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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年8月30日日曜日

2015年8月30日日曜日21:08
こんにちはエムです。

今年は暑い暑い夏でしたね。
ですが仙台では、お盆が過ぎた頃から雨空が続き、初秋を飛ばして10月上旬を思わせる肌寒い朝もありました。
おかげで暑かった夏の記憶も薄れがち。虫の音も弱々しく聞こえる今日この頃です。

ところで今年も8月6日~8日の3日間、真夏の暑さの中(その頃はまだ猛暑でした)「仙台七夕」が開催されました。
平成27年の今年は、“終戦70年”と“仙台七夕が戦後復活して70年”の年。

更に今年は、東日本大震災から5年目。
平和の願いが込められた短冊に混じって、復興を願うたくさんの短冊も風になびいていました。


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2015年8月11日 火曜日
震災から5回目、戦後70回目の祈り~仙台七夕まつり(仙台市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/08/570.html

その中に、“活動40回目”という節目を迎えた七夕飾りがありました。
仙台市内の商店街を埋め尽くす華やかな七夕飾りの中でもひときわ目を引く、たくさんの折り鶴だけで作られた七夕飾りです。
青葉区中央のクリスロード商店街に飾られていたのは、核兵器廃絶を訴えるとともに、大震災からの復興に願いを込めた「平和七夕」です。

1基が何と、約3万6千羽の折り鶴でできていますので、5基の総数は約18万羽!
毎年仙台七夕を訪れる約200万人に「平和のメッセージを届けています

これは市民グループ「平和を祈る七夕市民のつどい」が1976年から仙台七夕に併せて行っている活動です。
そして東日本大震災後の2011年、活動を始めて36回目からは、震災で被災し今なお苦難の中にいる多くの人たちの1日も早い再起と復興の願いも加わりました。

活動に共感し、毎年鶴を折ったり糸を通したりなどで協力している団体は、全国や海外合わせて約300団体。今年は約90万羽の鶴が集まりました。
七夕飾りに使われた他、7000本のレイを作り、七夕期間中道行く人に配られました。

「平和を祈る七夕市民のつどい」代表の油谷重雄さんにお話をお聞きしました。

公益財団法人日本キリスト教青年会(YMCA)に所属している油谷さんは、40年以上前から戦争体験者の話を聞く「戦争を考える会」を有志で開いていました。
ある夏、ヒロシマと仙台空襲についての勉強会を企画したときでした。広島YMCAの総主事の方が、原爆の写真パネルと被爆者が描いた絵を持ってきてくれたのです。

「私たちはその時、本などでは想像できない事実を見て、非常にショックを受けました。
そしてこの悲惨で残酷な事実を、自分たちだけが学んだだけで、はたしていいのだろうか。多くの人に知らせることも、大切なことなのではないかと考えるようになりました」


油谷さんはその後広島を訪れ、実際に現状を見、原爆被害者の話を聞く中で、更にその思いを強くしたのだと言います。

「当時、原爆投下から30年がたっていました。
現地である広島でも『風化が懸念される』という話を聞き、広島から遠く離れた仙台ではなおさらだろう。やはり原爆のことを伝えていくものを仙台で作りあげなきゃいけない。そう強く思いました」

奇しくも七夕開催初日の8月6日は広島に原爆が投下された日。
「そう気が付いたとき、この活動を七夕と結びつけ、仙台に訪れる200万人の人に訴えなきゃいけないと話し合いました」

そして1975年、油谷さんを中心にした有志約20名は、翌年の七夕まつりに向け、準備を始めました。

七夕期間中もその場で鶴を募集。同時に寄付金も募っていました。

「最初に20名のメンバーでできた折り鶴は2000羽でした。
しかしその後、YMCAを通して日本原水爆被害者団体協議会に連絡が行き、4万羽もの鶴が届いたんです。
初年度は貸してくれるところが見つからず、商店街に飾ることはできませんでしたので、市役所のホールに飾らせてもらいました」

1976年にスタートした「平和七夕」は、ここからさまざまな協力者が現れ、大きな活動につながっていきました。

翌年からは商店街の中の他の七夕飾りと一緒に飾ることができました。
そして活動に共感し、折り鶴に協力してくれる団体も徐々に増えていったのです。

東日本大震災で被災し、仮設住宅に住んでいる方からの折り鶴の協力もあります。
油谷さん自身、震災後は七ヶ浜町で支援活動を行っていたこともあり、その延長上にこの取り組みがあるようです。

「仮設住宅に入った人たちの中には何もやることが無い人がいます。
そんな方たちに集会所で折り鶴を折ってもらっています。みんなで集まって折りながら話ができるし、社会参加している意味合いもあるので、少しは希望が出てくるといいなと思います。
そして最後はここに完成したものを見に来るんです。そんな活動をすることで、引きこもりを防げるんじゃないかと。
今年も仮設住宅7カ所で行ってもらいました」


「世界中のみんながえ顔になれますように」
「戦争がにどと『日本』でおこりませんように」

しかし油谷さんが本当に伝えたいのは、子どもたちでした。

「それには学校の先生に働き掛けるのが一番ですので、宮城県の教職員組合に働き掛けました。そしたら、学校の先生が集まった会議の場に私が呼ばれたんです。
そこで、賛同する先生は来年から協力してくださいと話しました。

高校では、平和教育に熱心な尚絅学園や宮城学院などのミッションスクールの参加から始まり、現在では仙台市の私立高校の約8割が協力してくれていますし、公立高校も何校も参加してくれています」

協力している団体や学校名が書かれていました

「ボランティア部があるとことは部の生徒が中心になって、全校生に呼び掛けている高校もあるのですが、ここに大きな意味があるんです!

ただ『鶴を折ってください』じゃなくて、その目的を話すでしょう?
『8月6日は原爆の日です。原爆は反対ですから反対活動のために鶴を折ってください』って先生やボランティア部の子どもたちは説明してるはずです。

一部の子どもたちだけじゃなくて全校生がやり、全校生がやったものをボランティア部が糸を通して持って来てくれる。
この運動はそういうふうに広がっています」

中には「お母さんが高校生の時に鶴を折った話をしていた」と言う高校生もいるのだそうです。

「私たちは種を植えて歩いているんです。その種がどこかで芽を出して、次の世代になっていく……ということじゃないかな。と私は思いながらやっています」

短い時間にたくさんのことを話してくださった油谷さん。
奥様からは「六口(ムクチ)ね」と言われていることまで語ってくださいました。
そんな明るい人柄もこの活動が長く続いている要因なのではないでしょうか
ーー「平和を祈る七夕市民のつどい」のような市民グループの地道な活動によって、戦争や震災の風化は防げるのではと感じますか?ーー
そう質問すると、返ってきたのはこんな言葉でした。

「いやそうではなく、最初は自分がやらなきゃ、というのがあったんですが、現実として毎年30万50万の折り鶴が全国から送られてくるわけなんですよ。
そうすると私たちは、そういう人がいるってことで背中を押されるわけなんです。
本物の核兵器廃絶や震災からの復興の願いのこもった活動は、後押ししてくれてるみんなで作ってるんですよ」

 市民運動は続けるのは難しく、3〜5年持てばいい方だと
言われているそうですが「平和七夕」は40年間続いています
今までは平和だと言われていた日本ですが、たかだか70年間戦争をやってなかっただけの国。東日本大震災発生からはまだたった4年半しか経過していません。
戦争や震災の残酷さや悲惨さを忘れないよう、平和への強い願いを私たちも次の世代へ伝え続けなければ、また同じ悲劇が繰り返されるかもしれません。
1人1人が自分のこととして感じ、考えること。それが原点なのでは……と油谷さんの背中が言っているようでした。

☆ーーー☆ーーー☆ーーー ご協力のお願い ーーー☆ーーー☆ーーー☆

「平和を祈る七夕市民のつどい」では核兵器廃絶(ノーモア・ヒロシマ、ノーモア・ナガサキ)と震災からの復興の願いに賛同する団体や個人からの「折り鶴」の協力を呼びかけています。

折り鶴は七夕期間中に配られるレイにもなります
[紙の大きさ]7.5×7.5センチメートル(市販の折り紙の4分の1)
[素材]折り紙、または同程度の薄さの包装紙
[折方]全ての先端は真っ直ぐに仕上げる。(頭は折り曲げず、羽も広げない状態)
[つなげ方]4メートルのたこ糸(3号)の3.5メートルまでなるべく詰めながら重ねて糸を通す。
※ またはつなげない状態でも大丈夫です。

★ 七夕飾り材料、フライヤー・報告書作成、郵送費など、毎年資金が必要です。
  ご支援、ご協力をお願いします。
[送金先]ゆうちょ銀行
     番号:18190-26383401
     加入者名:油谷重雄(あぶらいしげお)


【折り鶴送付先・お問い合わせ先】
〒981-3122  仙台市泉区加茂5-22-5
電話・FAX:022-378-5765
「平和を祈る七夕市民のつどい」代表:油谷重雄

社会福祉法人仙台YMCA
電話:022-222-7533
mail:info@sendai-ymca.org

◆ ブログ「仙台平和七夕」http://blogs.yahoo.co.jp/ma7143942

(取材日 平成27年8月8日)