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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年12月25日木曜日

2014年12月25日木曜日8:00
石野葉穂香です。

マリンピア松島水族館 。
宮城県で子ども時代を過ごした人で「行ったことがない」という方は、ほとんどいらっしゃらないと思います。
また、松島は日本三景の一つにして、国の特別名勝。
観光の際に「行ったことがあるよ」という県外の方も多いと思います。

JR仙石線松島海岸駅から徒歩3分
右手は海、そして海浜公園があります

松島水族館は、今から87年前、昭和2年(1927)4月1日に開館しました。
これは、現存する水族館としては日本で2番目に古く、また、開館以来、同じ場所で営業を続ける水族館としては日本最古の施設です。

お父さん、おじいちゃん、ひいおじいちゃん。そしてひいおじいちゃんが子どものころに、やっぱり、そのひいおじいちゃんと一緒に行ったことがある、というご家族だって、きっといらっしゃるんじゃないでしょうか?
そうなると、もう親子七代とか八代での「お付き合い」ですね。

さて。
もうご存じの方も多いと思いますが、そんな歴史あるマリンピア松島水族館は、来年、平成27年(2015)5月、閉館することが決まっています。
建物の老朽化、耐震性の問題、さらには特別名勝のエリアにあるなどの理由から建て替えが難しいとのこと。
閉館までもう5カ月のカウントダウンが始まっています。

魚や海獣の紹介とともに
88年の愛顧に感謝する展示も

石野も久しぶりに行ってまいりました。
約10年ぶり。東日本大震災後は初めての訪問でした。

東日本大震災のとき、松島水族館は、約1メートルの津波に襲われました。
松島湾の島々が、津波の威力を減衰させたとも言われていて、松島海岸駅周辺は、他の被災エリアのような大波の直撃は免れました。

お客様は、松島海岸駅裏手の高台に避難して無事。スタッフにもけが人などは出ませんでした。
しかし、打ち上げられたボートや漁具やさまざまなガレキが水族館の建物にぶつかって、1階の売店はガラスが破れたほか、大量の泥が施設内になだれ込んできました。

震災翌日の場内の写真なども展示中。
ドロドロになってしまった様子が分かります

「水槽がこわれるような被害はありませんでした。でも、屋外プールにいたビーバー6頭が海水をかぶって、脱水症状と低体温症で3頭が死にました」
常務取締役の西條博也さんがお話しくださいました。

「また、ポンプ室が冠水して半分が動かなくなりました。水質の維持ができなくなったのはたいへんでしたね。マンボウやコマッコウは水温低下でダメ。クラゲも全滅。仕方なく海へ放したクラゲもいました。震災前、4000点の生き物が飼われていましたが、そのうち約200点が死んでしまいました」

こちらも翌日の様子です。
施設に近づくことさえ難儀でした

水質や水温の維持が出来なくなった水槽にいた魚たちは、似た環境の別の水槽へ移しました。
利府町近くの沼から水を汲んできて、ラーメンスープを作るときに使うような「ズンドウ」でお湯を沸かしました。

「生き物たちの命をつなぎとめたい――」。スタッフは、泥だらけになった施設に泊まり込んで、懸命の努力を続けます。

幸いだったのは、地震の2~3日前にエサをまとめて購入していたこと。
また、自家発電機用の燃料も直前に満タンにしていたこと。
無事だったポンプを稼働させるかたわら、故障したポンプも、スタッフたちで解体、洗浄するなどして修理を進めました。

ポンプは文字通り水族館の心臓。
従業員総出で修理に全力を尽くしました


さらには、スタッフや動物たちを心配し、励ましてくださるたくさんの手紙やメールも届けられ、皆を元気づけてくれました。
また、全国各地の水族館からも、支援を申し出が続々と。

「マンボウは茨城の大洗水族館からいただきました。クラゲは山形の加茂水族館や大阪の海遊館、いおワールドかごしま水族館などからのご支援です。またスタッフのための着替えや食料品なども寄せていただきました。ほんとうに感謝です」(西條さん)

そして、震災から43日後の4月23日、「マリンピア松島水族館」はいち早く営業を再開します。
「誰もがまだまだたいへんだった時期です。再開しても『お客さん、何人来られるだろう?』と思ってました。でも、いざ開けてみたら、とても多くの方に来ていただきました。
ご自宅が被災したというおばあちゃんがお孫さんと一緒に来館されて、『正直、出掛けるという気持ちにはなれないでいたけど、でも、喜んでいる孫の顔が見られたのが励みになった。再開してくれてありがとう』っておっしゃってくださったのがうれしかったですね」



























私たちに、たくさんの元気を分けてくれた「マリンピア松島水族館」。
2015年5月10日、88年もの長い歴史に幕を下ろします。


「長く続けてこられたことに深く感謝を申し上げます。『宮城県民の心のよりどころの一つだった』というお声もいただきました。来夏には、仙台市宮城野区に新しい水族館が完成し、動物たちはそちらに引っ越します。マリンピアはなくなっても、マリンピアの仲間たちにはまた会えます。新しい水族館も、ぜひ地域密着型の『おらほの水族館』として、多くの方に愛される施設になってほしいなって思います」(西條さん)

震災は、言うまでもなくたいへんな出来事でした。
でも、まず子どもたちを笑顔にしてくれた。その笑顔が大人たちをも元気づけてくれた。
松島に「マリンピア」があって、ほんとうによかった。そう思います。
こちらこそ、ありがとうございました。


左から飼育スタッフの松川正史さん、佐藤由美子さん
常務取締役の西條博也さん、企画営業部課長の狩野章さん

「マリンピア松島水族館」では、閉館に向けて、カウントダウンイベントも企画中です。
こちらからチェックしてみてください。

「マリンピア松島水族館 閉館カウントダウンプロジェクト」(Face book)
https://www.facebook.com/pages/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%82%A2%E6%9D%BE%E5%B3%B6%E6%B0%B4%E6%97%8F%E9%A4%A8%E9%96%89%E9%A4%A8%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88/669983179763803?fref=ts


閉館まであと半年を切りました。
親子三代、四代··。ご家族やご親戚、お友だちともお誘い合わせて、ぜひ「もう一度」おでかけください。

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「マリンピア松島水族館」
所在地/宮城県宮城郡松島町字浪打浜16
電話/ 022-354-2020
開館時間/ 2月末までは9:00~16:30,3月1日〜5月10日は9:00~17:00
休館日/無休
入館料/大人(高校生以上)1400円、小中学生700円、幼児(三歳まで)350円
http://www.marinepia.co.jp/


(取材日 平成26年12月9日)