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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年4月1日水曜日

2015年4月1日水曜日14:20
石野葉穂香です。

3月14日から18日までの5日間、仙台市で「第3回 国連防災世界会議」が開催されました。

国連防災世界会議というのは、防災の取り組みや考え方について国際的な議論を行う、国連主催の会議。
主旨は、自然災害によって発生する被害を、国際協調行動を通じて軽減しようというものです。

今回の会議には、首脳級を含む187の国と地域の代表が来仙し、関連行事を含め、延べ14万人以上が参加。国内で開催された国際会議として、過去最大規模のものとなりました。

期間中、仙台市内のさまざまな場所・施設を会場として、さまざまなイベント、講演、シンポジウム、展示、議論、意見交換などが行われましたが、その一つ、「夢メッセみやぎ」で行われた「防災産業展in仙台」を覗いてみました。


日本は世界でもまれな地震の多発国です。
国交省の統計によると、2000年から2009年までの10年間に、世界中で発生したマグニチュード6.0以上の地震は1036件ありましたが、このうち212件が日本で発生しています。
地球上で発生した大規模地震の20.5パーセント、つまり5件に1件は日本で起きているのです。

宮城県のブースです
再生可能エネルギーの活用


停電時、家電製品に電気を供給できる
電気自動車

悪路の走破姓に優れた緊急車両
日本はある意味「災害大国」かもしれません。
でも、だからこそ、というべきでしょうか。日本には、世界最先端の防災技術や防災製品、減災機器、システムがいくつもある「防災大国」でもあります。


 
「防災産業展」は『伝えよう、未来に教訓と備えを』というテーマのもと、建設、機械、化学、繊維、エネルギー、都市計画、通信、IT、食品、物流、そして大学など幅広い分野から100以上の企業や団体が出展。日本の防災・減災技術を世界に発信しました。

店舗にも仮設住宅にもなり、移動も容易なコンテナハウス
安心安全なまちづくりを提唱
仙台市はアルファ米などを展示
押すのではなく引くことで悪路も安定。
引く力もまた少なくて済みます
















会場で、首都大学東京の泉岳樹先生にお話を伺いました。
先生とは、昨秋、岩沼市で行われたNPO法人「がんばッと!玉浦」の収穫祭でお会いして以来の再会です。

2014年10月27日月曜日
「今年も元気に収穫祭!」(岩沼市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/10/blog-post_34.html

泉先生は、首都大学東京 都市環境学部地理環境コースの助教。
また、「無人ヘリ(=無人機、ドローン)」による環境調査の先駆者であり、無人ヘリの平和利用や災害地での運用および法整備についても尽力しています。

首都大学東京 泉先生の展示ブース。
屋外ではデモフライトも行われました
2012年4月、泉先生は、石川幹子岩沼市復興会議議長(中央大学教授・東京大学名誉教授)の要請に応じ、市域の多くの場所で無人ヘリによる空撮調査を行いました。

2012年4月、岩沼市での初フライト。
写真の真ん中、小さな黄色い点に見えるのが操縦者の泉岳樹先生です
「この日のフライト、そして出会いが、私の現在の活動の原点となりました」(泉先生)
内陸側から見た岩沼市の海岸線。
右上に海浜緑地公園の野球場が写っています(2012年5月)
「そのとき、地元の消防団員で、『がんばッと!玉浦』の副理事長でもある氏家義明さんという方から、『津波が来たときにコイツがあればなぁ・・・。津波が来ることをもっと早く知ることができたかもなぁ』 『逃げ遅れた人や生存者も早く見つけてあげられたかも』と言われたのです」(泉先生)

プロペラ4枚のマルチコプタ「Martin」(改良型)。
動力源はバッテリー。、積載可能重量は3~5㎏。
航続時間は約15~30分(積載重量によって変わります)

また、氏家さんは
「岩沼が復興していく様子を自分たちで空撮して、記録化していきたい。お世話になった方々へも〝岩沼の今〟を発信していきたい。無人ヘリを1台置いていってくれないだろうか」と泉先生にお願いしたそうです。

こちらも2012年4月の初フライトの写真。
最後列3人の真ん中の方が氏家義明さんです
「氏家さんの言葉はすごく熱くて・・・。その言葉が、無人ヘリが防災や被災者の捜索などに役立つのではないかと考えるキッカケになったんです」(泉先生)

以来、泉先生の無人ヘリによる災害調査と被災地データ取得のための活動が本格化していきました。
2012年5月に発生した茨城県つくば市の竜巻災害、同年9月の九州北部豪雨、昨年7月の長野県南木曽町の土砂災害。そして8月の広島市の土砂災害、9月の長野県王滝村の御嶽山噴火による火山災害、11月の同県白馬村の地震災害・・・など、泉先生は各地で無人ヘリ運用による調査を続けて来ました。

御嶽山噴火災害の調査フライト(2014年10月)
「でも、現場に行くと、地元自治体、警察、消防団、自衛隊など、それぞれの方針、方法、指揮系統などがバラバラだったりして、『余計なモノを飛ばすな!』 『うるさい、こっちは総務省消防庁からの要請で飛ばしているんだぞっ!』なんてケンカになったり(笑)」

現時点では、無人ヘリの運用についての法整備も不十分だそうです。
「無人ヘリは〝殺人兵器〟として使用されるケースも多い。それに歯止めをかけるためにも、無人ヘリを世界平和に導いていくプラットフォームにしたいというのが究極的な目標です。運用している現場の情報が不足したまま、官邸主導で法改正が進められようとしていることに対して、声を上げていくことも重要です」

防災集団移転でできた「玉浦西」の街
泉先生の、岩沼への、玉浦への思い、そして考えるキッカケをくださった氏家さんへの思いも熱く続いています。
「キッカケをいただき、3年たちました。広島や御嶽山、白馬では、具体的に役立てることができました。今、ひとつの形として岩沼にお返ししたいなと、ちょっと企画中(笑)」

泉岳樹先生(右)。この日は奥様がお手伝いしていました
「無人ヘリは現代版の〝火の見やぐら〟になる」と泉先生。
津波の接近を高空から発見したり、土砂崩れの二次災害防止のために監視したり、火山噴火の兆候を火口付近で観察したり。

また、音も静かで、激しい風を発生させません。通常のヘリコプターが生存者の声をかき消してしまったケースなどが、これまであったかもしれませんが、無人ヘリにカメラや集音マイクを装着すれば、いち早く発見することができます。

水や携帯電話を生存者の手元に届けたり、生存者の上空でホバリングしてポインターになったり。

長持ちするバッテリーが発明されてフライト時間が長くなり、運搬する力ももっと強くなれば、無人ヘリが活躍する場面はどんどん広がっていくはず。

この日、会場に出展していた企業や団体の、いろいろな技術や研究やシステムがさまざまに結ばれて、たくさんのアイデアや、新しい技術がどんどん生まれていけばいいな。
そう思いました。

(取材日 平成27年3月16日)