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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年5月26日火曜日

2015年5月26日火曜日8:00
石野葉穂香です。

暑い日が続く季節になりました。今年は好天も多く、青空の下でスポーツを楽しんだ方も、きっと多いと思います。

散歩、ウォーキング、ランニング・・・。
例えば、朝夕の犬の散歩でも、ちょっと遠回りしてみようか・・・そんな気持ちにさせられる、青葉繁れる宮城の初夏です。

今回は「走る役場職員さんたち」のお話です。
各地のマラソン大会に出場し、町の元気と、町にいただいた応援への感謝を伝えたい――
そんな思いから結成された、山元町役場の「やまもとランニングクルー」の皆さんの活動をご紹介します。

3月1日、山元町役場に敷地内にある「りんごFM」の前で撮影。
りんごの輪郭が「やまもとRC」の文字を囲んだおしりのロゴにご注目ください
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山裾の緩やかな傾斜が、海に向かってゆったりと広がる山元町。
青色の海明かりと山の緑風が溶け合う、自然の光が美しい町です。

東日本大震災に伴って発生した大津波は町の平野部に侵入し、田んぼや畑、また、東北一の産地であるイチゴの、栽培農家に大きなダメージを与えてしまいました。

でも、日本中、世界中から駆けつけてくれたボランティアの力、そしてイチゴの種苗を無償で提供してくれたライバル県の農家の皆さんからの支援や応援が、山元町の農家を励まし、奮い立たせ、いち早く再生産をスタートさせたのでした。

(過去記事)
2013年1月21日 月曜日
「イチゴの町、YAMAMOTOへ」
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/01/yamamoto.html

また、宮城県下で最も早く災害公営住宅が完成し、入居が始まったのも山元町です。

2013年10月23日 水曜日
「災害復興住宅第一号。ここから始まる新しい〝まちづくり〟」
http://kokoropress.blogspot.jp/2013/10/blog-post_23.html



さらに昨年末には、常磐自動車道の山元IC~相馬IC間も開通しました。
常磐自動車道は、今年3月に浪江IC~常磐富岡ICが開通したことで、ついに全線開通。
山元町は、いよいよ復興の歩みを加速させています。

2014年11月30日「常磐道開通記念ジョギング」にて。
「山元未来橋」を全員で駆けて行きました
「やまもとランニングクルー(以下RC)」が、現在のチーム名となったのは、2013年12月、群馬県中之条町のマラソン大会に出場したとき。

でも、チームとしての始動は、さらに1年前に遡ります。

東日本大震災が発生した2011年の春。
チームのリーダーを務める保健福祉課の伊藤和重さんと仲間の皆さんは、同年4月に行われるはずだった柴田町の「柴田さくらマラソン」に参加する予定でした。しかし、3月11日、東日本大震災が発生。正直、マラソンどころではなくなってしまいました。

震災から1年半が過ぎた2012年10月、伊藤さんと同じ保健福祉課の佐藤睦美さんは、伊藤さん、そして課内の走ることが好きそうな職員、兵庫県香美町から派遣されていた職員の方を「松島ハーフマラソンに出ましょうよ」と誘います。

これが、RC結成のキッカケとなったのでした。

チームリーダーの伊藤和重さん
スカウト係(?)の佐藤睦美さん














その後も、佐藤さんは、毎年、全国から派遣職員として応援に来た方に「一緒に走りましょう」と声を掛けます。

「マラソン大会に出場することで、『山元町は元気です』と伝えたかった。いわば〝走って伝えるありがとう〟です。町の元気を全国の皆さんに見ていただきたく、走ることが大好きなメンバーが集まりました」と伊藤さんと佐藤さんがお話しくださいました。

2012年10月21日、「松島ハーフマラソン」に参加。
このときは、まだユニフォームは作っていませんでした
松島ハーフマラソンを走ったあと、12月には「福島相馬野馬追いマラソン」に参加。
そして2013年5月には、7人のメンバーで「仙台ハーフマラソン」に出場し、さらに山形県寒河江市の「さくらんぼマラソン」、福島県の「東和ロードレース」「伊達ももの里マラソン」「わたり復興マラソン」など、いくつもの大会に参加してきました。

そして、2013年12月、チームは、震災直後に町を支援してくれた群馬県中之条町の「「中之条まちなか5時間リレーマラソン」に招待されます。
このとき、改めてチーム名を「やまもとランニングクルー」と名付け、ピンク色のTシャツをユニフォームとして揃えたのでした。

ユニフォームのお披露目ともなった2013年12月の「中之条まちなか5時間リレーマラソン」
佐藤さんの〝スカウト〟もあって、他県からやってきた派遣職員の方も、毎年参加を続けています。

これまで一緒に走ったのは、ご覧の通り。

兵庫県:香美町、神河町、市川町、猪名川町、上郡町、福崎町
愛媛県:八幡浜市、松前町
香川県:高松市
愛知県:半田市、岡崎市
三重県:津市
神奈川県:横浜市、鎌倉市
千葉県:長南町、睦沢町、一宮町、東金市、長柄町
埼玉県:松伏町
宮城県庁、柴田町、村田町・・・。

9県8市14町の職員の皆さんです。

中には、任期を終えて地元の市町へ帰ったとき、代わって山元町に派遣される後任の職員に「山元町に行ったらRCに入るように」と〝申し送り〟をする方もいらっしゃったとか。

福島県二本松市の「東和ロードレース大会」(2014年7月)
「派遣の方は、日ごろから走っていた、という方がなぜか多くて(笑)。地元へ帰ってからも、RCのTシャツを着て地元大会に出てくださったりしています。
山元町役場の皆と一緒に行った仕事も忘れないよ、交流はずっと続いている、絆は結ばれている――。Tシャツにはそんな願いも込められています」(伊藤さん)

2014年11月30日の「常磐道開通記念ジョギング」で。
実際、高松市から派遣されている増野さんという職員の方が、「RC」のTシャツを着て北海道の大会に出場したとき、他の参加者から「山元町の方ですか? 頑張りましょうね」と声を掛けられ、ずっと一緒に走ったということもあったとか。

「目標は、メンバー全員でフルマラソンを完走することです。
そして、山元町に派遣で来てくださった職員の方の、それぞれの地元の大会に出場したい、という願いもあります」(伊藤さん)

「おかげさまで山元町は元気になりました、ありがとうございました・・・って、全国の人たちに伝えていきたいです。そして、近い将来、復興を成し遂げた町を、皆に走ってもらえたらと願っています」(佐藤さん)

これからも、〝ありがとう〟の笑顔を連れて走ります!

今年5月10日に開催された 第25回仙台国際ハーフマラソン大会にて
「やまもとRC」の今シーズンの始動となる大会でした。
3月末に派遣期間が終了し、それぞれの地元へ帰った派遣職員の方も
「5月にはまた宮城で会おう!」の約束の言葉通り、この大会に合わせて宮城へ帰って来ました。

「この機会にハーフマラソンにチャレンジする人、記録を狙う人など目標はさまざまですがゴールは一緒です。
打ち上げでは「また来年も」と声を掛け合いました。
震災では辛い思いもしましたが、震災がなければできなかった仲間です」(伊藤さん)

ありがとうの心と絆を繋ぎながら、「やまもとRC」のメンバーは、今年も各地の道を駆けていきます。
ピンク色のTシャツのランナーを見掛けた方は、ぜひ大きな声援をお願いいたします。
あるいは、同じランナーとして出場されたときは、ぜひ一緒に走ってください。
そして、一緒にゴールイン!

「一人じゃないよ。一緒に走ろう」
「目指すゴールは同じだよ」

Keep running toward the future of our hometown YAMAMOTO.

山元町の職員も、派遣職員も、町の人たちも、思いは一つです。

(取材日 平成27年3月1日)