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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年12月30日火曜日

2014年12月30日火曜日8:00
こんにちは。kaiiです。
この10月、東日本大震災で大きな被害を受けた石巻市を2年ぶりに訪ねました。
秋の深まりを感じる石巻市を歩くと、まだまだ震災の被害を感じる場所がたくさんあります。
震災から3年8カ月。
石巻市の復興もこれからだと感じました。

石巻駅
(平成26年10月24日撮影)

平成26年10月24日午前10時から、石巻市で「ママと赤ちゃんの復興まちづくりin石巻」というシンポジウムが「特定非営利法人ベビースマイル石巻」の主催で開催されました。

このシンポジウムは、「私たちのまちの防災計画に妊婦・子育ての視点を取り入れ、当事者自身のセルフケアも含めた『備えの必要性』について、被災地からこそ発信したい。
石巻市が復興して『みんなが暮らしやすいまち』になるために何が必要か。
みんなが生活しやすい町、子育てがしやすい町とはどんなまちなのか」について考えていきたいという、妊娠や出産の経験のある女性たちの発案で開催されました。

主催した特定非営利法人ベビースマイル石巻の代表理事荒木裕美さんは、今回のシンポジウム開催について「被災地の私たちは震災当時のことを振り返り、前向きにとらえ伝えていくことが必要だと」仲間と話し合い開催を決めました、とあいさつしました。

「地元でこそ私たちの経験を話していかなければならないと思います」とあいさつをした
特定非営利法人ベビースマイル石巻の代表理事荒木裕美さん
災害時に、妊婦や乳幼児を抱えたお母さんたちがどのように避難行動をしたのか。
医療現場はどうだったのか。
震災後の育児環境はどうなっているのか。
これから子どもを育てるお母さんや妊産婦のために、避難所には何が必要なのかなどを、医療、行政、市民の立場から発言し話し合いをしました。
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東日本大震災の翌日、避難した民家で分娩した女性から赤ちゃんを取り上げた助産師の小田嶋清美さんは、民家でのお産について、「お産に必要な物品が揃えられたこと、お母さんの生む力、赤ちゃんには誕生日に自分で生まれてくる力があったから、民家で分娩させることができた」と話しました。

避難先の民家で分娩した女性から赤ちゃんを取り上げた
あべクリニック産科婦人科 助産師小田嶋清美さん

石巻市内の民間の産婦人科病院と石巻市立病院が被災したため、震災後は分娩が集中した石巻赤十字病院の状況が報告されました。
お産が集中したため、お産に必要な水、医療品、人手、助産師が不足して、現場は大変厳しい状況だったと報告されました。

石巻市内の多くの病院が被災したため患者が集中した
石巻赤十字病院病棟看護師長 真坂雪衣さん



震災から10日後、予定日より1日遅れで男児を出産した川名淳子さんは「赤ちゃんを普通に産みたかったです。妊婦が災害時でも、安心して出産ができる環境を考えてほしいと思います」と涙を浮かべて話しました。

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会場を訪れていた、お母さんたちから「やっと自分の気持ちを話せるようになりました。自分より大変な人がいるから、自分は大変だと言ってはいけないと思って、今日まで自分の気持ちを話せずにいました」との声も聞かれました。

会場には多くの女性が参加していました
震災後に二児のお母さんになった30代の女性にお話を伺いました。
この女性は、震災の時、不動産関係の会社に勤務していました。自宅として借りていたアパートは津波で全壊しました。
幸い石巻市内にあった実家は難を逃れたため、震災直後は実家に避難しました。

彼女は当時妊娠3カ月だったにもかかわらず、しばらくは、管理している不動産の入居者やオーナーの安否の確認に奔走しました。
当時のことを伺うと、涙を流しながら話してくださいました。
「辛いことを周りの人に聞いてもらいたい時もありました。でも、自分よりも大変だった人がたくさんいるかと思うと、話を切り出すことはできませんでした」

「震災から3年半以上が過ぎ、やっと震災について、その時辛かったことを話したいと思えるようになりました。今日ここに来られたことを本当に良かったと思っています」と話しました。

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石巻市の取り組みとして、「要援護者のために避難所」の設置などが検討されていることが報告されました。
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妊娠中の女性が、大きなお腹を抱えて避難することの難しさや、避難所での子育て、災害発生時の分娩についてなど、今回のシンポジウムに参加して初めて知ることができました。

石巻市内の保育所に勤務した経験のある女性が
震災当時の保育所の状況と保育所での備えについて意見を発表しました

荒木代表が「私たちは震災の時、大変だったことを、地元でこそ伝えていかなくてはならないと思います」と話していたことの意味がわかりました。

東日本大震災を経験したのは、健常者だけでなく、老人、介護の必要な人、外国人や妊娠中の女性、育児中の家族、障がいをもつ人などさまざまです。
同じ避難所で、生活することが困難な人がいること、要援護者がいることも、私たちは理解しながら未来のまちづくりを考えなければならないと思いました。

(取材日 平成26年10月24日)