header

宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

ヘッダー写真説明文

写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年4月26日日曜日

2015年4月26日日曜日8:29
こんにちは、にゃんこです。

震災や震災以外で大切な人を亡くした子どもたちのグリーフサポートを行っている、仙台青葉(せいよう)学院短期大学看護学科講師の佐藤利憲先生。




佐藤先生が主催したワークショップ「震災を体験した子どもこころのサポート」の模様を、前編に続きお伝えします。

================
2015年4月14日 火曜日
震災がもたらした大きな喪失。「震災を体験した子どものこころのサポート」(前編)(仙台市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/04/blog-post_89.html
================

前編では、震災を体験(喪失体験)した子どもたちは今どんな心理状況にあるのかをお伝えしました。
では、その子どもたちに対し周りはどうサポートしていけばいいのでしょうか。

----------------------------------------
佐藤先生が理事を務める「NPO法人子どもグリーフサポートステーション」では、親を亡くした子どもを対象とした支援プログラムを月2回開催しています。

「ファシリテーターがマンツーマンで子どもと遊んだり話をしたりしています。このプログラムの中では、子どもたちに対して私たちから『悲しいことはない?困ったことはない?』と語りかけたり、『絵を書こう。歌を歌おう』と誘ったりすることはまずありません。大事なのは“子どもの主導権を奪わないこと”
遊びを通じてファシリテーターとの信頼関係が結ばれてくれば、いつかは子どもたちからさまざまな気持ちを話してくれるようになります。このときに子どもたちの声と心に耳を傾けることを大切にしています。そして同じ境遇の子どもたち同士で話ができる環境を作るというのも目的の一つです」と佐藤先生。




喪失体験(死別)をした子どもにとっては、「何人家族?」、「授業参観誰がくるの?」、「なんでお父さんがいないの?」といった普段の何気ない友達との会話でさえもつらく感じることがあると言います。



求められる前にアドバイスをするのではなく、そばで見守りながら感情を吐き出す機会を作ること。そして子どもたち自身が対処法を選ぶまで待つことが大切だということを教えられました。

----------------------------------------
では家庭、学校、地域ではどのように支えていくべきなのか(日常の支援とは)。



大切なポイントは
①一人ひとりが持つ気持ちを丁寧に扱い、強さを信じ、弱さを受け止めること
②個人の価値観や基準を押し付けないこと
(求められない限りアドバイスをしない、評価・解釈をしない)
③一人ひとりの声に耳を澄まし、寄り添うこと
④子どもの気持ちや感情に誠実に向き合う他者であること


自分自身も同じような喪失体験があるからと言って、自分への想いが強くなったり、焦点を当て過ぎたりすることも気を付けなければいけないと佐藤先生は話します。

「亡くなったママに会いたいと泣いている子どもに対して、自分の喪失体験を思い出しながら『つらかったね、大変な思いをしたね』と声を掛ける。でもその感情や言動は支援者自身への言葉でしかありません。これによって子どもが感情を吐き出せなくなってしまうこともあります。
大切なのは自分自身がどういった喪失体験をしたのかをしっかり振り返ること。自分の心に丁寧に触れることによって子どもたちのありのままを受け入れられるのではないかと考えています。自分の感情と分けることによって初めて子どもに誠実に向き合える他者になれると思います。子どもたちに寄り添うためには、まず自分自身を自覚するという自覚のスキルが必要です」


-------------------------------------------
また子どもとたちと向き合う際の効果的な方法として、リフレクション(反映)のスキルというものがあります。

これはありのままの相手を映し返す、そのまま受け取るという意味で、言葉を反復する、目で観察したことを反映する、エネルギーを合わせることを指しています。

下の図の支援者Bが、言葉を反復するというリフレクションです。

してしまいがちな評価や解釈

「子どもの言葉と同じように繰り返すことで子どもはより表現しやすくなります。支援する側が勝手に評価、解釈をして支援を押し付けてしまうのではなく、言葉や雰囲気などエネルギーを子どもの状況に合わせて語り掛けることがとても大切なことだと思います」

「私たちが目指す子ども支援というのは、悲しい気持ちをなくすことではありません。大切な記憶として残しておくことかもしれません。そして一人ではない、夢や希望を持ってもいいんだと実感してもらえることが大事だと思っています。どう支えていくか、どう語り掛けていくのかこういった例を参考にしながら自分なりの方法を見つけてほしい」と佐藤先生。

-------------------------------------------

子どもたちに寄り添っていくためには、子どもには子どもなりの考え方や感情があるということを理解することが大切だともおっしゃっていました。

どんな話をしよう、どんな言葉を掛けよう、もしかしたら私が傷つけてしまうかもしれない―。
正直とても難しいことのように思えました。
子どもを前にしたらおそらく言葉一つ発することでさえも気を使ってしまうのではないか。

でもこの子どもたちだからではなく、どの子どもにも通じることだと気が付きました。大人(自分)の意見を押し付けるのではなく、子どもたちの意見や想いを尊重すること。これは自分の子どもに接するときなど、おそらく皆さんも普段から行っていることだと思います。

子どもたちの声、心にしっかりを耳を傾け、丁寧に接すること。

皆さんもぜひ参考にしていただければと思います。


◆NPO法人仙台グリーフケア研究会
http://www.sendai-griefcare.org/

NPO法人子どもグリーフサポートステーション
http://www.cgss.jp/


(取材日 平成25年3月8日)