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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年1月23日金曜日

2015年1月23日金曜日8:00
こんにちはエムです。

名取市の復興が早期に達成できるようにと、震災直後からボランティアで支援活動をし続けている「一般社団法人名取復興支援協会」については先日ご紹介しましたが、この回ではその後と、現在の深刻な状況についてお知らせしたいと思います。

前回の記事
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平成27年1月18日 日曜日
名取市の復興を願い活動〜名取復興支援協会〜その1(名取市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2015/01/1_18.html
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右手に「名取復興支援協会」が維持・管理する「JAIFAこどもハウス」。
その後ろには「東北復興支援販売所」がありますが、隠れて少ししか見えていません。
画像は閖上の海方向を見ています

平成25年9月、一般社団法人となった「名取復興支援協会」(以下:復興支援協会)は、役員6名、賛助会員約10名の小さな団体です。

「閖上は震災後時間がたってもちっとも変わってないね」
そんな声を聞いたことから、復興支援協会が運営することになった閖上5丁目にある「東北復興支援販売所」周辺を中心に整備を始めました。


ボランティアを希望する人は多く、復興支援協会が窓口となり、初年度は全国から約1,000人を受け入れ、草取りや清掃、菜の花の種を植えるなどの整備に協力してもらいました。
続く平成26年には草取り清掃の他、花の苗やひまわりの種を植えました。ボランティアも初年度と同じ約1,000人が閖上を訪れ、日和山から見える地区は花でいっぱいになったのです。

撮影:平成26年7月26日

「平成27年の今年も整備を中心に考え、来た人に元気を与えられるような、復興の兆しを見せられるような活動をしていきたい」

復興支援協会の代表理事、川崎正男さんはそう語ってくれました。

その他、今後行う予定の活動は、「仮設住宅」や「みなし仮設住宅」に住む地域、「自力再建被災者」が住む地域での町内会組織・コミュニティの再生支援など、今までの活動を継続するものや、新たに地域情報紙、パンフレットの発行などを考えているそうです。

川崎正男さんと奥様の幸子さん
「震災後は全国いろんな所からボランティアに来てくれました。そこから受けた恩を途切れさせず、生かしていくことが今後大事なことです。
『点から線へ、線から面へ』とつながってゆくことです。

しかしそれも地元に受け入れる誰かがいて、誰かが連れて行ってくれるからボランティアの方も来てくれるのであって、行政では受け入れをやめてしまった現在、我々のような橋渡しをする民間の手が無いと、たちまちボランティアの数は激減してしまいます。

またメンバーの中に、太田さんのような他の地域とつながっている人がいることで、またさらに支援の輪が大きくなっています。

これからもボランティアや支援の窓口はもちろんやりますし、今までの付き合いや出逢った方々とのつながりも大事にしてやっていかなければならないと思っています」

理事でありメンバーの太田幸男さんの活動範囲は広く、全国各地での講演を引き受けることもありますが、全国的に災害が多かった昨年(平成26年)はテクニカルボランティアとして災害現場に行き、支援活動を行ってきました。

「東北復興支援販売所」近くに試験的に設置されているシェルターハウス。
復興支援協会が研究会に入り要望や質問を出したりして協力しています

このような支援活動をしてきた復興支援協会ですが、被災地では今後発生するだろうと懸念される問題も多く、メンバーはこれからも長期的に支援活動を続けたいと考えています。

その問題の1つは、災害復興住宅ができることにより、今まで築いてきた仮設住宅のコミュニティがバラバラになる地区が多いということです。
新たなコミュニティ作りが求められると同時に、復興支援協会が橋渡しになってつないだ仮設住宅自治会と外部支援者とのつながりが、途切れること無く継続されるのかが心配されます。

さらに、現在でも修復できていない状況への改善要望や、対応策の相談などの声が復興支援協会に届いています。

「子どもたちがボール蹴りなどができる安全な場所が欲しい」
「やっとサッカーや野球ができるようになったけど、冬に暖をとるためのジェットヒーターが欲しい」などもその1つです。

太田幸男さん
「そんな時、各町内会単位で自由に使える資金が欲しいですね。
子どもたちが安心して遊ぶためには空き地を整備したり、その周りにネットを張ったりすることが必要です。

昨年はボランティアのおかげで閖上小学校のグランドの整備ができて、やっと少年スポーツクラブの活動ができるようになりましたが、備品が十分とはいえないのでそれをどうするのかが現在の課題です。

復興は進んでいるように見えますが、再建はまだまだです。
仮設住宅もそのままだし、自立再建被災者の人たちもようやく今、自分たちの生活・営みができるようになったばかりで、これから売り上げを伸ばしていこうというところ。

まだまだみんなが傷ついているし、大変だった体験談を聴いてほしいし、踏ん張ってきたことを認めてほしいしと思っているんです」

太田さんはそう言いましたが、実はこの復興支援協会の活動が継続できているのは、メンバーの皆さんが自己資金を出し合い、無償でボランティア行っているからです。

平成26年3月16日完成の「JAIFAこどもハウス」
JAIFA(公益社団法人 生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会)
から相談を受け、復興支援協会で譲り受けたトレーラーハウス。
復興支援協会が管理、維持をしています

法人化したことで補助金が下りているのでは……と私エムも安心して今までの話をお聞きしていましたが、補助金の申請をしてそれが通ったのはたった1件のみだったという話に、驚きは隠せませんでした。

「JAIFAこどもハウス」の中の様子
子ども連れの方の休憩所や遊び場として、また目的に沿った集会や(町内会や子供会など)
ワークショップなどの開催場所として無料で利用できますが、その場合は事前に申し込みが必要

「一般社団法人になって支援を受け、もっと活動ができるようにしたいと考えたわけですが、他に仕事を持っていながら申請の手続きをするのは本当に大変でした。
しかも10件近く出した中で通ったのは1件だけだったときは、情熱が冷める思いでした。

さらに平成26年の10月からはこの辺りの土地が市の所有地になったことから、『東北復興支援販売所』も市に地代を支払っています。
このトレーラーハウスも電気代などの維持費は自分たちで出している状況なのですが、せめて復興支援活動をしている団体には、行政からの助成や地代の免除などの配慮がほしいです。

そしてできれば補助金の申請をもっと簡素化し、実際に現地に面接に来るなどの方法によって認めてもらえる仕組みがあれば良いと思います。


これからも問題は起こります。
災害復興住宅に移った時に、いろいろなニーズが生まれると思います。でもその時に手伝ってもらえる人がいると明るくなるし、本当に助かります。
支援を途切らせてはいけないんです。つないでいかないと……。

今の状況は『これから更に大きな波が来るのが分かっていながら、助けたいのに船が無い』のと同じです」

川崎さんは力なく言いました。

撮影:平成26年7月26日

私はこれまで取材をする中で、今回のように小さな団体や個人でありながら多くの活動をし、地域の中で重要な存在として、復興を力強く後押しし続ける人にたびたび会ってきました。
しかしそんな民間の手に頼るだけではなく、行政も交え、ボランティアの受け入れや細やかな支援活動を支えることが早急に求められているのではないかと感じることもまた、たびたびあったのです。


太田さんが言いました。

「人命救助は1日で成し得ることは可能ですが、コミュニティーの再生は1日では成し得ません。多くの人の関わりと長い時間、お金を費やします。

復興をスピードアップするものは、生きる希望を失わず生き抜く覚悟を決め、日々前向きに歩むことができる人を多く作ることです。
そのためには震災のダメージから1日でも早く、1人でも多く救い出すことであると私は思います。
復興は1人ではできません。
サークルや町内会、集落単位でコミュニティーを再生して力を合わせ打ち進む気力を持つことが大変重要な意味を持ちます。
全ては家族や友達、仲間、親戚等小さいコミュニティーから始まります。

その小さなコミュニティーに、使用用途が余り制限されない少額(10万円以下)の支援を頂けたら、崩壊したコミュニティーはもの凄いスピードで再生されます。


復興予算で各県ごとに、わずか1億円を小さなコミュニティー再生予算に組み込んで頂けたら、もっともっと復興が早くなると思います」

昨年の7月には無かった花壇ができていました

「ココロプレス」できることはこうした現状を報告する記事を書くことだけですが、「名取復興支援協会」に沢山の支援が寄せられ、名取市の復興が進むことを祈ってやみません。

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この協会の活動は賛助会員を中心とするの皆さまからのご支援で成り立ちます。
詳しくは下記のホームページを参照のうえお申し込みください。

★ ボランティアを随時募集しています。
★ 「賛助会員」も募集中。

一般社団法人 名取復興支援協会
http://natorifukkou.com/
https://www.facebook.com/fukonatori

(取材日 平成26年12月17日)