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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年6月27日土曜日

2015年6月27日土曜日8:00
こんにちは、Chocoです。
震災から5年目。
仙石線も開通し、駅も再開され、通勤や通学、通院が以前よりも楽になったと喜びの声を上げている人がたくさんいます。

さまざまなところで、「復興」が少しずつ前進しています。

支援の形も変化してきています。
私が初めて石巻を訪れたのは、震災から半年を過ぎてからでしたが、その頃のボランティア作業は、ヘドロや瓦礫撤去でした。
私が来る前からも多くの人たちがその作業をひたすらしていました。

その後、瓦礫撤去作業が落ち着くと、再開した漁業での支援、被災した家の修復や、仮設住宅でのお茶会、地域の祭やイベントのお手伝いをするようになりました。

現在は、イベントを企画したり、起業支援やインターンの受け入れ、ボランティアツアーという形の被災地支援が各地で行われています。

「これが今、私たちにできることです」
私が取材した3カ所のツアーで出会った人々から聞いた言葉です。
各地でさまざまな復興ツアーが企画され、県外から多くの人々が被災地を訪れています。
今回は、3つの復興ツアーを通して見えてくる大切なことを紹介したいと思います。
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まず、最初の舞台は南三陸町からです。

4月25日、「南三陸復興ツアー」が開催されました。
参加者は、翌26日に登米市の長沼フートピア公園で開催された「東北風土マラソン&フェスティバル」のランナーの皆さんです。
イベントは、1日目には3つの東北風土ツーリズムや会場で催し物、前夜祭が開かれ、2日目にはマラソン大会があり、2日間合わせて、27,000人が集まりました。
海外からも約100 人がランナーとして参加していました。

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※ココロプレス
笑顔とグルメがいっぱい!〜東北風土マラソンが開催されました〜2015年5月7日
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/05/blog-post_7.html
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東北風土マラソンの前日には、3つの「東北風土ツーリズム」が行われました。

 「東北酒蔵ツアー」
 「登米 風土ウォーキングツアー」
 「南三陸復興ツアー」

どれも東北の風土と美味を堪能する内容となっていました。



今回は、私が参加した「南三陸復興ツアー」を紹介しようと思います。


南三陸町の志津川地区と戸倉地区を訪ね、防災庁舎など震災遺構を見学しました。
ツアー終盤には、地元漁師さんのもとで、獲れたてのカキや新鮮なワカメのしゃぶしゃぶも堪能しました。

ツアーのガイドを務めたのは、社会貢献共同体ユナイテッド・アースの工藤望さんです。

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工藤さんの活動は、以前ココロプレスでも紹介しました。
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被災地を見て、触れて学ぶ「南三陸復興学びのプログラム」2013年9月10日
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/09/blog-post_5156.html
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震災から約1年後の2012年2月25日に『仮設商店街 さんさん商店街』がオープンしました。
町が真っ暗な状態だった中、自宅も仕事も失った人々が多い中での商店街開店は人々の希望となりました。
しかし、自分の生活で精一杯だった当時、応援したくてもできなかったと工藤さんは話します。
しかし、県外には、被災地を支援したいという人が多くいました。
そこで工藤さんは「震災の風化防止、全国に防災、減災を広めること」を目的に、「南三陸復興学びのプログラム」を企画しました。
南三陸を中心に被災地の視察やボランティア活動を通して支援をしながら、学ぶことができる内容です。
そしてこのプログラムは、現在も県外から多くの人々が参加しています。
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今回のツアーでは、工藤さんが震災当時の様子を語りながら、防災庁舎や病院など震災の跡が残る施設を回りました。
【南三陸町防災庁舎】
鉄骨3階建ての防災庁舎の屋上には、震災当時53名が避難していましたが、津波は屋上の高さをも越え、43名の方の尊い命を奪いました。
犠牲となった方の中に1人の若い女性職員がいました。
防災無線を使い高台への避難を地元住民に呼び掛けていた方です。
その懸命な呼び掛けのおかげで、多くの命が救われました。

庁舎の敷地にある献花台の前でツアー参加者の皆さんは犠牲となった方々に黙祷を捧げました。

【南三陸町立戸倉中学校】
標高20mの高台にある戸倉中学校。
津波は校舎1階まで押し寄せてきました。

戸倉中学校から見た海岸
私が撮影した位置でも高く見えますが、
実際の津波は校舎1 階の高さまできました
3月11日はちょうど卒業式の前日でした。
黒板はその当時のまま残っていました

バスで移動中に見えてくるのは、復旧工事、防波堤工事の様子でした。

工藤さんは被災地の現状と、その地に住む人々の気持ちを参加者に伝えます。
「今後の復興計画は8.7mの防潮堤を建てる予定ですが、大勢の住民の方が反対しています。
まるで、刑務所のようだと皆さんは私に話します」

8.7mの防潮堤が建つことによって、逃げる時間を少し稼ぐことできるという統計が出ています。
しかし、防潮堤工事に伴い山から流れる栄養分が届かず、魚の育ちが悪くなります。そして、美しい景観も見えなくなってしまいます。

海を見て育った人々や海を相手に生きる漁師さんにとって、
現在、辛い選択を迫られています。

そんな中でも震災後の風評被害にも負けずに、東北の海の幸の安全でおいしい魅力を発信している漁師さんは多くいます。
金比羅丸の高橋さんもその中の1人です。
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金比羅丸の若大将 高橋直哉さんの記事はこちら
「やっぱり海はおもしろい」若き漁師Part2(南三陸歌津)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/06/part2.html
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家族一丸となって漁業を再開しています。

今回のツアーでは、高橋さんの所の高級ワカメと大きなカキ、そしておいしい日本酒が振舞われました。
皆さんの顔は幸せな顔になっていました。

サッと湯がくだけで、色が新鮮な緑色に早変わり!!
ワカメしゃぶしゃぶには、皆さんも驚いていました

大きなカキを食べているときにお話した高嶋さん親子。
全国各地のマラソン大会にお2人で参加しているそうです。
南三陸の魅力を存分に味わっていました。
ツアーの参加者の中には、香港から訪れた方も多くいました。
香港からツアーに参加した皆さん。
その中の1人にお話を聞きしました。
「今回の風土マラソンに参加するために香港から来ました。
走ることと、おいしいものを食べるのが好きだったという理由もありますが、今回のイベントはとても意味のあるものだと思い、参加しました。
被災地に来たのは初めてでしたが、やはり、テレビで見るのと実際に見るのはとても違います。
今までこんなにきれいな環境とすばらしい景色の中で過ごしてきたのに一変してしまうということは、想像するだけでとても悲しいです。

できるだけ早く復興することを祈っています。
放射能や風評被害など、まだまだ問題は多くあると思いますが、
私たちのように多くの人が東北へ来ることを願っています」
「東北日本がんばれ!
香港もみなさんを応援しています」
Chong Hiu Yeungさん


「町の皆さんは、『忘れられることが怖い』と話しています。
いつまでも支援に頼っていてはいけないかもしれないけど、
震災から4年が過ぎても、ボランティアさんが町に足を運んでくれることが、
町の人々にとっても心の支えになっているんですよ」
ボランティアと地元の人々との橋渡しとなって活躍している工藤さんは私にそう話してくれました。
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被災地ツアーで見えてくること。
それは「心の支え」です。

震災後、「ゼロからスタートではなく、マイナスからスタートなんだ」と復興のため、家族のため、町のために一生懸命活動している人々が多くいます。
その地域に訪れる人々との交流は、ここに住む人々にとって大きな原動力となるのです。

(取材日 平成27年4月25日)