header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年5月4日月曜日

2015年5月4日月曜日7:58
こんにちはエムです。

今年(平成27年)3月28日。石巻市雄勝町大浜地区に鎮座する葉山神社で、御社殿・上棟記念奉祝祭 が行われました。

上棟祭とは一般の住宅でも行われている “棟上げ” または “建前” と呼ばれている儀式のことですが、神社の新築事業をこの目で見られるのは珍しいばかりか、そのようなめでたいお祝いに立ち会える機会は一生の中でもめったにありません。

新しい葉山神社御社殿に使われている木材は青森ヒバ。
100年以上建物が持ちこたえるためには樹齢200〜300年
直径70〜80センチメートルの大木が必要なのだそうです

仙台市の総鎮守、国宝・大崎八幡宮が行っている「東日本大震災復興支援・沿岸部神社復旧復興支援活動」についてココロプレスで何度かお伝えしていましたが、葉山神社の再建事業は、その第一号となるものです。

大崎八幡宮ではこの再建にあたり、八幡宮技師である波岡平八氏(有限会社波岡建築設計室)指導のもと、地元建設業者や八幡宮職方会による「移転用地の造成工事」「第一次外構工事」「社務所建設工事」「御社殿建設工事」など、小野目博昭宮司の人脈を生かし、約2年にわたって全面的な協力をしてきました。
中でも特筆すべきは建築木材の提供です。
小野目宮司自らが現地で入札した青森ヒバの原木を、八幡宮所有の製材所で製材したものが使われているのです。

関連記事
====================
平成26年2月20日 木曜日
神社は地域の「絆」~被災神社復旧復興支援活動〜(仙台市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/02/blog-post_2348.html
====================
平成26年5月7日 水曜日
大崎八幡宮〜復興支援・視察旅行[行程編](仙台市、石巻市、女川町)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/05/blog-post_8376.html
===================


葉山神社は東日本大震災の大津波により御社殿が全壊、社務所の流出など、壊滅的な被害を受けました。
大崎八幡宮では、神社の再建を望む葉山神社宮司の千葉秀司氏や神社関係者、地域の皆さんの声を受け、当時伝統民族芸能の保護に力を注いでいた日本財団に支援を依頼。
平成25年4月に日本財団の再建支援が決定されました。

そして平成25年6月19日の起工式の後、元の位置より10メートル高いに境内地を設けるため、隣接の山の造成工事が始まりました。
平成26年12月には社務所の大部分の工事が終了。今年2月からは本格的に御社殿の建築が始まり、この「上棟記念奉祝祭」を迎えるに至ったのです。

ツアーの参加者に被災地のガイドをする大崎八幡宮宮司の小野目博昭氏

大崎八幡宮では上棟記念祭参拝のツアーを企画し、仙台市から約50名が参加しました。

晴天に恵まれた青空の下、葉山神社の境内には遠くの仮設住宅などで暮らす地元の皆さんや、仙台市や他県からの参加者など、約300人が集まりにぎわいました。

目の前の雄勝湾で養殖した新鮮なホタテ貝を焼いたものや焼きそば
豚汁やミニたいやきなどのお店の出店でにぎわう会場
地元で漁師をしている方や、食堂を経営している方の出店もありました。
現在大浜地区でもホタテ・ワカメ・シャケなどの養殖を再開しており、漁獲量は震災前と同じくらいに戻ったとのこと。雄勝町立浜地区にある仮設住宅や、町外の仮設住宅から通って漁をしているそうです。

また、雄勝町名産の「雄勝石」に願いを刻み奉納するテントも設けられていました。

「おがつこいし」に願いを刻む参加者
雄勝町の復興を祈る言葉が多く刻まれていました
葉山神社の御社紋の入った石の裏に、葉山神社と雄勝町の復興に対する思いや願いを刻み奉納するのですが、全て神社の敷石となるのだそうです。



午後1時過ぎ、まずは国指定重要無形文化財「雄勝法印神楽」が奉納され、たくさんの人が見守る中、「上棟祭神事」が粛々と進行しました。

葉山神社宮司、氏子、同じ支部で他の神社の宮司
来賓の皆さんによる神事が執り行われました
「降神」「修祓」「祝詞奏上」「玉串奉納」などの神事が行われました

神事の合間合間には御社殿の隣に設けられた舞台で、雄勝法印神楽が奉納されました。
演目は予定より1つ多い、「道祖」「五矢」「魔王退治」「日本武尊」。

小野目宮司がこだわる「神様の前でやるからこその神楽」。 “魂が込もった本物の神楽” が目の前で行われていました。

関連記事
====================
平成26年5月22日 木曜日
桜の舞台で舞を奉納(石巻市雄勝町)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/05/blog-post_422.html
====================

そして終盤にはみんなで参加する儀式、「曵綱の儀」が行われました。
2本の綱で棟木を引き上げる儀式。「エイ、エイ、エイ」と
声を掛けて引っ張ること3回繰り返します
「ありがとうございます。無事に棟木が上がったようです」

続く「槌打ちの儀」では、棟木を棟に打ち固めるような木を鳴らす心地良い音が境内中に響きました。
「無事に棟木が打ち固められたもようです」

そして終わりには参列者の皆さんが心待ちにしていた儀式、「撒餅・散銭の儀」が行われました。
関係者により、紅白のお餅や紙に包まれたお金などがまかれました
餅、銭を散じ禍を払う儀式。一般住宅でも行われますが
仙台市では最近はあまり見かけない気がします

葉山神社の若き宮司、千葉秀司氏と息子さん
葉山神社の千葉宮司にお話をお聞きしました。

「東日本大震災では社殿も、祭りの道具も流出してしまいました。
当初は祭りが再開できるのがこんなに早く訪れるとは思わなかったし、ましてや社殿の再建がこんなに早くかなうと思っていませんでした。それがまず何よりうれしいことです。

それらがかなうことによって、お祭りや再建事業では本当にたくさんの方が集ってくださるので、それがありがたいです」

= = = = = = = = = = = = = = = = =

「願いを書いて奉納された『おがつこいし』を本殿の周りに敷き詰めます」

雄勝硯生産販売協同組合製造管理部長の髙橋頼雄さんの説明によると、雄勝石は上棟記念として500個用意したそうですが、この石自体、震災で被害を受けた家屋で使っていたものなのだそうです。
「もったいないので譲り受け、こうして使っています。他にも硯などの製品に加工しています」

髙橋頼雄さん

また、漁業を再開した皆さんからもメッセージをいただきました。

大浜地区の再生支援に感謝いたします! 大浜地区一同

雄勝法印神楽の演目「五矢」では、舞いながら5本の矢が放たれます。その1本を手にしたのは大崎八幡宮のバスツアーに一緒に参加した方でした。
お話をお聞きすると地元雄勝町の方でした。しかも、かつて法印神楽のお面を作っていた方だったのです。

「現在は仙台市内の仮設住宅に住んでいます。
葉山神社の上棟祭があることを知って参加し、見に来ました」


朝8時半に出発した「上棟記念祭参拝」のツアーバスが大崎八幡宮に到着したのは夜の7時。
雄勝町は仙台からは少し遠い場所ですが、参加した皆さんは疲れも見せず、むしろ清々しい笑顔で帰っていきました。
参加した皆さん(有志)

大崎八幡宮職員の皆さん。
前列の3人はこの4月から巫女として勤めています

小野目宮司が言いました。
「雄勝町では6割以上の方々が地元を離れざるを得ない状況があります。
町民の皆さんの『ふるさとかえり』の一助になるのは『神楽の伝承』や『地域の伝統文化の継承』です。そのためには、その中心となるべき葉山神社の再建はぜひとも完遂させなけばとの強い思いから支援・協力を実施してきました。

葉山神社の御社殿は本年秋の竣工に向けて工事が進められていきますが、来年のお正月には青森ヒバの香りも清々しい、真新しい御社殿に多くの方々が初詣されることを祈っております」

☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆ーーー☆

大崎八幡宮が行っている「沿岸部神社 復旧復興支援活動」では引き続き「被災神社再建支援金」を募集しています。
沿岸部被災神社の再建のため、皆様の温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

「被災神社再建支援金」は郵便振込または直接「大崎八幡宮」までお願いいたします。

〈郵便振込〉
加入者名 大崎八幡宮(震災支援金)
口座記号 02250-0
口座番号 49188


大崎八幡宮
〒980-0871 宮城県仙台市青葉区八幡4丁目6-1
電話 022-234-3606
FAX 022-273-1788
http://www.oosaki-hachiman.or.jp/index.html

葉山神社
〒986-1302 宮城県石巻市雄勝町大浜字大浜6-2
電話 0225-58-3355
FAX 0225-25-7359
mail ishimine926@blue.ocn.ne.jp
http://isono-hayama.blogspot.jp/

(取材日 平成27年3月28日)