header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年6月3日水曜日

2015年6月3日水曜日8:00
こんにちは、にゃんこです。

皆さんは「がんばる商店街30選」をご存じでしょうか?
経済産業省が、地域コミュニティの担い手として商店街の活性化や地域の発展に貢献している商店街を選定しているものです。

今年も3月に発表が行われ、宮城県内で唯一選定されたのが今日ご紹介する名取市美田園地区の仮設商店街「閖上さいかい市場」です!

ちなみに「閖上」と書いて、「ゆりあげ」と読みます。



「閖上さいかい市場」がオープンしたのは2012年2月。
仙台駅と仙台空港を結ぶ「仙台空港アクセス鉄道」の「美田園駅」から歩いて約10分の場所にあります。
「美田園駅」は「仙台空港駅」の1つ手前の駅です。

グランドオープンの際はココロプレスもお邪魔しておりました。

=================
2012年2月6日 月曜日
あなたと再会するために(名取市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2012/02/blog-post_5694.html
=================

「さいかい」には、事業の「再開」と人々の「再会」と2つの意味が込められているんだそうです。
この素敵なネーミングの由来については、上記の記事を読んでみてくださいね。

-------------------------------------
早速お話を伺いに、「閖上さいかい市場振興会」の相澤信幸会長を訪ねました。
この商店街に入居しているのは、震災で甚大な被害を受けた閖上地区と下増田地区で被災した事業者の方々です。

花屋さん、魚屋さん、お寿司屋さん、酒造店、衣料品店、釣り具店、飲食店
写真スタジオなどなど約30店舗がずらり





相澤会長にお会いするのは2回目。いえ、厳密に言うともう4、5回はお会いしているかもしれません。
以前取材した際の記事はこちら

商店街で行われた夏祭り「さいかいの夕べ」の取材でお世話になりました
(2014年7月撮影)

昨年と変わらない素敵な笑顔で迎えてくださった相澤会長。
「閖上さいかい市場振興会」2代目の会長です。

相澤会長が営むのは「(有)マルタ水産」
閖上に工場と店舗を構えて約50年、鮮魚や水産加工販売を行ってきました。

しかし4年前のあの日、閖上地区一帯を襲った8.4メートルもの巨大津波により、工場、店舗、自宅すべてが流失。
幸い家族は全員無事でしたが、4年たった今もなお仮設での生活が続いています。

閖上地区の災害公営住宅の入居は一番早い予定でも平成28年の5月、遅いところでは平成30年年5月にもなるそうです。
早くても後1年…。これが閖上のイマです。

名物は、「真ガレイの閖上干」。
閖上の名産アカガイを使った手作りの「塩漬け」も人気

「みんなにお世話になったからこうやって頑張っていられる。でも間違いなく心の傷はいつまでたっても癒されないんだな。3年、4年経って何でいつまでもって言う人もいるけど、そうでないよな。時間がたった今だからこそ逆に大変。今まではある程度いろんな部分で優遇されきた。いろんな補助も徐々になくなっていく。自立したらと言われるのも当然分かるんだけど、閖上の場合は戻る場所がない。いろいろ考えるとこれからが大変。一生懸命やってあげてんのに何やってんの? って言うかもしれないけど、まだそうでないような気がするな。俺らでさえも一生懸命頑張って頑張って、やってきたのに。その先を考えると疲れてしまってな。夜も眠れなくなる。もう4年て言われるけどまだまだだよな」
と相澤会長。

思うように進まない復興、癒えない心の傷、そこに求められる自立。
焦りと不安で夜も眠れない日々に、明るい話題を届けてくれたのがこの「がんばる商店街30選」の選定でした。

-------------------------------------

◆「がんばる商店街30選」に選定された要因は?
「オープン当初から集客するためにいろんなイベントをやってきたこと。盆踊り、夏祭り、鍋祭りなど地域の方たちの交流の場にもなるようなさまざまなイベントを開催してきました。さいかい市場がオープンした時には閖上の産品、アカガイの無料提供もやったな。あとは地域の人から『カラオケ大会をやってほしい』と言われてカラオケ大会をしたりみんなの意見を聞きながら企画してきました。商店街で使えるポイントカードを作ったり、定期的にお買い得市を開催したりしているのも一つ。閖上の特色を生かしながら、そうやってみんなで一緒にやってきた結束力だな」

◆その結束力を深めるための工夫とは?
「元々商店街としてやっていたわけではなく、個人でやってきた人がほとんど。顔なじみもあまりなく最初はまとまるのが大変だった。みんなバラバラだったわけだからね。しかも自分たちが住んでいた元の町ではなくて、よその町での商売。そいう意味でみんな苦労してきたんだ。オープン当初は週1回ミーティングすることで結束力を高めてきた。今は月に1回かな。用があってもなくても集まるようにしている」

◆閖上さいかい市場がある美田園地区は大型ショッピングモールをはじめ、スーパーも立ち並ぶ場所。それでも平日のランチタイムや土日は駐車場が満杯になるなど人気を集めている理由は?
「近くの人にはもちろん普段の買い物にも利用してほしいけど、スーパーと競争したって負けるよね。負けないようにするにはここにこないと売ってないという商品を作っていかないと。だからお土産に購入してくれる人が多いかな。人が集まらないと商売にならない。今でもバスツアーで全国から来てくれるのはうれしい。そのためにも今回『がんばる商店街30選』に選ばれたこともプラスになる。本当にありがたい。将来は個店舗になるのか共同店舗になるかとか分かんないけど、ここで頑張って努力していれば、ここに来てくれたお客さんもまた来てくれるはず」

◆今後の課題とは?
「これまでは市役所や商工会の力を借りてやってきたけど、これからは自力で頑張っていかなくちゃいけない。去年からは少しずつでも自分たちでやれるようにと企画しています。あとはやっぱりここにしかないっていうものを作っていくことだな。宮城県沖でもシラスが獲れるようにとずっと県に要望を出していたんだけど、やっと今年許可が下りたんだ。閖上は赤貝が有名だけど、シラスを新たなブランドにしたいなと思っているんだ」

相澤会長(左)

閖上さいかい市場の当初の期限は平成29年まででしたが、この春、3年の延長が決定しました。
「こうやって商売ができるのは感謝、感謝しかありません。でもまだまだ先が見えないのも事実。今年で閉鎖する復興商店街もあるんだけどねってチクっと言われることもあるけどね…」と相澤会長。

-------------------------------------

私が取材にお邪魔した日はちょうど毎月恒例のお買い得市の日。
午後にはマグロの解体ショーも行われました。
私は間に合わず…。残念。

「フレッシュミートアイザワ」さんでは10個入りの卵がなんと120円!
大きな手作りメンチもオススメです。もちろん買いました!

老舗のかまぼこ屋「味匠ささ圭」。丁寧に手焼きで仕上げた
ふっくらふわふわのかまぼこはお土産にも

旬魚を盛り込んだ丼ぶりが人気の「漁亭浜や」。ランチにいかが?

婦人服を扱う「せとや」には、復興グッズが!

「おそうざい工房匠や」の人気のフライ。
「揚げたてを味わってほしいので極力作り置きはしないようにしています。
メニューが決まったらぜひお声掛けください!」とおかみさん

名取の地酒「浪の音」で有名な「佐々木酒造店」。
地元の米と水で仕込んだ「純米酒 閖」も自慢の一品

新鮮な海産物と手づくり干物が人気の「おさかな市場(有)まるしげ」。
私のおすすめは手作りのイカの塩辛!

お買い得市は、毎月最終土曜日に実施しています。
第2・4日曜にはイベントも行われるので、ぜひ皆さん足を運んでみてください!


閖上さいかい市場
名取市美田園7-1-1
営業時間 : 10:00~19:00
定休日 : 水曜日
お問い合わせ 022-382-3236(名取市商工会)
http://natori.in-shoko.com/saikai_ichiba/index.html


(取材日 平成27年4月25日、5月16日)