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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年4月6日月曜日

2015年4月6日月曜日10:31
こんにちはエムです。

東日本大震災で失われた広大な海岸林を再生・復旧させるため、地元農家25名が中心になって平成24年に立ち上げた「名取市海岸林再生の会」と、その活動を全面的にサポートするため公益財団法人オイスカが立ち上げた「海岸林再生プロジェクト10カ年計画」(またの名を「クロマツお助け隊」)が名取市で発足し、活動しています。


クロマツが植林可能な苗になるためには、まず種をまき、育て、最低2年を要します。
平成24年に初めてまいた種から育った苗を、やっと昨年(平成26年)から植栽地に植え始めたばかりです。

植林2年目の今年も、4月末〜5月末までの限定された期間内に行われる予定ですが、それに先駆け、去る3月15日(日)「第6回名取市海岸林再生の現場を歩こうツアー」がありました。
これは「第3回国連防災世界会議」開催に合わせたイベントでしたが、定員120名を上回る約150名の参加があり、海岸防災林や被災地への関心の高さが伺われました。

前回の記事。
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平成27年2月6日 金曜日
もうすぐ4年目~海岸林再生プロジェクト(名取市、東京都)
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/02/4.html
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「第一育苗場」は種をまき、苗が育つ場所。いわばクロマツの保育園です。
仙台駅出発の大型バス1台、地元名取市からは2台の大型バスが用意され
合計約150名の参加がありました

東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた防災林ですが、50センチメートルだけでも高い場所に育った防災林は残っていました。
調べてみると、この辺りは地下水位が高ためにクロマツが地中深くまで根を伸ばせず、津波で倒されたクロマツの根はお皿状をしていたことが分かりました。
その教訓を元に、津波に負けない根の張りがしっかりした木を再生するため、まず林野庁仙台森林管理局によって地下水位から3メートル以上に計算された盛り土工事が行われています。


仙台森林管理局が担当するのは、仙台湾を中心に、北は七ヶ浜町から南は山元町の福島県との境までの約40キロメートル。国有地・民有地(県有地・市町有地などの民有林)合わせて総面積1,100ヘクタールの大事業です。

現在盛り土工事に着手しているのはそのうちの約22キロメートル。
盛り土の完成は平成27年度を目指していますが、工事を進められない場所などもあり、多少遅れてしまうのは仕方ないようです。

生後10カ月のクロマツ。苗木作りには最低2年かかりますが
規格に足りない場合はさらにもう1年育てる場合もあります

クロマツより成長が遅いアカマツ。しかしマツクイムシに対する「抵抗性」は
アカマツの方が倍もあるのだとか

盛り土工事が完了した植栽地に、昨年「海岸林再生プロジェクト」が植えた苗は16ヘクタールの面積に約8万本。内、この育苗場の苗は5万本。他3万本は種苗組合から買い上げました。

今年は全部この育苗場で育った苗だけを、10ヘクタールに5万本を植える予定だそうです。

今回のツアーで私たち参加者が歩いたのは、昨年植えられたマツの苗木が育っている植栽地、約1.6キロメートルです。想像以上に山あり谷ありの現場を45分ほどかけて歩きました。

ガイドをする吉田さん。吉田さんの前にある柵は砂除け。
背景に延々続く柵は風除けの柵
仙台駅からの参加者には、オイスカの吉田俊通さんがガイドを担当してくれました。

「今までボランティアに来てくれたのは、全国から年間1,500人です。
いろいろある作業の中でも植林はほんの一瞬の作業です。

植えた後は、全ての苗木に肥料を施す作業や、水はけを良くするための溝切り、どんどん育つ雑草の草刈などですが、施肥の作業は例えると1日600回のスクワットするような過酷さ。1日8時間労働で数カ月、そんな仕事が続きます。

でもほんの1日でもボランティアに参加することで、仕事を通して労働者の人の気持ちや苦労のこと、海岸林再生への気力を含めてできるだけ多くの人に知ってほしい。大変さを分かってもらいたいという気持ちで毎回受け入れをやっています。
……と、毎回そんな話をしています。それを分かってくれるので、リピーター率は4割、女性参加率も4割です。」

昨年植えたマツを踏まないように注意して歩きます

「マツはどうしても枯れてしまうものもあります。それを見越して通常より10センチ間隔を狭め、少しだけ多目に植えています。
土壌は水はけが悪く、マツにとっては月面に植えているような過酷な環境ですが、がんばって98%が根付いています。
昨年は乾風・寒風として恐れている『蔵王おろし』も弱く、長雨による根腐れにも見舞われず、天候に恵まれました」

育っているのはみんな3歳になったマツですが、大きく育っているもの、まだまだ小さいもの、黄色く変色したものや青々としているものなど、1つとして同じものはありませんでした。


溝を飛び越える参加者
結構高い場所もありました
まるで山登り
もう少しでゴールです

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参加者の方にお話をお聞きしました。

「宮城県大崎市から来ました。
新聞に『海岸林を歩こうツアー』があったので、行ってみようかなと思って申し込みました。
被災地へ来たのは初めてです。
話だけ聞いているのではなく、現地に行ってみないと……とは考えていたのですが、1人で来るのは大変なので、連れてってくれるなら行ってみようかと思いました。」

「仙台市から来ました。
新聞を見て申し込みましたが、今被災地がどうなっているのかとずっと考えていました。
このツアーは要所要所が見られるし、説明もしてくれるので参加しました」

「仙台市若林区から来ました。
ラジオでこのツアーを知り、すぐに申し込みました。
友人と閖上までは来たことがありましたが、防災林を植えている場所はまだ見たことがなかったので、ぜひ見てみたいと思って参加しました」

名取市からの参加者の皆さん

このツアーで一番遠くから参加したのは、京都から夜行バスで来てくれた20歳の若者2人です。
感想をお聞きすると、はきはきと答えてくれました。

「震災から4年がたちましたが、震災の爪跡がまだそのまま残っているところもあるし、まだまだ支援が必要と思いました。
この植栽地が壮大な場所でビックリしました。」

「今度はボランティアとして来てみたいです。ここでまた植栽という形で携われたら良いと思います。
そして何年か後に、この木が大きくなった姿を見てみたいと思いました」
被災地の力に!!
そんな決心を込めたメッセージをくれた中筋昴さん(右)と福井洸希さん


遥か彼方まで続く堤防と、盛り土され防風柵が設置された植栽地。
ここは昔から人の手だけで防風林が作られてきた場所です。
ただ歩くだけでも時間がかかり、筋肉痛になってしまうような耕地を開いた人がいて、1本1本、マツを植えた人がいる。
その大変さに思いを馳せたツアーでした。

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「海岸林再生プロジェクト」では今年もボランティアに参加する人を募集します。

■ ボランティアの日/4月〜11月までの第3土曜日 (8月は第5土曜日)
■ 時間/9:00〜17:00

詳しい日時や持ち物など、その他詳細はホームページを確認のうえ、申し込みフォームよりお申し込みください。

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「海岸林再生プロジェクト10カ年計画」は、全て寄付金によって成り立っています。
この活動にご理解とご賛同した皆さまのご支援をお願い致します。

〈ご寄附の振込先〉
【郵便振替】
00100-6-482316
海岸林再生募金

【銀行振込】
三菱東京UFJ銀行 永福町支店(支店番号:347)
公益財団法人オイスカ

東日本大震災復興 海岸林再生プロジェクト〜クロマツお助け隊〜
http://www.oisca.org/kaiganrin/
活動ブログ
http://www.oisca.org/kaiganrin/blog/

◆ 各種お申し込み・お問い合わせ
公益財団法人オイスカ 海岸林再生プロジェクト 担当/吉田俊通・林久美子
〒168-0063 東京都杉並区和泉2-17-5
TEL:03-3332-5161 FAX:03-3324-7111
E-mail:kaiganrin@oisca.org
http://www.oisca.org/

(取材日 平成27年3月15日)