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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年7月24日金曜日

2015年7月24日金曜日8:59
石野葉穂香です。

南三陸町にある「神割崎」という場所をご存じでしょうか?
南三陸町と石巻市の市町境付近の海岸にある、巨人の斧で割りさかれたような大きな岩山の岬。

うららかな志津川湾の風景とは一線を画す、荒々しい海岸の奇勝です。
外洋に突き出した岬に、太平洋の荒波がたたきつけ、岩の裂け目をくぐり抜けた波が、轟きとともに断崖下の狭い石の浜に押し寄せて来て、波打ち際の小さな空間は、まるで雷声に包まれたよう。
満潮時には、砕け散った波が降りかかってくることもあります。

神割崎は、三陸復興国立公園(旧・南三陸国定公園)の見どころの一つ。
真っ二つに割れた大岩の間から波が押し寄せてきます
この地には、こんなお話が残されています。

江戸時代の宝暦年間、ここに打ち上げられた一頭の鯨の分け前をめぐって戸倉と十三浜の人たちの間にいさかいが起きてしまいました。

ところが、互いに譲らず言い争っていた3日目の夜、突如、雷鳴が轟き、落雷が、鯨もろとも岩をも真っ二つに割ってしまいます。

「これは、争いを止めよとの神様のお告げに違いない」

両村の人たちは仲直り。ここを村境と定め、鯨も分け合いました。
そして、今日、それぞれ違う市町に編入されても、両地区の人たちの交流は親しく続けられています。

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神割崎の南三陸町側には、昭和44年に開設された「神割崎キャンプ場」があります。
開設から今年で46年目。県下でも屈指の老舗キャンプ場です。

場内には第1~第4キャンプ場とオートキャンプ場があります。写真は第3キャンプ場のテントサイト。
フラットなテント設営スペースとコンロ、ベンチ、テーブルがあります。
そして眼下には海。波の音が聞こえてきます

一般サイトのほか、オートキャンプサイトも備えた本格派。
お客様は仙台圏の方が多いとのことですが、関東や関西などからやって来て、ここを拠点として三陸観光を楽しんだり、町内でボランティア活動を行う方も多いそうです。

7月10日、この神割崎キャンプ場の中心施設である「神割観光プラザ」がリニューアルを済ませ、グランドオープンを迎えました。

同キャンプ場は、今年4月から指定管理業者が一般社団法人南三陸町観光協会に代わり、観光協会に所属する若者3人が現地スタッフとして活躍中。
キャンプのトップシーズンとなる夏を初めて迎えています。

観光協会が主催したグランドオープンセレモニー。
関係者が集まって、神割崎キャンプ場の新しい船出を祝いました
この日のグランドオープンは、観光協会が指定管理者となったことから、観光プラザの内装や備品、そしてプラザ内で営業する「レストラン神割」のメニューを一新し、関係者にお披露目をする式典。

管理スタッフで料理長でもある及川渉さんが紹介してくれた新メニューは、南三陸産の旬菜旬魚をひと皿の中に盛り込んだ「神割プレートランチ」。

季節ごとに届けられる海と山と里の恵みが、真っ白なお皿の上で出合います。
海や畑と相談しながら、おいしい景色を描き出す、南三陸町ならではの一品です。

「神割崎ランチプレート」(1000円)
南三陸町内で採れた多くの食材がワンプレートの上に
キャンプ場のスタッフは、レストラン担当の及川さん、そしてキャンプ場の管理を担当する三浦陵平さん、山田虹太郎さんの3人。
全員が、今年4月1日付で、キャンプ場の運営管理役に配属された「新人さん」です。

「1カ月は開設準備に追われました。GWになってキャンパーの皆さんの受け入れを開始。サイトはほぼ埋まりました。そして、初めて迎えた夏のトップシーズン。まだまだ分からないことだらけ。大変だし、不安です。でも、楽しくやっていきたい。それが一番です」
と話すのは、キャンプ場の管理を担う三浦さん。

縁あって大阪から南三陸へやって来て、観光協会のスタッフとなった最年少の山田さんと一緒に、広いキャンプ場の設備管理や草刈り、清掃などに大忙しです。

場内には南端岬、漁り火岬、恋岬、出逢い岬、母恋岬、待つ妻岬・・・
というロマンチックな名前を持つ6つの岬があります。
写真はそのひとつ・恋岬
海辺の高台に広がるキャンプサイト。
外洋に面した断崖の岩に砕ける波の音は、リアスの海ならではの豪快な轟きです。
そしてウミネコの声、松葉を揺らす風の音・・・。

大昔から変わらない「地球の息吹」が間近に感じられる場所でもあります。

母恋岬の下にある小さな浜。
向こうに見えるのはウミネコたちの住み処となっている松島です
若い3人は、「この場所を南三陸にやってくる人たちと、地元の人たちとの交流の場にしたい」と張り切っています。

「例えば、手ぶらでやってきてバーベキューができたり、芋煮会が開催できたり、レストランでの食事をセットにしたキャンプが楽しめたり・・・。
また、地域を紹介する展示企画や物販、用品のレンタルといった企画を考えて、キャンプシーズン以外にも、神割崎に足を運んでもらえたらと考えているところです」と三浦さん。

第1キャンプ場前の東屋から見た太平洋。
水平線から昇ってくる朝日と向き合える場所
及川さんも
「地域情報の発信という点から言うと、ここ戸倉地区はちょっと弱い部分があります。まずは戸倉地区の皆さんと一緒に、地域のよさをもっと見つけていきたいです」

「神割崎は南三陸町の南の玄関口。石巻へもいちばん近い地区です。そして東北地方では数少ないペット同伴が可能なキャンプ場でもあります。家族で、そしてペットと一緒にゆっくり滞在してもらえたら」

バーベキュー広場。バーベキューはもちろん、炊さんや芋煮会などにも使えそう。
なお、薪や炭は観光プラザで販売しています
町の産業振興課観光振興係長の宮川舞さんにもお話を伺いました。
「ここは、津波被害を免れた、町にとっても貴重な場所。震災前の記憶や文化が残されています。地域コミュニティの場として、そしてビジターにも地域の魅力をたくさん感じてもらえる拠点として、たくさんの人たちと繋がっていける場所として利用していただけたらと思っています。
オフシーズンの企画に関しても、彼ら若いスタッフの感性とアイデアに期待しています」

こちらは定番のシーサイドカレー(800円/サラダ付き)
カレールーの中に茎ワカメが隠れています。おいしい!
夏休みシーズンの予約は「オートキャンプは、土日はもうほとんどいっぱいですが、フリーサイトはまだ空きが あります」とのこと。
キャンプばかりでなく、イベントなども開催される予定だそうです。

オートバイ愛好家たちの集い、高校生のボランティアキャンプ、子どもたちの自然体験、音楽イベント(予定)、9月の連休に開催されるツール・ド・東北関連の催事・・・。

また、8月13日には、以前「ココロプレス」で取材した埼玉県の「ゆるふわボランティア団体 ボーズ」のメンバーの「アウトドアウェディング」も、キャンプ場で行われます。

「南三陸町の皆さんと一緒に楽しみたいです。式には、ぜひ地元の方にも遊びに来ていただけたらと思っています」と、ボーズのリーダー佐々木元康さんからもメッセージを頂きました。
ボーズに関する過去記事はこちらです

2014年10月5日(日曜日)
人懐っこさが継続力の源 ボランティアチーム『ボーズ』の活躍 (南三陸町)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/10/blog-post_5.html

2015年3月4日(水曜日)
マイティハート ブレイブハート(南三陸町)
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/03/blog-post_4.html


前列向かって左側のお二人、伏木啓子さん(ピンク)と神夏磯俊介さん(グリーン)が
8月13日、神割崎で結婚式を挙げられます。
森や公園、牧場、海辺など、さわやかな自然美の中で愛を誓い合うアウトドアウェディングは、近年、新しいスタイルの結婚式として人気を集めています。

神様が、2つの村の仲を取りもち、厚い情宜で結んでくれた神割崎キャンプ場は、そんな式典の会場として実にぴったり。ステキな場所なのです。

アウトドアウエディングが、これから神割崎キャンプ場を売り出していく上で、目玉企画になれたら・・・と、私、石野も大いに期待しているところです。

またレポートしたいと思います。

最後に、スタッフのお三方からひと言ずつ頂きました。

「戸倉の魅力発信!」
左から三浦陵平さん、山田虹太郎さん、及川渉さん。
ちなみにお三方とも独身です
三浦「楽しくにぎやかな夏にしたいです!」
山田「たくさん楽しんでもらえるよう、さまざまな企画を発信していきたいと考え中!」
及川「お客さんも、そして僕たちスタッフも楽しみたい!」

神割崎に新しい夏がやって来ました。

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【神割観光プラザ(神割崎キャンプ場管理センター)】
所在地/〒986-0781 宮城県本吉郡南三陸町戸倉字寺浜81-23
電話/0226-46-9221
キャンプ場利用期間/4月1日~11月末日(レストランは通年営業)
レストラン営業時間/11:00~15:00(ラストオーダー14:30/火曜日定休)

一般社団法人南三陸町観光協会HP
http://www.m-kankou.jp/

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(取材日 平成27年7月10日)