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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年2月3日火曜日

2015年2月3日火曜日20:16
こんにちはエムです。

この回では東日本大震災で甚大な被害があった山元町で、個人でボランティア活動に取り組んでいる方をご紹介しようと思います。

ボランティアのための宿泊所・地域の方の居場所として自宅を開放し、利用してもらっている他、小学校の子どもたちの「見守り隊」、乳幼児から就学前の子どもとお母さんの子育て支援サポーターなど、さまざまな活動をしている岩佐孝子さんです。

「ほぼ毎日、何かしらの活動をしています。特に土日は忙しいの」

そう明るく話す岩佐さんは、平成26年3月まで山元町役場の職員でした。
退職を機に、以前から考えていたことを実行に移したのだと言います。

取材したこの日は、富山県から岩佐さんの元へ届いたチューリップの球根を植える相談のため、「山元いちご農園」に顔を出したところでした。偶然の出会いでしたが、取材に快く応じていただき、お話を聞くことができました。

「ボランティアを受け入れるボランティアをしています」
と言ってほほ笑む岩佐孝子さん

「地域の方にお世話になって、今まで仕事をしてこられました。その感謝の気持ちから、みんなが集える場所を作りたいと職員の頃から考えていました。

ましてこの震災があってからは、全国いろんな地域からたくさんの方が来町したり、支援をいただいたりしましたが、山元町には宿泊施設が無いので、ボランティアの人たちは仙台、白石、蔵王などから通っていろんな作業をしてくれました。

そんなこともあり、近くで何かできる事はないだろうか、それでいてみんなに負担にならないこと……と考えました。それで自宅を開放することを思いつきました」

現在岩佐さんの自宅には、毎日最低5人から10人の地域の皆さんが集まり、好きなことを話して行くそうです。自分の家のような場所でゆったりとくつろぐことで、本音を語り合っていると岩佐さんは感じています。



そんな岩佐さんが特に気になっていることがあります。
それは子どもたちのこと。

岩佐さんは誰に頼まれたわけでもなく、毎朝、小学生の子どもたちを学校へ送り出すボランティアをしています。
平成25年3月に閉校した中浜小学校の子どもたちの多くは、震災の日に校舎の屋上にある倉庫の中で一晩を過ごした体験を持っています。(中浜小学校は閉校と同時に坂元小学校と統合されています)

「大人たちが守ってくれたことによって、子どもたちはその恐ろしさから逃れることができたのですが、その時の気持ちは子どもたちから出てきませんでした。言っちゃいけないと思っていたのかもしれません。
それが今年(平成26年)になって、ポツポツと話す子どもが徐々に出てきたんです。

先生や親には言えないことを話せる場、空間を誰かが作る必要があるんじゃないかと思いました。
しかもその子たちの両親やおじいさん、おばあさんを知っている地元の私のような人が必要なのではと思います」

「子どもたちの中には言葉で表現するのが下手な子もいます。
そんな子の、どこにぶつけたらいいのか分からない気持ちがほぐれるのには、これから5年、10年と時間はかかるのではとは思います。

私にできることは話を聞いてあげることだけですが、心の叫びをきちんと受け止めてくれる人がいれば……という気持ちでやっています」

「子ども支援プロジェクト」で使われていたTシャツ。
「手と手をつないで1歩前へ進もう」
という意味が込められたデザインです
岩佐さんは震災後に立ち上がった「子ども支援プロジェクト」に参加し、被災した小学校、幼稚園の子どもたちにTシャツを贈る支援活動をしていた経歴を持っています。
Tシャツは合計4,000枚が贈られました。

その活動が落ち着いてきた現在では、子どもたちの放射能のエコー検査に形を変え、活動は続いているとのこと。

他にも「子育て支援」サポーター、「子どもも大人もみんなで遊び隊」助っ人、「山元語り部の会」・「りんごラジオ」サポータ、全国各地での「講演」等、たくさんの活動をしています。

「今までリーダー養成を役職でやってきたので、自分が養成したリーダーのところに顔を出してるだけです」

謙虚にそう話す岩佐さんですが、その優しい笑顔はまるで春の太陽のように温かく、たくさんの人に安心感や安らぎを与えているに違いありません。

中学、高校、大学生と大きくなっている子どもたちも
町内の子どもはみんな自分の孫のようなもの。
心の問題はこれから。まだまだです

(取材日 平成26年12月13日)