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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年5月7日木曜日

2015年5月7日木曜日8:50
石野葉穂香です。

4月下旬の宮城県は1週間も快晴の空が広がるという爽やかな陽気に包まれました。
桜前線は特急で通過してしまいましたが、釣られるようにたくさんの花木や野花が一気に咲いて、眩しい空の光の下、色とりどりの花色をほとばしらせています。

4月26日。
登米市にある長沼フートピア公園で、先年に引き続き第2回目の開催となる「東北風土マラソン&フェスティバル」が開催されました。

オランダ風車が目印の長沼フートピア公園。
眼下に長沼、彼方に栗駒山が望まれます

会場である長沼を2周する42.195㎞のフルマラソンと、1周21㎞のハーフマラソンの2つのコースがあります。
実は、宮城県で唯一、フルマラソンの設定がある大会でもあります。

でも、何よりもこの大会をユニークなものにしてるのは、コースの途中11カ所に設けられた給水所に、東北地方のおいしいものがズラリと並んでいること。

風の匂い、土のぬくもりを感じて走るマラソン大会でもあり、そしておいしい産品を味わいながらの「Fan Run(楽しく走る)」でもあり。
そう。「フードマラソン(Food Marathon)」なのです。

楽しんで走る。それがこの大会のいちばんの主旨
赤ワインで有名なフランス・ボルドーのメドック地方では、ワインを楽しみながら走る、有名な「メドックマラソン」というマラソン大会が開催されています。
酒とグルメと走りを愛するランナーたちが、世界中からやってくる有名なイベント、というかフェスティバル。

「東北風土マラソン」は、メドックマラソンの企画協力を得て始められたもの。
東北地方の食材と日本酒を世界中に向けて発信する「グローバル・ファンラン」を目指しています。

芝生の公園は寝ころんでもよし、・・・踊ってもよし!
この日、補給食として用意されていたのは・・・
ミニトマト、きゅうり、蒸しホヤ、笹かまぼこ、ふかひれスープ、わかめの味噌汁、野菜ムース、、あんかけあぶら麩丼、ほたて、あらびきソーセージ、お漬物、わかめ餃子、マドレーヌ、りんご、いちご、シャキシャキめかぶ、冷そば、山ぶどうゼリー、登米産牛サイコロステーキ・・・など26品。
そして補給水は「一ノ蔵」「澤の泉」「真鶴」「綿屋」など宮城の名醸蔵の仕込み水。

「おみず、どーぞぉ!」
さらに、メイン会場の長沼フートピア公園では、ご当地グルメを提供する48店がお店を出して、来場者の投票でおいしさと人気を競う「登米フードフェスティバル」も行われ、そしてステージイベントやコンサートも盛りだくさん。
ランナーばかりでなく、多くの人たちが来場し、チューリップや八重桜、そして春の風と光とおいしい味覚を楽しんでいました。

丘の上には満開のチューリップ
「サンプラザ中野くん」が会場を盛り上げてくれました。
歌はもちろん「Runner」!





つい駆け出したくなる陽気でした

八重桜の花色に包まれて走ります
















  










会場で、この大会の運営に携わる、お二人の方にお話しを伺いました。
スタッフとして沖縄県から参加された山崎麻子さん。
そして、記録担当として兵庫県からやってきた佐野雄希さん。

実は、お二人は、昨年まで南三陸町にいらっしゃいました。
山崎さんは「社会貢献共同体 ユナイテッドアース」のメンバーとして、南三陸町で被災者支援などに活躍してきた方です。
佐野さんは、同じくユナイテッドアースの南三陸での活動を記録するプロのカメラマンとして、長く南三陸町に関わって来ました。

なお、ユナイテッドアースは、東北風土マラソンを主催する「実行委員会」の中心的団体でもあります。
サイボーグ009も応援
南三陸町から出店の「金比羅丸」さん。
過去記事はこちらから
「やっぱり海はおもしろい! 若き漁師シリーズPart2」
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/06/part2.html


鳴子温泉のイメージキャラクター
「なる子ちゃん」

「むすび丸」もがんばってました



山崎さんは岡山県のご出身ですが「あこがれの土地だった」沖縄に移住。そして2011年、東日本大震災の報道に接し、ボランティア活動を開始します。

「初めは石巻に行きました。でも、東日本大震災の復興には時間がかかるだろうなと思い、長期的なボランティア活動ができる団体を探していたとき、ユナイテッドアースを知りました。ユナイテッドアースは南三陸町での活動を続けていたので、私も南三陸での活動を始めました」

昨年、いったん沖縄に帰ったのですが、今も沖縄と宮城を往き来するスタイルは続いています。

「ダブルワーク、ダブルライフというライフスタイルがあって、今、そういう生き方を選ぶ人が多いそうです。私は沖縄も宮城も大好き。どちらも私の〝ふるさと〟にしたいと思っています」

左から南三陸町の人気者・藤島親方、
「東北風土マラソン&フェスティバル」の実行委員長で社団法人登米市観光物産協会会長の阿部 泰彦さん、
山崎麻子さん、事務局の瓦田知恵子さん(写真提供:山崎さん)
佐野さんも、昨年、南三陸を離れ、現在は関西のCATV局でニュース番組のディレクターとして街をかけまわる日々です。
「でも、基本的にやっていることは南三陸時代と同じです。地域コミュニティーをテーマにした番組などを手がけています」

お仕事中の佐野さん
佐野さんは、この「東北風土マラソン」が開催されるキッカケとなった「ある人のつぶやき」を聞いていたそうです。

「南三陸町での一日のボランティア活動が終わると、ユナイテッドアースの寮の8畳間では、よく飲み会も開かれて、皆、好き勝手なことを言い合っていたのですが・・・。
ある人が『東北でマラソン大会とかできるようになったらいいよねー』って、つぶやいたというか、ボヤいたというか(笑)」

左から南三陸町の飲食店「松野や」さんの女将・松野三枝子さん、
寮で「マラソン大会やりたいね~」とぼやいていたあべりんさん
そして山崎さん(写真提供:山崎さん)
南三陸町が、まだまだガレキに埋もれていたころのことです。

「ところが、そんなボヤキかつぶやきか分からないひと言が本当に動き出した(笑)。そして、こんなに多くの人が参加するビッグイベントとして実現されたってことがスゴイです。
夢は言ったもの勝ちですね。これは、ひょっとしたら新しい文化の始まりなのかもしれない。このイベントが、東北の新しい文化として大きくなっていけたらいいし、その始まりの瞬間に立ち会えたというのは喜びですし、幸せですね」

もちろん山崎さんも、その始まりに立ち会ったお一人です。
「構想3年。イベント経験者もいない中から動き出し、また地元の人たちも経験のないところから始めて、今では県外からもたくさんの応援が寄せられるイベントになりました。どうかこのイベントを地元の人たちの誇りにしてほしいです。
そして、より多くの人たちが関わって、参加して、ずっと続いていって、もっともっと大きな大会になってほしい」

山崎麻子さん(中央)と佐野雄希さん(手前)。そしてスタッフの皆さん。
「宮城を私の〝ふるさと〟にするために、これからもずっと通い続けます!」(山崎さん)
「東北風土マラソン」は、いつの日か、登米市と南三陸町を結ぶコースに延ばそう・・・という構想もあるのだとか。

登米市と南三陸町と、両方から選手がスタートし、沿道には東北中のグルメと日本酒がずらりと並ぶ。
そして酒とグルメと走りを愛する世界中のランナーや観光客が、花と新緑の北宮城の道を、笑顔と元気で埋めつくす――。

そんな大会になってほしい。なっていくはず。

夢は、言ったもの勝ち、です。

(取材日 平成27年4月26日)