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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年1月8日木曜日

2015年1月8日木曜日8:00
こんにちは、にゃんこです。

昨年11月にエル・パーク仙台にて開催された「女性と防災せんだいフォーラム」
これまで会場で開かれていた各プログラムの模様をお伝えしてきました。

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2014年12月9日 火曜日
防災・減災をゲームで楽しく学ぼう!「防災ゲーム」を体験!(仙台市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/12/blog-post_85.html

2014年12月14日 日曜日
手づくりの温かさが伝わる贈り物。「被災地女性たちの手仕事マーケット」(仙台市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/12/blog-post_92.html

2014年12月21日 日曜日
女性の視点で考える「みんなのための避難所づくり」
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/12/blog-post_51.html
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今回は「東日本大震災後のひとり親の現状と課題」というテーマで開催されたワークショップをご紹介したいと思います。



ここでの「ひとり親」とは、母子世帯や父子世帯、寡婦世帯、養育者家世帯で、震災前からもともとひとり親の方、
そして震災後にひとり親になった方を指しています。

皆さんは、宮城県内にひとり親世帯がどのくらいあるかご存じでしょうか。

宮城県が実施した「平成25年度ひとり親世帯等実態調査(平成25年9月1日実施)によると、
ひとり親世帯数(平成25年5月1日現在 仙台市除く)は、
・母子世帯 13,104
・父子世帯 1,638
・寡婦世帯 2,141
・養育者世帯 136

震災前に行った平成22年度の調査と比較すると、母子世帯が1,098、父子世帯が719、寡婦世帯が939、
養育者世帯が18増加しているそうです。

詳細な調査結果については宮城県のHPにも掲載されていますので、こちらをご覧ください。
http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kosodate/h25-hitorioyatyousa.html

これは仙台市を除いた調査になるので、仙台市を含めればさらに数は増えます。
皆さんの中にも一人で子育てをしているという方や、友達や近所に一人で子育てをしている人がいるという方もいらっしゃると思います。

震災が引き金となり生じた新たな悩み、そして震災後にひとり親になった方が抱える問題とは―。
さらに、周囲がひとり親を支えていくためには何が必要なのか。

これは東日本大震災の被災者だけの問題ではなく、今後大規模地震や災害が起きると予想される日本全体に関わる問題でもあります。

ぜひ皆さんにも一緒に考えていただきたいと思います。


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このワークショップを企画をしたのは、「MIYAGI子どもと家庭支援プロジェクト」「災害子ども支援ネットワークみやぎ」です。

「MIYAGI子どもと家庭支援プロジェクト」の代表である米倉正子さんのあいさつで始まりました。

「『MIYAGI子どもと家庭支援プロジェクト』は、子どもを幸せにするためには子どもを育てている周りの人、特にお母さんやお父さんを幸せにしないといけないという想いのもと、2006年に発足しました。活動していく中でひとり親の問題が年々増えてきていることが分かり、2009年からはひとり親を対象とした事業に力を入れ、ネットワーク作りや当事者と行政を交えてのシンポジウムの開催などを行ってきました。
 そして東日本大震災。急に一人で子育てをしなければいけなくなった方が増え、私たちはさらに調査を進めました。今日は私たちが行ってきた調査の報告と現状を皆さんにも知っていただき、その上で今後どうしていくのがいいのか、私たちが今できることを私たちなりに力を合わせてやっていこうという会にしたいと思います」と呼び掛けました。

「MIYAGI子どもと家庭支援プロジェクト」では震災後に生じた多様な問題を解消すべく、これまでさまざまな事業に取り組んできました。

震災後は、津波被災地、福島県などから仙台市内に移転してくる世帯やひとり親世帯が増えたことによる待機児童数の増加も問題になりました。

仙台市は当時保育所の待機児童数は全国ワースト2位。

託児所の必要性を感じ、2011年10月に「キッズスペース ピッコロルーム」、2012年1月には「託児室ポルカ」を開設しました。(現在は「ポルカ」のみ)



「災害支援子どもネットワークみやぎ」は、2011年4月に被災した子どもへの支援を行うことを目的に設立。学校に支援物資を届けたり、各地でワークショップを開いたりなどの活動を続けています。

また、なかなか支援物資が届かないと問題になっていた「みなし仮設住宅」の入居者支援のため、2012年4月に「災害子ども支援センター」(仙台市宮城野区幸町4-7-2 みやぎいのちと人権リソースセンター1階)を開設。情報提供や物資支援、子育てに関する相談事業などを行っています。「託児室ポルカ」もこの施設の2階に設置されています。

「MIYAGI子どもと家庭支援プロジェクト」の小林純子さんは、
「私たちが震災から学んだことは、震災があったから大変なこともあったけれど、震災が以前からあった問題をあぶりだしたと言えます。
 災害弱者は、災害以前からの弱者の方が多い。女性や子ども、障がい者、高齢者、性的マイノリティなどそういう方がもろに被害を受けています。私たちはこのことを今後も発信してきたいと思っています」と話しました。

震災時の振り返りや調査報告を行う小林純子さん。
「特定非営利活動法人チャイルドラインみやぎ」の
代表理事も務めていらっしゃいます

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「災害子ども支援センター」の利用者から聞き取ったひとり親の多様な背景や現状についての事例もスタッフの藤石伸子さんより報告されました。



その中から一部をご紹介したいと思います。
個人が特定されないようにしながら実態を伝えるために、ぎりぎりのところまで編集されたものだそうです。
彼女たちのリアルな声を聞いてください。

事例1【震災による死別】
30代女性(子ども3人中学生・小学生)
仙台市で津波によって被災。夫と死別。
うつ状態になって、子どもの面倒を見られない状態にあり、子どもにも影響が出て、黒いクレヨンばかり使って絵を描くようになった。
その後、復興住宅に入って少し元気になったが、最近の状況は、カビが発生してひどい、上の階の子どもの声や足音がうるさいなど、安住の地とは言えず、精神的に不安定になっている。


事例2【震災後離婚】
20代女性(子ども1人)
震災時婚約中。自分は津波により被災。婚約者も当時住んでいたところで被災。
震災後入籍し、2年後に出産。夫の実家へ行き同居が始まった頃から、DVが始まる。
DVに耐えかねて離婚。養育費、慰謝料なし。生活苦のため生活保護を受給することになった。

30代女性(子ども5歳)
震災後夫のDV激化。本人の自殺未遂を子どもに見られてしまう。
離婚は成立したが、精神的に困難を抱える。子どもも不安定で現在PTSD
実家で暮らしている。

事例3【もともとのひとり親】
40代女性(子ども18歳、小学生1人)
住んでいた市営住宅が全壊し避難所へ。
仮設に入居できることをしばらく知らなかった。隣町の市営住宅に入居。
小学校は学区外となるため元の学校に徒歩で通学。次第に不登校になる。
元の市営住宅が改修されたので戻り、小学生は学校に行き始めたがいじめを受けるように。

事例4【震災後出産のひとり親】
20代(子ども2歳)
震災時住民票を実家において他県でパートナーと暮らしていた。
震災直後に出産。他県から戻り宮城県のみなし仮設に入居。夫のDVが始まる。
DVによりみなし仮設を出たため、復興住宅に入る権利がない。
生活保護を受給し、市営住宅に申し込む。

事例5【震災直前に離婚】
30代女性(子ども小学生1人)震災直前に離婚を考え別居。引っ越し住民票を移す。
元の住居が津波で流され、残していた荷物も全て流された。
住民票を移していたため、自分は仮設に入れない。母と同居したが、母との確執が生じ、うつに。
みなし仮設を出たいが、家を借りるのに保証人がおらず借りられない。
子どもも不登校気味。

震災の影響によりうつやDVが増加したこと、それにより離婚も増加したことは皆さんもご存じだと思います。
でもその背景にこのような二重、三重の苦しみが今も続いていることを知っている方は少ないのではないでしょうか。
私もその一人でした。

今でも暗い闇を抱えながら過ごしている方がいる。それが被災地の現実です。

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さまざまな問題や悩みを抱えながら、一人で子育てをしなくてはいけない苦悩。
それに対して周囲ができる支援とは何か―?

「MIYAGI子どもと家庭支援プロジェクト」の調査報告をもとに、参加者同士の意見交換が行われました。


(後編へ続く)
2015年1月22日 木曜日
時間がないから始まる負の連鎖~「震災後のひとり親の現状と課題」~後編(仙台市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/01/blog-post_22.html


(取材日 平成26年11月23日)