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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年12月21日日曜日

2014年12月21日日曜日9:11
こんにちは、にゃんこです。

11月21日からエル・パーク仙台にて開催された「女性と防災せんだいフォーラム」
これまで会場で開かれていた各プログラムの模様をお伝えしてきました。

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2014年12月9日 火曜日
防災・減災をゲームで楽しく学ぼう!「防災ゲーム」を体験!(仙台市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/12/blog-post_85.html

2014年12月14日 日曜日
手づくりの温かさが伝わる贈り物。「被災地女性たちの手仕事マーケット」(仙台市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/12/blog-post_92.html

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今回は、仙台版防災ワークショップ「みんなのための避難所づくり」についてご紹介したいと思います。



主催は、「せんだい防災プロジェクトチーム」
2013年6月に行われた「女性の視点による地域防災ワークショップ」を受講した市民と、「せんだい男女共同参画財団」の職員で結成されています。

仙台市の防災ワークショッププログラムを作るため活動を開始。
自分たちの経験や避難所で被災した方へのヒアリングを重ね、地域の方々の意見を反映した避難所作りを考えるワークショッププログラム「みんなのための避難所づくり」を完成させたそうです。

現在は仙台市を中心に県内各地、福島などでもワークショップを開催しています。

この日の司会はプロジェクトメンバーの三浦三恵子さん。
「特定非営利活動法人せんだいファミリーサポートネットワーク」の
理事も務めていらっしゃいます

この日は17名が参加、グループに分かれて話し合いを行いました。
各グループにはプロジェクトのメンバーがファシリテーターとして入り、進行役を務めます。

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まずは、「震災時、どこでどのようなことを考えて過ごしていたのか?」というテーマで、震災時を振り返りながら話し合いが行われました。




他にもこんな声が。

・当時生後6カ月の息子と震えていた
・何が起きたのか知りたいのに、情報が何も入ってこない
・友人、兄弟の安否確認に行きたかったが、ガソリンが手に入らず行けなかった
・原発事故の話がうわさとして耳に入ってきた。近所のお店に並ぶ子どもたちが心配になった
・保育所と連絡が取れなかった

特に、子どもを持つ親にとっては情報が錯綜する放射能の問題も深刻でした。
「避難所には赤ちゃんもたくさんいました。外で並んでいた人は避難所に入る前にジャンパー脱いで! 赤ちゃんに触れさせないで! とすごくピリピリしているお母さんもいました」という声も。

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そしてワークショップの本題。
震災時、実際に避難所で起こったトラブルを題材に、もし自分が避難所の運営委員だったらどう対応するかについて話し合いが行われました。

事例が描かれたイラストを見ながら意見を出し合います

いくつかの事例の中から一つご紹介したいと思いますので、皆さんも一緒に考えてみてください。

事例テーマ : DV
「配偶者から暴力を受けている。夫から逃げている女性がおり、誰かが来ても教えないでほしいと言われました。運営委員会としてどう対処しますか」

これは参加者からも一番難しいと声が出た事例です。

震災時、安否確認のため各避難所では名簿が作られ張り出されました。
家族を見つけた! 友達がいた! 生きてた! という喜びの陰でこう不安を持っていた方がいらしたことに私は初めて気づかされました。

参加者からはこんな意見が出ました。

・仮名で登録する
・行政の力を借りる。詳しい人が対処
・他の教室に保護
・他の避難所を紹介(行政の力を借りて移動してもらう。スキルを持っている人に力を借りる)
・本人に話を聞いて非公開
・面会に来た人の受付をして(ワンクッションを置く)、本人がいるかを確認してから連絡

「自分の地域にはいないんじゃないかとつい考えがちですが、DVはとても身近な問題です。女性の約10人に1人が配偶者からDVを受けたことがあるという内閣府の調査結果があります。
 実際に東日本大震災の時にも、避難所名簿の公開でDVの加害者に見つかってしまったというケースがあったそうです。また震災後にストレスがたまった夫のDVがさらにひどくなり、妻が避難所にいる娘のところに逃げてきたというケースもありました。
 仙台市の避難所運営マニュアルにある避難者カードの見本には、安否の問い合わせに情報を公表していいかどうかのチェック欄があります。また特に配慮を必要としている場合には、それを記入できる欄が設けられています。しかし、被害者の方が自分はDV被害者だと避難所の担当者に言うのはなかなか難しいことです。安否情報の公開を希望しない方には丁寧な聞き取りが必要になります。
 被害者の安全を確保するために避難所だけでは抱え込まず、支援機関と連携したり専門機関に相談することも考えるといいと思います。
DV被害の相談窓口としては、各区役所やエル・ソーラ仙台などがあります」と三浦さん。

皆さんだったらどう対応しますか?

この他にも、
・女性たちが食事係として食事を配給しています。しかし、係りの人が多くとっていると噂になり、辞めたいという人が出てきた

・赤ちゃんの泣き声がうるさくて寝られない。どうにかしてほしいと言われた

といった事例も話し合われました。

「男性の方も女性の問題に対して一緒に考えていただくと、お互いがいろんな問題に気づくことができていいのかなと思います。そして、地域の避難所をより良いものにするために、皆さんがもっと声を上げていくことが必要だと思います。皆さんの地域でもワークショップを開催してもらえるとうれしいですね」と三浦さん

「みんなにやさしい避難所づくりができますように」
せんだい防災プロジェクトチーム 三浦三恵子
さまざまな人が暮らす避難所には、それだけさまざまな問題や悩みがでてきます。
このような状況の中で共に暮らすとはどういうことなのか。一人ひとりがどうあるべきなのか―。

避難所生活をおくったことのある方の経験、またこういったワークショップでの体験は必ず次につながります。

災害大国と呼ばれる日本において、いつまたどこでこのような避難所生活が訪れるか分かりません。

その時に少しでもスムーズに、そしてストレスのない避難所づくりができるよう、今回の事例を参考にしながら皆さんもぜひ家族や地域の方々と積極的に話し合ってみてはいかがでしょうか。


(取材日 平成26年11月21日)