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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年8月2日日曜日

2015年8月2日日曜日9:50
こんにちはエムです。

皆さんはトマトのキムチを食べたことがありますか?
キムチの本場韓国では青いトマトを使ったキムチがあるということですが、この8月1日、宮城・東北の食材にこだわった赤いトマトのキムチが発売されます。

その名も「仙臺まるごと トマトキムチ」


開発したのは、仙台市宮城野区中野に工場を持つ本格キムチの店「有限会社趙さんの味」取締役、李香星(いー・ひゃんそん)さんです。

東日本大震災の津波で、新築1カ月も経たない新工場を流されてしまった被災企業「趙さんの味」が、支援を受けながら立ち直り、新商品を開発するまでに至った経緯を紹介しようと思います。

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「趙さんの味」はキムチ、焼き肉のタレなどの製造と販売を行う会社です。
昭和62年に李さんの母親の趙(ちょう)春子さんが「趙春子商店」として創業しました。

趙さんは、韓国で生まれ育った母親の本格的なキムチを日本に伝えたいという気持ちで、自宅の一角からキムチ作りをスタートし、当初は行商でキムチを売っていました。
その約2年後、当時東京にいた娘の李さんが仙台に戻り、一緒にキムチ作りを始めました。

キムチに対しては全くの素人だった李さんですが、李さんにはどうしても作りたいキムチがあったのです。それは、祖母の伝統的な味を守りながらも、宮城にこだわった素材を使い、しかも安心安全で、日本人の口に合ったキムチでした。
そこから李さんは試行錯誤を繰り返しました。

そしてできたのが、素材をほぼ宮城県や仙台産のものを使った「仙台キムチ」です。
みやぎ蔵王産のラ・フランスや宮城県の江合川で捕れたシャケの魚醤を使用し、エビやホタテなど数種類のダシを使い、酸化防止剤や保存料などの入らない、無添加キムチです。

「まるごとトマトキムチ」の説明をする、李香星さん

そして平成12年、李さんがお店を引き継ぐ形で「有限会社趙さんの味」へ社名を変更しました。

民家を改造した工場でしたが、本格的なキムチの味が評判を呼び、大手百貨店、チェーン店などでも扱われるようになりました。
お客さんも徐々に増え、その人気に応える形で、コツコツためた資金で新しい機械を購入し、念願の新工場を仙台市宮城野区蒲生に建てたのは平成23年2月だったのです。

そして翌月の3月11日、1カ月も経たない新工場は震災の津波で流されてしまいました。

震災の津波で被害を受けた工場(画像提供:趙さんの味)

内部の様子(画像提供:趙さんの味)

新築間もない工場を失い、事業の再建をあきらめかけた李さんの元に、取引先からいろいろな支援物資が届いたり、「また再開してください」というたくさんの声が寄せられました。

「新工場を建てて、ちゃんとした、やっと衛生的な工場でできるという思いが残っており、自分たちもやり残したことが多かったのです。
たくさんの人から寄せられた声を聞いて、また1からやり直そうという思いに至りました。

しかし、すぐには製造もできない状態でしたが、公益財団法人仙台市産業振興事業団と出会い、いろんな方向からたくさんの支援をしていただき、再び開業することができました」

仙台市産業振興事業団は、地域産業を総合的に支援することを目的に、平成8年に設立されています。
東日本大震災で被災した中小企業の支援も積極的に行っており、今回も営業改善、資金調達、新商品開発、販路開拓など、多角的な支援を実施してきました。

現在の工場(画像提供:趙さんの味)

こうして平成24年7月、念願の新工場が宮城野区中野に完成し、キムチ作りも本格的な再スタートを切りました。

キムチのおいしさは70%が塩漬けで決まるとのこと。
「趙さんの味」では白菜1枚1枚丁寧に漬け込んでいます

そして今回、新商品「仙臺まるごとトマトキムチ」が完成しました。
特徴は樹上完熟トマトを使用していること。
その日採れたトマトに切り込みを入れ、タレをたっぷりと乗せ出荷し、次の日には店頭に並びます。
トマトの採れ方を安定させるために仙台市と多賀城市2つの農家から仕入れていますが、季節的に11月の終わりくらいまで販売するものです。

「賞味期限は1週間ですが、1週間たっても味がしみ込んできますので、フレッシュな時と少し違った食感と味になります。いつ食べても新鮮な味わいで、おいしくいただけます。
当社の直売所でお買い求めいただける他、百貨店、スーパーなどの店頭に、これから徐々に並ぶ予定です」

商品の価値を反映したパッケージ
仙台印刷工業団地協同組合と事業団が連携して支援し作られました

「トマトキムチ」はそのまま食べてもおいしいのですが、リゾットやパスタなど、料理の調味料としても使えます。

新型ヌードル
茹で上がったパスタにざく切りしたトマトキムチをよく混ぜ
仕上げにオリーブオイルをかけ、バジルやタイムなどを乗せれば
食欲の無い暑い季節にピッタリな冷製パスタに!

コク旨リゾット
ご飯を鶏ガラスープで煮込み、ざく切りしたトマトキムチをさっと混ぜます。
パルメザンチーズとバジルを乗せれば出来上がり!

「トマトキムチ」は千円弱で販売されます。
食べることで震災復興につながる「趙さんのキムチ」。宮城県の食材を使ったキムチで被災地へ思いを馳せ、自分もまた元気になりたいと思いました。
おもてなしやお土産としてもピッタリです。

「キムチに必ず入る材料の1つに『塩辛』がありますが、動物性タンパク質が入り
乳酸発酵することで『ビタミン12』が生まれるのです。
これは女性にとって貧血改善に効果があるビタミンです」

◆ 有限会社趙さんの味
仙台市宮城野区中野字神明167-2
電話/022-259-7759
FAX/022-259-7785
http://www.chousan.jp/

◇ 公益財団法人仙台市産業振興事業団
http://www.siip.city.sendai.jp/

(取材日 平成27年7月17日)