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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年8月24日月曜日

2015年8月24日月曜日8:00
こんにちは。kaiiです。

公立南三陸診療所レディース外来の非常勤医師中村幸夫さんは、過疎地域の医療格差と医療資源の疲弊軽減に取り組んでいます。
中村先生は、青森県弘前市のご出身です。弘前大学で周産期医療、輸血医療などの医療現場で活躍されました。

中村先生は、東日本大震災以前から過疎地域の医療に携わっていました。
医療の手の届きにくい過疎地域と都市部の医療に生じる、「命の格差軽減」の活動を続けています。

東日本大震災が起こると、大津波で壊滅的被害を受けた岩手県大槌町で医療活動を開始しました。その後、岩手県陸前高田市、宮城県気仙沼市などで診療活動を行い、現在は、宮城県南三陸町の老人保健施設長として勤務しながら、週に一度、公立南三陸診療所で、婦人科の診療を行っています。




その傍らで、「超高齢社会を生き続けるための努力の営みを愉しむ」と題し、月に2回ほど南三陸町内で町民向けの「健康講座」を開催しています。

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「あなたなら…死ぬまで、どう暮らしますか?」

中村先生に、そんな質問を投げかけられて驚きました。


「自分が死を迎えるまでどう生き、どう暮らしたいのか」私は、あまり具体的に考えることはありません。迷っていた私に中村先生が話してくださったのことは、「自分らしい生き方を全うするヒント」でした。

そのヒントは、「超高齢化社会を生き続けるための努力の営みを愉しむ」という先生の先の言葉が簡潔に説明された内容でした。

中村先生は、「自分らしい生き方を全うするヒントは、『自分の足で歩き、自分の力で座り、自分の口から食事をすること』だと話しました。

先生は、日常生活こそが介護予防になり、リハビリテーションになると話します。

なぜ自分の足で歩くことが介護予防になるのでしょうか?

自分の足で移動できると、行動範囲が広がり、コミュニケーションの機会を増やします。
コミュニケーションの機会が増えると脳が活性化するそうです。


自分の力で座ることが大切なのはなぜでしょうか?

人間の体は、排泄の機能が下腹部にあり、下方向に向いて排泄します。
そのため、立位や座位で生活することは尿路感染症などの予防にはとても大切です。

臥位での生活では、膀胱内に排泄されず残った尿に菌が繁殖し感染症になるリスクが高まります。
高齢者の発熱の原因の多くは、尿路感染症です。

ですから、自分で座位をとれることは、尿路感染症などの感染症の予防につながります。
また、臥位より座位では視野が広がりますから、食事を目で楽しみながらおいしく食べることにもつながりなります。

自分の口で食事をすることは大切なことですね。

「生きること」は「食べること」です。
自分で食事をすることで、「食べる」ことが楽しみになります。楽しみが増えると生きる力が増します。

この3つが、「生きることを愉しむヒント」です。

中村先生のお話は、難しい医療用語のないとても分かりやすいお話しです。
「生きることを愉しむヒント」
先生のお話の「ヒント」という言葉は「自分らしく生きるための手掛かり」と考えることができました。

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東日本大震災後、生活環境の多様化に伴い、家族の形も大家族から核家族へ変化しています。
医療現場も、治療退院から死亡退院の傾向にあると中村先生は話します。
死亡退院の傾向で、家族による看取りも変化しているといいます。

中村先生が嘱託配置医を勤める南三陸町の特別養護老人施設では、東日本大震災などによって住宅環境が変化した家族のために、看取りの支援もしています。

家族が、大切な人の最期を看取るために、希望があれば、施設の一室を、家族が「自宅の離れ」のように使えるよう配慮しています。

中村先生は、命に寄り添い、「生きている時間を愉しむこと」が「生きること」だと教えてくださいました。



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中村先生は「タバコの健康に与える害」についての講演も行い、喫煙者に禁煙を薦めています。
以前ココロプレスでも紹介した、「民間医療用多目的ヘリコプター」の活用による、医療格差の軽減などの活動にも取り組んでいます。

ヘリコプター搬送で遠隔地の医療格差の減少を

http://kokoropress.blogspot.jp/2015/07/blog-post_8.html

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東日本大震災から4年5カ月。

中村先生にお会いして、私たちが「当たり前」だと過信していることの全てが「当たり前」でないことに気がつきました。
自由に動き回れること、人と話せること、おいしく食事ができること。

その一つ一つが、自分らしく楽しく生きることにつながっていることに気がつくことができました。


(取材日 平成27年7月22日)