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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年7月20日月曜日

2015年7月20日月曜日8:29
石野葉穂香です。

先日、栗原市の「ジオパーク構想」について紹介させていただきました。
その時の記事はこちらです。

2015年7月10日(金曜日)
「栗原の大地の動きを感じよう-子どもたちのジオパーク体験」
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/07/blog-post_10.html

記事の最後の部分で、栗駒山への登山を予告させていただいておりましたが、梅雨の晴れ間が広がった7月7日、七夕の日、実際に栗駒山の山頂まで行ってまいりました。

山頂付近には「岩手宮城内陸地震」の際に発生した亀裂がまだ残されている・・・と、
山麓の方に聞かされていたので、それを自分の目で確かめたい、と思ったのも動機の一つでした。
でも、内陸地震から7年が過ぎて、もう亀裂はすっかり見えなくなっていました
もうすぐ夏休み。
海へ、山へ。家族でお出掛けするプランをお考え中の方も多いと思われます。

今夏、宮城県下の登山に係る情報では、蔵王連峰の一部(2カ所の登山道)で自主的な入山規制が行われているほかは、特に規制や警報などは発せられていません(7月10日現在)。
ともあれひと安心、とお考えいただいて大丈夫でしょう。

栗原市は、2008(平成20年)に発生した「岩手宮城内陸地震」で、域内に大きな被害が発生。
栗駒山では、山容の一部が崩落するなどしたほか、岩手、宮城、福島の三県で17名の方が亡くなっています。

この惨禍を忘れないために、栗原市では、傷ついた山肌などを地震・震災の経験や記憶を伝える貴重な「遺産」「地域資源」と考え、栗駒山をはじめ、市域全体を「ジオパーク」とする活動を続けています。

ふるさと・栗原市の地形や地質、多様な植生や生態系、そこに生きる人びとの多彩な暮らしの風景を学び、大地といのちの関わりを知ってもらおうというもの。

それが「栗原ジオパーク構想」です。

関連記事 ↓

2014年3月17日(月曜日)
「復興と再生のジオパークを目指して」
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/03/blog-post_17.html


今年6月20日、荒砥沢ダムの湖畔で行われた
栗原市立志波姫小学校の6年生たちの
「栗駒山麓ジオパーク構想 栗原の大地の動きを感じよう」という学年行事
「ジオ=geo」とは地球のこと。
栗原市を旅しながら、地球の来し方行く末を思ってみる。
地震災害の怖さや防災について考え、そして、森や山岳の風景の雄大さに心を震わされたり・・・。

栗駒山は、まさにそんな思索と観光の場所としてぴったりです。

栗駒山は、奥羽山脈の真ん中あたりにある、標高1627mの山。
宮城、岩手、秋田の三県へ山裾を広げ、宮城は「栗駒山」、岩手で「須川岳」、秋田では「大日岳」と呼ばれています。

ちなみに「活火山」でもあり、1944(昭和19年)に小規模な噴火があり、岩手県側の山腹に「昭和湖」という湖を形成させました。

活火山とは、気象庁と火山噴火予知連絡会では「おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」と定義しています。

現在、全国にある活火山の数は約110。
宮城県では栗駒山、蔵王連峰、鳴子火山群がこれに該当します。

栗駒山登山の宮城県側の登山基地となる「いわかがみ平」です。標高は1113m。
この日、私が登り始めたのは午後1時。本当は、こんな遅い時間からの登山はおすすめできません。
遅くても午前10時までに登山を開始し、午後4時までに一日の行程を終えられるような計画を立ててください
山頂を目指す登山道は、宮城県と岩手県から数コース。
最短1時間30分で登れるコースから、ブナの森を歩きながらぐるりと山塊をめぐる8時間の長大なコースまであります。

でも、内陸地震の被害から復旧できていないコースもあるので、登山前に必ず確認しておいてください。

いわかがみ平から見上げてみました。
真ん中、少し飛び出して見えるのが山頂。右側のピークは東栗駒山です
7月7日、私が登ったのは、宮城県側の「いわかがみ平」から登る「中央コース」です。
全コース中で最短となる2.9㎞、所要時間は片道約1時間30分。
のんびり歩いて、日帰り登山が楽しめます。

中央コースは目立った急登もなく、初心者でも無理なく登れます。
とはいえ、しっかり登山靴を履き、長袖のシャツや雨具も用意し、もちろん水筒や携行食・非常食などもお持ちください。
また、登山道入り口の「栗駒レストハウス」で、登山者カードへの記入もお忘れなく。

栗駒レストハウス。赤いポストに
入山届を投入します
ポストの下部に用意された登山者カードの表面(左)とウラ面。
メンバーの氏名、年齢、職業、緊急連絡先などを記入します。
山岳会やグループなどで計画書を作成する場合は、余分を一部作ってきて
カードと一緒に投入するのがいいでしょう
中央コースを歩き始めて20分ほどのところ。
だんだん山頂へ近づいて行くのが分かります
歩き始めて50分ほどすると、樹林帯を抜け、見晴らしのいいところに着きます。
栗駒山の南斜面がどーんと見晴らせる好展望地。ここでの休憩がおすすめ。
山肌を行き交う夏雲の影と、緑の大地の雄大なコントラストを楽しんでください。

また、秋には、山頂から駆け下りてきた五彩七彩の光が、蒼空を背景に眩しく輝き渡る景色を眺めることができます。

登り始めて50分ほどの休憩地点からの眺め。山肌は、夏は鮮やかな緑色に包まれています
・・・ほぼ同じ場所から見た秋の眺め。10月上旬ごろかなと思います。
栗駒山の紅葉風景の厚さと大きさと鮮やかさは東北屈指。
この風景、やっぱり自分の目で見たくなりますよね?
(写真提供/栗原市)
そして、山頂からの展望は文字どおり360度の大パノラマ。
宮城県側には、栗原地方や大崎地方の平野をはじめ、大崎市の加護坊山、石巻市の上品山、仙台湾、大和町の七つ森、そして蔵王連峰などが見晴らせます。

登ってきた中央コースを山頂から振り返るとこんなふう。宮城県側の見晴らしです。
この日はちょっと雲が多く、かすんでしまいましたが、築館、迫方面の眺めになります
東に、一関市街地、室根山、大船渡市の五葉山、さらには種山ヶ原、早池峰山。
北に、栃ヶ森、焼石岳、岩手山。
西には、鳥海山や月山、舟形連峰も・・・。

北側(岩手県側)の眺め。崩落の跡が残っている付近が栃ヶ森の山塊。その向こうは焼石岳です。
さらに夏油岳、和賀岳、岩手山へと連なるこの山並みが「奥羽山脈」です
東北地方の起伏を、水平方向に、遠く広く大きく見晴らせる絶景に、「地球」という大きな言葉を重ね合わせても、決して巨大すぎることはありません。
むしろ、そんな大きな視野と心を持って立ってほしい場所なのです。

果てしない大きな空と、広い大地の狭間で、「ジオ=地球」が、きっと感じられるはず。

写真中央、スキー場のゲレンデが見えるのが一関市の祭畤(まつるべ)山。
「岩手宮城内陸地震」は、この山の地下約8000m付近で発生しました。
その向こうに広がっているのは奥州市付近の平野部です
そして下山後は、山腹の温泉で、地球の熱を感じながら、のんびり汗を流しましょう。
そのまま宿泊できる温泉施設もあります。

岩手宮城内陸地震から7年。東日本大震災から4年――。
栗駒山とその周辺の観光地は風評被害から、なかなか立ち直れずにいます。

地球が相手のことですので、自然災害はいつ、どこで発生するか、それはなかなか知りがたいこと。

今できる取り組みとして、栗原市では、ジオパーク構想の推進と併せて、観光客を現在の年間77万人から200万人へと増やすため、総合的な観光情報の発信にも努めています。

山頂付近にはイワカガミの花が咲いていました
7~8月には、チングルマ、キンコウカ、タテヤマリンドウ、
そして高山植物の女王と呼ばれるコマクサなど、
たくさんの高山植物が夏の風に揺れているはず

絶景と温泉と、四季折々の旬菜旬味に出合える栗原市。

「ジオ」の大きさをが感じられるワンデイトリップに、ぜひお出掛けください。

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ご注意:
夏山シーズンのいわかがみ平への公共交通機関は特にありません。マイカーまたはタクシーなどをご利用ください。
なお、紅葉シーズンの週末には臨時バスが運行されますので、 栗原市のHPからチェックしてみてください。

栗原市ホーム → 観光案内
http://www.kuriharacity.jp/index.cfm/1,html

栗原市ホーム → 観光案内 → 栗駒山
http://www.kuriharacity.jp/index.cfm/12,489,78,320,html

(※ なお、本記事における「栗駒山の標高=1627m」との記述は、山頂の標識にある「1627m」の表記、及び、国土交通省国土地理院技術資料 D2-No.58「1:25,000 火山土地条件図解説書 (栗駒山地区=平成24年12月)を根拠としております)

(取材日 平成27年7月7日)