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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年2月27日金曜日

2015年2月27日金曜日8:00

ザーリャです。
「日本三景」として、全国的にもその名が知られる松島。
その観光地「松島」は、実は松島湾を取り囲む6つの市町から成り立っています。

震災では松島湾エリア一帯も、甚大な被害を受けました。復興への歩みは着実に進んでいますが、一方では風評被害などの影響が続き、震災前の観光客数を取り戻せない現状があります。

自然、歴史、生活・文化、食、産業、温泉・・・など、もともと多様で魅力的な資源にあふれる「松島湾エリア」。今、地域の新たな魅力を創造し、観光誘致につなげるための新たな取り組みが進んでいます。

それが、「再発見!松島“湾”ダーランド構想」です。

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2015年2月22日 日曜日
日本三景「松島」から「世界の松島湾」へ~再発見!松島“湾”ダーランド構想~【前編】
(塩竈市、多賀城市、東松島市、松島町、七ヶ浜町、利府町、宮城県)
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/02/blog-post_22.html
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【前編】でご紹介した矢ケ崎紀子さんの基調講演に続き、松島湾エリアで活躍される方々をゲストに迎え、パネルディスカッションが開催されました。

テーマは「松島湾エリアの新しい観光の取り組みと魅力づくり」
パネリストがそれぞれの取り組みを紹介しながら、「松島湾」の魅力と、その活かし方について話し合いました。

千葉伸一さん。東日本大震災を通じてたどり着いた「ゆたかさ」を、経営に取り入れています
松島町生まれの千葉伸一さん「松島流灯絵(りゅうとうえ)海の盆」の初代実行委員長(有)松華堂代表)は、松島町を舞台にさまざまなイベントを企画してきました。

「私たちは、イベントを通じて地域の魅力を発信し、アピールを続けています。観光客にとっては、市町村の境など関係ありません。境界を感じさせない地域づくりが大切です。境界を『横断』するプロジェクトを一人一人が考えて行動し、光を発信することが魅力につながります。

細かな問題点を越えて、国内のみならず世界の方々を意識する。そして、それぞれの得意分野で取り組むことが重要です。経済的な視点だけではなく、地域の人々自らが価値を見出し、訪れた方が『住んでみたい』と思うような魅力的な場所を作りたいと思っています」


伊藤栄明さん。松島湾で津波で流失した「アマモ場」の再生にも取り組んでいます
塩竈市で、新たな観光資源として注目される「塩竈の藻塩」。それを製造する伊藤栄明さん(いとう えいあき:合同会社「顔晴れ(がんばれ)塩竈」代表社員)は言います。

「塩竈周辺は縄文時代以降、長い間製塩が行われてきた土地です。その地で再び塩づくりを行うために、『顔晴れ塩竈』ができました。

松島湾周辺は地域の魅力にあふれ、月明かりに見る松島の風景などは、美しさに感動するほどです。取り組みの中にその感動を活かすことが大切です。

また、消えつつある松島湾の伝統的な漁業など、文化の保全・伝承も重要だと感じています。地元の豊富な資源を守り伝え、付加価値を付けて、リピーターを増やしたいですね。地域の『情熱』を活かしつつ、実践をスタートしたいですね」


津川登昭さん。仙台市の広告制作会社で、さまざまな企画をプロデュースしてきました
震災後、取り組みの中で松島湾地域の「兄弟性」を感じたという、津川登昭さん(つがわのりあき:(一社)チガノウラカゼコミュニティ)。「湾コミュニティ」の拠点としての「湾の駅構想」を提唱しています。

「以前は、塩竈、多賀城など、活動する地域ごとに自分の中にある『スイッチ』を切り替えていました。しかし、松島湾の海上から陸地を見ると、東松島市から七ヶ浜町までの陸地に境界はありません。ひと続きの『兄弟なのだ』と思いました。

私たちは、『陸の文化』で物事を考える習慣を持っていますが、これからは『海の文化』の視点も織り込み、互いにつながることが重要だと思っています。それぞれの拠点に立って、同じ方向を見ることが大切です。生まれ育った地元を楽しみ、自慢しながら、次世代につながる『種』をまきたいですね」


パネルディスカッションのまとめとして、矢ケ崎紀子さんが総括を行いました。


「すでに、構想は実行のステージに来ています。素材は素晴らしいものがそろっていますから、あとは『腹をくくって』実行に移すときです。

『私たちのところは~だ!』というような、それぞれの目標を示す言葉があると進めやすいですね。そのような意味では、「“湾”ダーランド」は「wander(歩き回る)」と「wonder(驚き)」の二通りの意味が込められた良い言葉です。

「海」の背後には「陸」があるから、魅力に「深み」もでます。「陸」の視点から魅力を翻訳し、支えることも大切です。

また、滞在型のプログラムには、それぞれの地域のメリットもなければなりません。地域を周遊するための『2次交通』や機動性も大切になります。

『松島の月』の話が出ましたが、プログラムに早朝と夜などの自然のリズムを織り込めば、滞在型につながります。いずれにせよ、地域が持つ魅力の『翻訳の仕方』を考えることが大切です。


コーディネーターを務めた佐藤敏悦さん(日本民俗学会評議員・東北放送株式会社参与)は、次のようにフォーラムを締めくくりました。

「今回のフォーラムでは、私たちにとって松島湾がいかに貴重なものであるかということを感じることができました。東日本大震災の際には、松島湾の島々が津波を受け取ってくれたために、本土での被害が軽減されたという側面もあります。単純に観光だけではなく、松島湾から得られるもの、つながるものを、今もう一度見つめ直すことが大切です。これは、私たち自身の意識の転換にもつながることでしょう」



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再発見!松島“湾”ダーランド構想は、まだ始まったばかり。今後もさまざまな取り組みが実践される予定です。今後の活動の詳細については、宮城県経済商工観光部観光課のHPをご覧ください。

今までなかった、「海」からの視点。これから始まる新たな「観光」を、皆さんもぜひ体験してはいかがでしょうか。

新たな取り組みについては、ココロプレスでもご紹介していきます。

(取材日 平成27年2月4日)