか? 8月下旬からは日照不足と低温の影響で、野菜の価格の高騰が続いています。


兵庫県神戸市の女性と東日本大震災の沿岸被災地の女性が産業復興や地域づくりについて語り合う「女性の復興カフェ」が、兵庫県の「サポート事業」の支援を受けて、平成27年8月7日宮城県亘理郡亘理町、8日、岩手県大船渡市、9日、宮城県気仙沼市で開催されました。


沿岸被災地で開催された「女性の復興カフェ」は10回になりました

兵庫県神戸市から、「多文化と共生社会を育むワークショップ」の代表・山地久美子さん、「FMわぃわぃ」総合プロデューサー金千秋さん、兵庫県立大学教授・陳來幸さんの3人が沿岸被災地を訪れました。

8月9日、気仙沼市で開催された「女性の復興カフェin気仙沼」には、20人を超える参加者でにぎわいました。

気仙沼市内だけでなく岩手県からも女性たちが参加しました


今回のテーマは「伝承と伝統」です。
最初のプログラムは、68年前から気仙沼市唐桑町神止り地区の女性たちによって守られてきた「神止り七福神舞」(旧唐桑町無形民族文化財)の観賞、対談、実演です。

気仙沼市唐桑町小鯖神止り(かどまり)地区で継承されている
「神止り七福神舞い」
7人の女性が7人の神様を演じています
神止り七福神舞は、遠洋漁業の乗組員として働く家族の安全、航海安全、大漁万作を願って唐桑町小鯖地区の女性たちによって受け継がれ、舞われてきました。

保存会会長の小野寺やへ子さん(右)は
七福神舞の歴史を話しました。

会長の小野寺やへ子さんからは、活動についての紹介がありました。
「第二次世界大戦が終わり、テレビもない時代に、楽しみを作ろうと、踊りと衣装を地元の女性達で考えてできたものが『神止り七福神舞』の始まりです」



「東日本大震災で一時は活動を中止しようかと考えた時もあります。しかし、震災後も、縁起物として全国の物産展などに招かれる機会なども増えました。家族の理解や協力もありますのでできる限り続けていきたいと思います」



続いて、「伝承と伝統これからの伝承ー」というテーマで、「けせんぬまさいがいFM」パーソナリティの藤村陽子さんが、「気仙沼みなとまつり」のルーツと今年の様子を紹介し、「お祭りは、見て楽しむこともいいですが、参加して楽しむともっと楽しいです」と皆さんを誘っていました。


けせんぬまさいがいFMのパーソナリティ藤村陽子さんは
気仙沼みなとまつりについて話しました

バヤニハン気仙沼フィリピーノコミュニティ代表の及川ジェニーさんは、25年前に日本に来てから毎年、気仙沼の「みなとまつり」を楽しみにしているそうです。ここでは自分たちの活動を紹介したほか、「はまらいんや踊り」を躍る時には現在行われている田中前地区よりも沿岸の港町地区の方が海風が通るため、涼しくて踊りやすいことなど、参加する楽しみと秘訣を皆さんに披露しました。

気仙沼在住25年目の及川ジェニーさんは
来日以来参加している「気仙沼みなとまつり」のはまらいんや踊りについて話しました

平成14年当時のはまらいんや踊りの様子


阪神・淡路大震災を経験した金さんと陳さんは、被災から20年の自身の取組を「神戸の新しい伝統」としてお話をされました。


「FMわぃわぃ」総合プロデューサー金千秋さんは
20年の時間をかけて地域の人たちと教会の関わり方が変化し
宗教の垣根を請えて交流していることなどを紹介しました


金さんは「カトリックたかとり教会」(1927年創設)が、阪神・淡路大震災の火災で全焼しながらも「救援基地」としてボランティアの拠点となったことや、宗教の垣根を越えた地元の交流について話し、陳さんは大震災後の外国人学校の復興について話しました。

その後、女性たちは、文化や慣習を伝承する事、あるいは新しい伝統を作りだしていくために何が必要か、ワークショップで話し合いました。

中には「文化」「慣習」の伝承のためにも「女性の力」と「人口減少への歯止め」が必要だという意見があり、70代の女性は、「地域の行事があっても、地域に残っている人も地域から離れた人も行事に参加してくれなくてさびしいです。地域を残していくためには、地域の人が交流する機会が増えることが大切だと思います」と話しました。

40代の女性は、「地域の中にあったお祭りが、少子化の影響で継続できにくくなっていたところに震災と津波が起こりました。震災後、地域の自治会が解散したところもあります。」
「震災の影響で、地域の中で大切にされてきたお祭りが無くなってしまうことはとても残念です。震災から4年が経ちました。伝統のお祭りを地域の中に復活させてほしいです」と話していました。

気仙沼のまちづくりを考える中で「気仙沼物語」を提案したグループもあります。
三陸沿岸で気仙沼の特徴、大切な物を描き出し、まとめ、地元の自慢として、それを観光にもつなげていこう、との案です。

社会活動をしている30代の女性は「女性だけで集まって話し合う場は初めてで、とても良い経験になりました。また参加したい」と話していました。


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8日に岩手県大船渡市で開催された「女性の復興カフェin大船渡」では、近隣の陸前高田市や大槌町、三陸町などからの参加者も含め12人が集まりました。

大船渡市で開催された「女性の復興カフェ」では
「今したいこと」が話し合われました

大船渡でのカフェでは、復興が進む中で生じてきた、仮設住宅から恒久住宅への移行や新たな仕事、生活の中で抱える問題について話し合いました。外国出身の方からは日本文化や日本語を学びたい、という希望も出ていました。

「女性の復興カフェin大船渡」のワークショップの様子

「今したいこと」というテーマのワークショップでは、震災から4年が過ぎ、生活環境が変化したことによるストレスなどから「ゆっくりしたい」という意見が聞かれました。

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東日本大震災から4年5カ月。第二次世界大戦終戦から70年になります。
私たちの記憶は風化し、大切なことを忘れようとしています。
戦争でも、震災でも失われたのは大切な命です。
先人の命が、歴史の中で脈々と継承してきたこと、人とのつながりも、私たちは稀薄にしています。
防災集団移転先では新しいコミュニティが作られます。
戦争でも、震災でも、その時代を生きた人たち、そこにいた人たちの全てが同じ経験をしました。
経験したという事実は何も変わりません。
私たちは、心の中でその事実を、さまざまなカテゴリーをつくり隔てています。
新しい地域づくりの中では、同じ経験、体験をした仲間としての結びつきも必要ではないかと、2つのカフェに参加して感じました。


(取材日 平成27年8月8日、9日)