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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年5月1日金曜日

2015年5月1日金曜日6:30
石野葉穂香です

3月25日、南三陸町志津川保呂毛地区にある旧志津川浄化センターの敷地内で、アミタグループ(本社・京都)が構想を進める「南三陸BIO(ビオ)」の建設工事安全祈願祭が行われました。

「南三陸BIO」は、南三陸町が進める「南三陸町バイオマス産業都市構想」の基幹施設です。

祈願祭は午前10時から、アミタ南三陸オフィスの皆さんと工事関係者が参列して始まりました。

建設工事が安全に進められるよう、土地の神様に祈ります
ご神職が土地の神様をお呼びして(降神)、土地に建物を建てることを神様にお伝えして工事の安全を祈り(祝詞奏上)、土地の四隅をお祓いして清め(四方祓)、鍬入れなどを行って(地鎮)、玉串を捧げ、神様を天へお送りし(昇神)、最後は御神酒をいただきました(神酒拝戴)。

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南三陸町の復興計画には「自然と共生するまちづくり エコタウンへの挑戦」が盛り込まれています。
「南三陸BIO」は、その一翼を担う施設。
町内の住宅や店舗などからでる「生ごみ」や「し尿」「浄化槽汚泥」などの有機系廃棄物を加熱・発酵処理して、メタンガスと液肥に分離する施設です。

ガスは発電や熱供給に再利用。
液肥は町内の農家に販売。

2015年秋に施設が完成し、稼働が開始されたなら、電気約22万kwh(年間)、液肥4500トン(同)が生み出される予定とのこと。

1世帯あたりの年間消費電力は3600kwhといわれていますので、22万kwhは約60世帯の1年分の消費電力に相当します。

生ゴミから発生したメタンガスの燃焼試験
また、液肥は、米づくりの場合、代かき前の田んぼ10アールあたり4~6トンを散布するとして、4500トンなら75ヘクタール以上に使えます。
1ヘクタールのお米の収穫量は、だいたい70~80俵(1俵=60㎏ 4200~4800㎏)ですので、6000俵(360トン)相当のお米づくりに資することになります。

もちろん、家庭菜園や町内会の花壇づくりなどの場面でも、良質な肥料となり、そして、畑や田んぼの新しい作物は再び生ゴミやし尿になって、また液肥に生まれ変わって・・・と、資源とエネルギーと産物が地域をぐるぐると回ります。

左からスタッフの日比谷愛子さん、リーダーの櫛田豊久さん、
京都から出張中のリーダの角新さん、スタッフの高橋あつみさん。
アミタグループは、南三陸町公式ブログ「南三陸なう」の取材と執筆もご担当されています。
「南三陸なう」 → http://minamisanriku-now.blogspot.jp/
アミタグループが南三陸町にオフィスを構えたのは、東日本大震災から1年目となる2012年3月11日。

社員の皆さんは、その11カ月前の2011年4月から南三陸町でのボランティア活動などを続けていました。

「そのときは、何かできることがあれば、まちの復興に少しでも力になれたらと考えました。募金活動を行ったり、ボランティアに来たり。9月までに全社員の4分の1が現地で何らかの作業を行ってきました」
と話すのはアミタ株式会社南三陸プロジェクトのタスクリーダー櫛田豊久さんです。

その出会いやご縁を大切にして、もっと南三陸の役に立ちたい・・・。
そして、町の復興計画の大きな柱である「エコタウンへの挑戦」へアミタは共感します。


ボランティアの様子
この出会いが事業展開へと続いていきます
2012年には環境省の「復興資源循環プラン」の策定・実証が行われました。
ごみの分別、異物混入除去作業、バイオマスデモプラントの設置、メタンガスの燃焼試験液肥の還元・・・などが実証されて行きました。

そして、2014年3月、南三陸町が「バイオマス産業都市構想」に選定されたことで、事業は本格的に動き始めたのでした。

環境省復興資源循環プランの策定と実証。
バイオガスデモプラントの稼働の様子です


また、アミタは「FSC® (Forest Stewardship Council® /森林管理協議会)」の森林認証審査サービスを提供する会社でもあります。

「FSC」というのは、森林の適切な管理方法と、その森林で育てられた木材製品の加工や流通プロセスを認証する国際機関。

地域の環境や社会に配慮された森林の管理や伐採が行なわれているかどうかを審査する「森林認証」を行っています。

南三陸町内の林業者グループは、この「森林認証制度」の取得により、木工産業の創出、職人の育成と雇用、流通などの基盤をつくり、「南三陸杉」のブランド力の向上と、ものづくり文化の再生を林業から目指します。

さらに南三陸町は、水産物の養殖業における国際認証である「ASC」の取得も検討中。

「FSC」認証が得られれば宮城県で初めて。
そして1つの町で「FSC」と「ASC」の2つの認証取得が実現すれば、これは日本初、ひょっとすると世界でも初めてとなります。


液肥を使った田んぼで水稲の栽培実験
「南三陸町のバイオマス産業都市構想が目指すのは『森・里・海・街の豊かさが循環するまち』。
バイオガス施設とともに木質ペレット事業も5年以内の具体化を検討中です。
林地や製材工場の残材、廃棄される菌床などからペレットを作り、公共施設などのボイラーで使ったり、家庭用ペレットストーブの普及を図っていきたい」(櫛田さん)




木質バイオマスエネルギーの実証調査業務。ペレットストーブの普及に務めています。
一昨年末の時点で約65台のペレットストーブが、町内で温かな炎を上げています
電気やガスが止まり、灯油が不足した東日本大震災。その教訓もあり、南三陸町は、復興計画の中にエコタウンへの挑戦を加えたのでした。

そこには災害に強いまちをつくるという未来像もあります。

ゴミも減らせる、雇用も生まれる、そして森と里と海と街の資源ポテンシャルを活かした産業の振興による「町まるごとブランド化」――

「地域に暮らす人たちが『南三陸町ってすごいでしょう』と誇れるまちをつくっていきたいです。社会の課題を事業で解決したい。それが私たちの会社の、南三陸町での仕事であり、『使命』と考えます」(櫛田さん)

南三陸町バイオマス産業都市構想の概念図。
森と里と海と街の豊かな資源が地域を循環します


バイオガス施設の完成により、まずは里と街が繋がれることになります(上図ピンクのライン)。
「豊かさが循環するまち」づくりが、いよいよ本格スタートです。

(取材日 平成27年3月25日)