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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年12月29日月曜日

2014年12月29日月曜日9:25
こんにちはエムです。

仙台フィルハーモニー管弦楽団(仙台フィル)のコンサートマスターを務めるバイオリニストの西本幸弘さんは平成26年秋、仙台フィル就任後初のリサイタルツアー「VIOLINableディスカバリー vol.1」をスタートさせました。

そのリサイタルと同時に、東日本大震災被災地の子どもたちに向けた復興支援活動もスタートさせた西本さん。


その1回目となった「VIOLINableディスカバリー vol.1」〜仙台の子どもたちのための特別プログラム〜は、仙台市青葉区にある「ハート&アート空間ビーアイ」で行われ、その様子や、支援活動を始めた理由については先日紹介した通りです。

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2014年12月4日木曜日
未来を描くために〜VIOLINable〜(仙台市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/12/violinable.html
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西本さんは1つの熱い思いを持って活動し続けています。それは「発見」
「発見」というテーマは西本さんの生き方を貫くものであり、必然的に演奏活動や支援活動にも反映されています。

子どもたちを前にバイオリンの説明をする西本さん

「東日本大震災で津波の被害があった所では、本来見られたかもしれない景色や、受け取るはずだった刺激を失い、そして全く違う『何も無い』という刺激を見てしまっています。その気持ちは僕を含めて経験の無い他の人には、計り知れないものがあるだろうと思います。

でもその分、今までとは全く違う刺激を僕たちがプレゼントしていくことで、その中に何かを『発見』し、次に向かっていく力とか躍動感などを感じる子どもたちが育ってほしいのです。
『発見』はそれ自体小さな一歩だとしても、“知りたい”、“食べたい”、“学びたい”など、いろんな希望や欲求が生まれることで、震災復興への大きな原動力につながっていくのではないかと思い、この活動を始めました」

そう話す西本さんからは発信者としての情熱が伝わってきます。その気持ちは子どもたちにストレートに響いていたはずです。

絵を描く前のウォーミングアップで感性が高まるようでした

「このワークショップをやるにあたって、発信する側としては『何をやろう』よりも、『自分がどういうモチベーションで』という方に重点を置きました。

今日は僕から出てきた音で、それが絵に変わっていくのを実際に目の当たりにすることができて、うれしい意味でびっくりしました。
自分の心の中が、こう…パッと筆から出てきて、こういう色や形になってるのかな。そう思ってドキドキしながら演奏しました」


また、会場でその様子を見ていた関係者からはこんな感想がありました。

「演奏を聴いて皆さんに描いてもらいましたが、その絵を西本さんが見ている時からまた音が変わっていきました。常に周りのエネルギーを自分の栄養にしている人なのかな、と思いました。独特な感性を持ってる人です」


西本さんが最初のワークショップの場所をビーアイにしたのは、全10条からなる「ビーアイ宣言」を見て決心したのだそうです。

「『1枚の葉、流れる雲も先生』『街は学校、地球は遊び場』……。
それはいつも自分が考えていることと同じで、ストレートに心に響きました。それで是非ここでやりたいと思いました」

ビーアイWEST ROOMの窓辺には「西公園のミニチュア」が作られていました

目を輝かせて話す西本さんですが、実は高校生の頃から毎年1、2回は、幼稚園や小中学校、老人介護施設でも演奏しているということです。

「僕のライフワークの大事な部分だと思っています。
姉がそういう施設で働いていることもあって演奏させていただいていますが、勉強になることもたくさんあって、人間にとって音楽はどうあったらいいのか……とか、いろんなことを考えさせられます。

同じ目線、同じ空気の中で演奏していると自分自身楽しいし、基本的に音楽は僕にとってのコミュニケーションするためのツールだと思っています。
それを介して僕の感情表現ができるし、いろいろな人とつながったり、ご縁をいただいたり、いろんな所に行けることがうれしくてバイオリンを続けています」


オーケストラの中では珍しく若いコンサートマスターの西本さんですが、メンバーそれぞれのやりたい音楽の方向性を見極め、その重心となり提案するのが僕の仕事、と言い切ります。

「一応オーケストラのリーダーという存在として、もちろん重圧みたいなものはあるんですが、そこには僕に無い経験が皆さんにあって、それを良い意味で享受しながら、その経験から生かせるものを次のステップにし、良いものを代謝・還元する。
つまり何かの形に変えて次にいくというのが僕の役割かなと思います」

伸び伸びした感性と同時に、あらゆる物、どんな人からも何か良いものを受け取ろうとする姿勢は、年齢ではなく育った環境が影響しているのか、あるいは持って生まれた天性の素質なのでしょうか。
話していると、この人に任せれば安心という気持ちになってきます。

VIOLINable
The discovery is the first step for tomorrow.
「発見は明日への第一歩」
「僕たちも子どもたちでさえも明日は何があるかは分かりません。
ただ、この瞬間何かを『発見』し、次に向かっていく力になれば良いな。そう思います」

これから先、10年継続した被災地の子どもたちのための復興支援活動を考えている西本さん。
何年か先に西本さんが蒔いた種がどんなふうに大きく育っているのか、いつの間にか私たちの心にも“希望”や“待つ楽しみ”が生まれていました。

「ハート&アート空間 ビーアイ」スタッフの皆さん。
(左から)清水ちーずさん、関口ぞうかば子さん、槙島ぽんずさん

★ 西本幸弘ブログ「VIOLINable!!」

★ ビーアイ

(取材日 平成26年11月22日)