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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年6月1日月曜日

2015年6月1日月曜日8:00
こんにちはエムです。

亘理町内5カ所にある仮設住宅のうち、最も規模の大きな「公共ゾーン仮設住宅」。


そこで自主自治組織「ふれあいの会」を立ち上げ、住民同士のコミュニケーション作りに心を砕いてきた代表の木村一行さんたちの様子は、平成26年4月に取材しお知らせしましたが、あれから約1年が経過しました。

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求む!環境作りの支援者〜亘理町仮設住宅の現状〜(亘理町)
平成26年5月1日 木曜日
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/05/blog-post_221.html
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その後どうなっているのか、再び「公共ゾーン仮設住宅」を訪れ、木村さんにお話を伺いました。

「グループふれあいの会」代表の木村一行さん

木村さんによると、公共ゾーンには現在約200世帯の方が暮らしています。
当初(平成23年6月)は約550世帯ありましたので、だいぶ少なくなりました。残っている方々も5月末~6月上旬までには復興住宅・復興アパートへの移住が決まっています。

しかし、経済的な理由やその他いろいろな事情で仮設住宅に残らざるを得ない方もいるのだそうです。最終的に亘理町全体では数十世帯の方々が残り、仮設住宅は一カ所に集約する計画があります。

しかし、仮設住宅に残る方にも、新しい土地に移住する方にも、まだまだ解決していない問題点や心配なことが残されています。
木村さんは「ふれあいの会」の活動を今年3月末で収束させましたが、多くの問題点を少しでも解決できるように、「ふれあいの会」に続く後継団体として「グループふれあいの会」を4月1日に立ち上げました。

「会の目的は、復興住宅、復興アパート、みなし仮設、仮設住宅の方々を対象にした『新しいふるさと作りのお手伝い活動』『コミュニケーション作りのお手伝い活動』です。

具体的には、高齢者や1人暮らし、体の不自由な方々などを対象にした見回り活動や簡単な家事手伝い、買い物、用事がある場合の車の代行サービスなどを中心にやっていこうと計画しました。
約15名のメンバーも被災者ですが、被災者同士が守り、支え合う、地域の支援サービスです」

公共ゾーン仮設住宅。だいぶ空き家も増えました

「復興住宅や復興アパートに移住した先の地域でも問題点があります。
隣近所となじむにも時間がかかりますので、そのきっかけになるようなお茶会、健康作りなどの講話会、支援団体などを呼んでのイベント活動など考えています。

具体的にはこれから決めていくところですが、その地域に新しく転入してきた人と、従来の自治会の方々が力を合わせて『新しいふるさと作り』を行えるよう、お手伝いができたらと思っています」

公共ゾーン第3集会所

1年前と変わらず、住民同士のコミュニケーションの大切さを考え、コミュニティ作りのために日々奔走する木村さん。
実は木村さんには亘理町全体を活性化させるための、もっと大きなビジョンがあり、いくつかのアイディアを持っているようです。

「東日本大震災後、亘理町の人口は減っていますが、特に荒浜地区や吉田地区などでは人口が半分以下に減っている地区もあります。ですのでこれからは、亘理町全体を活性化する新しい計画が必要だと思うんです。
まずは人を増やすことが大事だと思います。
それには若い人たちが集まる工夫をすることで、町としての活性化がどんどん生まれてくるのではと考えています」

集会所には今もこうして住民の皆さんが気軽に集まり
おしゃべりしながら手仕事などをしています。
この日はカゴやバッグを作っていました

「そのアイディアの1つは、亘理に専門学校を誘致することです。
亘理には魚もあるし漁師もいる。それに観光資源もあるしイチゴもあるし農業もありますね。
それを利用し、専門学校では漁師、農業、自然を豊かにする人を育てて、若い人に定着してもらうのです」

「それから今の亘理町には空き家が非常に多いんです。
その空き家を登録制にして、全国から募集かけて移住してもらうというアイディアもあります。
しかし、いきなり移住するのは大変なので、まず1週間くらいのスパンで、高齢者の方の仕事や畑を手伝う農業体験をしてもらうようなツアーを企画して、泊まりがけで来てもらうと良いのではないかと思います」

「また町の復興計画では、海沿いの土地を公園や緑地帯、観光スポーツ施設など作るようですが、それは従来あったのを復活するビジョンなのです。
それも一案だとは思いますが、観光で人が来るだけではなく、定住してもらうために魅力ある何かを作ることが大事だと思うのです。
例えばみんなが持ち寄った手作り動物園などを作るとかです。
管理・運営の面では大変だと思いますが、みんなのアイディアを出し合えば……」

小学生を乗せた送迎バスが到着しました

木村さんは次々と画期的なアイディアを話してくれましたが、それを実現させるためには、たくさんの人の同意と協力、そして行政を交えた原動力が欠かせません。

亘理町では今年(平成27年)4月、亘理町で復興支援活動を続ける団体が集り「亘理ネットワーク」が結成されました。
これは、木村さんのようにアイディアを持った方が個々の団体で活動を行うよりも、複数の団体が集まり、みんなの力やアイディアを出し合った方が有効との考えのもと、結成されたものです。
木村さんはその立ち上げに努力し、協力してきました。
現在「亘理ネットワーク」には「グループふれあいの会」も所属しています。

新しいふるさとを作るため多くの団体が集まることで、よりパワーアップしたものになりそうです。

静かな仮設住宅地にひと時、子どもたちの元気な声が響きました

木村さんが言いました。
「今必要なことは、2つに集約されると思います。
1つは新しいふるさと作りをお手伝いする団体をどんどん増やすこと。我々がその先駆けになってやっていきたいと考えています。

もう1つは若い人を増やすことによって、地域の活性化を図ること。
若い人が増えれば子どもも増えるし、学校もにぎやかになるし、お店や病院など産業もそれなりに戻って来ます。

その2つは両輪で進んでいかないとと考えています」

亘理町町民乗合自動車「さざんか号」のバス停。
「わたり温泉鳥の海行き」と「亘理駅行き」がそれぞれ1日7本あるようでした

亘理町は、宮城県内でも復興住宅や復興アパートなどの建設が進んでいる地域ですが、「グループふれあいの会」のように被災者同士が支え合い、助け合う、住民の方々の活動があってこそ、新しい町づくりがかなうのだと感じました。

複数の団体が集まり発足した「亘理ネットワーク」については、回を改めてお伝えします。

グループふれあいの会
亘理町吉田字小橋450-2
電話:090-9425-4551

(取材日 平成27年5月15日)