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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2015年1月15日木曜日

2015年1月15日木曜日9:11
こんにちは、にゃんこです。

2014年12月、仙台市役所を会場に「1000人のクロスロード2014in仙台」が開催されました。
仙台会場の主催は以前ココロプレスでもご紹介した「わしん倶楽部」と「Team Sendai(仙台市職員自主勉強会)」です。

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わしん倶楽部の詳細はこちらの記事をご覧ください!
2014年12月9日 火曜日
防災・減災をゲームで楽しく学ぼう!「防災ゲーム」を体験!(仙台市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/12/blog-post_85.html

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クロスロードは今年で20年目となる阪神・淡路大震災の貴重な経験や知恵をもとに作られた、
次々に厳しい決断を迫られる災害対応シミュレーションゲームです。

災害時に求められるとっさの判断に対してあなたならどうしますか―?
一人ひとりが意見を出し、話し合いを通じてみんなで議論を深めていくというものです。

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私も初クロスロードに参加してきました!

仙台会場では中学生や高校生から80代まで幅広い年代の方が参加
クリスマスイブ前日ということもありスタッフの方はクリスマスコスチューム!

この日は神戸をメイン会場になんと、仙台、高知、福岡、呉、静岡、横浜、新潟、酒田、札幌と全国10都市で開催。
各会場をインターネットや電話でつなぎ同時にスタートするという大規模イベントです!

神戸会場では580人、仙台会場でも定員を上回る110人、10都市を合わせると約1,300人もの参加者が!
神戸会場には約30名の小学生も。年齢問わず誰でも参加できることもクロスロードの魅力です。
  
スクリーンに映し出された仙台会場。
この模様はYouTubeでも生中継されました

このクロスロードは、「文部科学省大都市大震災軽減化特別プロジェクト」の一環として、京都大学教授・矢守克也氏、慶應義塾大学教授・吉川肇子氏、産業技術大学助教・網代剛氏により2003年に開発されました。

この日も神戸会場に矢守先生、吉川先生、横浜会場に網代先生が参加。

開発者の一人である矢守先生から、クロスロードの3つの特徴についてお話がありました。

1つ目は正解がないこと。Yes、Noどちらが正解かは決まっていません。

クロスロードという考え方を思いつくきっかけになったのは、阪神淡路大震災を体験した神戸市職員のある言葉でした。
『あのときあらかじめ用意していた正解(マニュアル)は何の役にも立たなかった。そのときその場でみんなで正解を作る作業の連続だった』
“そのときその場で正解を作る”これが被災地の現実なんです。
いざ災害が起きたときに落ち着いた行動がとれるよう、事前にこういった練習をしておくことが大切なんです。

2つ目は、実話にもどづいていること。設問は想像で作られたのではなく、実際に体験した人がいるということです。クロスロードが誕生したのは神戸ですが、その後全国に広まったことで自分たちが経験した実話をもとにクロスロードを作ろうという活動がでてきました。神戸の他にも宮城や静岡など各地で登場しています。

3つは自分の想定外に気づくこと。東日本大震災の後に『想定外』という言葉が飛び交いました。自分にとっての想定外は誰にでもあります。じゃあその想定外にどうやって気が付くのか。
それは周りの人と意見交換してみるということなんです。自分が気づいていないことに周りは気づいているかもしれない。『そんな考えもあるの?』、『そんな人もいるの?』と私が気づいていなかったことを教えてもらった。今日は勉強になったなという学びがクロスロードの学びなんです。自分にとって想定外になっていたところを埋めるのがクロスロードです」


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いよいよ全国一斉にクロスロードのスタートです!

ルールは、一つの設問に対して全員で同時にYesかNoのカードを出す。
多数意見を選んだ人がポイントを獲得することができます。


ポイント=座布団。多数派は青座布団、一人意見は金座布団



私にゃんこのグループには、山形市在住の30代男性、仙台市在住40代男性、仙台市在住60代男性(年齢はにゃんこの推察です)、そしてなんと私の隣は伊藤敬幹副市長!ドキドキでした!
伊藤副市長も含め、皆さんクロスロード経験者です。

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私たちが体験した設問を一つご紹介しますので、皆さんも挑戦してみてください!

【設問】
あなたは…20代の女性
被災翌日、自家用車を運転して信号待ちをしている時、急に男の人が飛び出してきた。
同じ方向なら乗せてくれという。
車に乗せる?

Yes(乗せる)or No(乗せない)

これは仙台から出題された問題で、東日本大震災のときに実際に起こったできごとなんだそうです。
皆さんはYes、Noどちらですか?

私たちのグループの回答は、

にゃんこ金座布団獲得!

女性の私一人がYes(乗せる)で、他の方はNo(乗せない)!

この時の私の意見としては、20代女性と男性ということでかなり迷ったのですが、設定は震災翌日。家族のこと、職場のこと、きっと何か急がなければいけない理由がある。とにかく誰もが必死のとき。こいうときこそ持ちつ持たれつなのではないかと考えYesにしました。もちろん、男性の身なりや年代を考慮してからの判断になりますが。

私と同じようにグループで一人だけYes(乗せる)と応えた10代の女性は
「犯罪が起きるんじゃないかと怖くて乗せないという意見が多かったが、被災翌日だと自分も他の人も生き残ることや家族に会いたいという想いで精一杯で、犯罪までは思い付かないのではないか。困っている人がいたら乗せてしまうかも」

逆に一人だけNo(乗せない)と応えた60代男性は、
「自分も必死で目的地を目指しているときに、突然飛び出してこられたらやっぱり怖い。そしたらみんなはこういう状況だから乗せるよと、私一人だけがNoでした」

おそらく皆さんも“20代女性”というところで悩まれたのではないでしょうか?
自分は一人なのか、どんな男性か、時間帯は―?
その状況で意見は変わってくるかと思いますが、こういったとっさの判断力をつけられるのがクロスロードです。

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クロスロード終了後、仙台会場を代表し他の会場に向けて伊藤副市長があいさつを行いました。



「東日本大震災の復旧、復興に関しまして、皆様からは大変なご支援をいただき、ありがとうございました。心から感謝申し上げます。
 神戸から始まったクロスロードが仙台でも根付きつつあるということを実感しました。多くのみなさんが楽しみ、かつ真剣にこのゲームに参加してくれました。このように市民の皆さんお一人お一人が普段から防災について意識し、知恵をもらおうと考えることが大事なことだと思います。3月に開催される国連防災世界会議では、“市民協働と防災”というテーマでテーマ館を設けます。しっかり世界に発信していきたいと思います」


「防災は大事だけどなかなか浸透しにくい分野。みんなで考えを
出し合うことが大切」と伊藤副市長

また参加者からは
「何度もクロスロードに参加してきたが、座布団が0というのは今回初めて。座布団がないということは自分は少数派になっているということ。普段自分が思っていないいろいろな意見を教えてもらうことができた」

「今日は新しい気付きがたくさんあった。事前に情報を知っておく、知ろうとすることが大切だとあらためて思った。生活していく中でジャッジする機会も多いが、自分はまだまだ勉強不足だと痛感した」

仙台会場最年少の中学生は
「大人の考えと子どもの考えは違うんだなと思った。でも子どもの考えも必要だと思う」

また、ここで学ぶだけではなく地域でも発信していくべきだという意見も。
「クロスロードを町内会や学校でも取り入れてほしい。今の時代はなかなか難しいけど地域でコミュニケーションをとる努力はしていくべき」

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私にゃんこの結果は、
4つの設問中、金座布団1つと青座布団2つを獲得!

最初に矢守先生がお話されたように、こういった考えもあるんだなとたくさんの気付きがあった1日でした。答え(考え)は一つではない。自分が思う以上に、実はたくさんの答えがある。迷ったとき、困ったときこそ話し合う大切さやその意味を教えていただきました。

震災以降よく耳にする、“地域のつながり”。

昨年11月に長野県白馬村を襲った長野北部地震。
あれだけの被害を受けながら死者、行方不明者がでなかったのは、地域住民間の共助があったからだと言われています。白馬村の方々が共助の大切さを教えてくれました。

人と人の結びつきは、いざというとき必ず力をくれます。
そしてよりクロスロードが生きてきます。
それが減災にもつながります。

皆さんもぜひ学校や地域でクロスロードを取り入れてみてはいかがでしょうか。


(取材日 平成26年12月23日)