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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年11月3日月曜日

2014年11月3日月曜日9:02
石野葉穂香です。

10月5日、日曜日。
名取市の閖上港では、恒例の「ゆりあげ港朝市」が開催されていました。

「ゆりあげ港朝市」は30年以上続く名取市の名物朝市。閖上漁港で毎週日曜日・祝日に朝6時から開催されています。

東日本大震災のあとも、約2週間後には3㎞ほど内陸のショッピングセンターの駐車場を借りていち早く再開し、市民や県民に元気と勇気を与えてくれました。

この日も、朝早くから多くの買い物客でにぎわっていました。
買ったばかりの魚介類などをその場で焼いて食べられる〝炭火の炉〟もあって、朝市は、毎週一回行われる、県民にとってのミニイベントなのです。

右は陸前高田ご出身で仙台在住の
岩淵英助さん。
知らない同士が炉を囲んで話に花が咲く・・・
これも楽しみのひとつ
横顔でごめんなさい。
右は弘前市ご出身の二川原幸樹さん。
Tシャツに「Sachiyo」さんのサインを
もらっていました

そしてこの日は、朝市会場に設えられたステージの上で、
『 Songs from Singapore to Tohoku2014 ―シンガポールの音楽を東北へ―』
というコンサートも開かれました。

歌ってくださったのは、日本生まれのシンガポール育ちで、現在は日本とシンガポールの音楽親善大使として活躍されているシンガーソングライターのSachiyo(サチヨ)さん。

背後は閖上漁港。そのまた後ろには、今も津波に傷ついた松の並木が残されています

東日本大震災のあと、ふるさとである日本の復興を願って、シンガポール国内でさまざまな被災地支援活動を続けられています。

シンガポールは人口約541万人。国の広さは奄美大島ほど。
中国系の方が8割、そしてマレー系、インド系など、さまざまな民族が暮らしています。
使われる言語もまた、英語、マレー語、中国語、タミル語など多彩です。

そんな多民族国家であるシンガポールでは、「ひとつの国になろう」――。そんな願いから、毎年ナショナルソングがつくられるほど、音楽は、とても大切な存在となっています。

「音楽のチカラで、日本と被災地の皆さんを元気づけたい」

Sachiyoさんの呼び掛けに、シンガポールのミュージシャンが応え、『 Songs from Singapore to Tohoku Band 』が結成されました。
そして、2011年から、宮城県と東京で、東日本大震災復興支援コンサートを行っています。

Sachiyoさん(vo)


Caseyさん(B/AG)







Meiさん(Key)
Sachiyoさんは、これまで「閖上まちカフェ」で2度目コンサートを行ってくださいましたが、「ゆりあげ港朝市」でのコンサートは今回が初めて。

「まちカフェ」のライブでSachiyoさんの「歌」を聞いた方々や、協力された方々、また朝市協同組合の方から「閖上のシンボルである朝市で歌って欲しい」というリクエストがあり、実現の運びとなったのだそうです。

この日の会場は、曇天で、風が少し冷たく、最高気温は約15度。前日に比べて10度も低くなってしまいましたが、「Sachiyoさんの歌が聞きたくて」と訪れた方もいて、この日も多くの人がステージ前に集まりました。

シンガポールでもヒットした『赤いスイートピー』、今年の大ヒット曲『アナと雪の女王』、オールドファンには懐かしい『夜来香(イエライシャン)』、そしてSachiyoさんのオリジナル曲『 A Song of Life 』『生まれ来る子供たちのために』、さらにアンコールでは、やはりオリジナル曲である『故郷~My Hometown~』など、全10曲を、日本語、英語、中国語などで歌ってくださいました。

『 A Song of Life 』は、東日本大震災発生の報道をテレビで見ていたSachiyoさんが、いてもたってもいられずにピアノに向かってつくった曲だそうです。

〝あの日〟の地震と津波で亡くなった方々へのレクイエム(鎮魂歌)であり、生き残った人々への応援歌です。


『 果てしない 青空は
 今も変わらないけれど
 かけがえのない 美しいふるさとは
 変わり果ててしまった

 流す涙は もうないけれど
 ここから歩いてゆくよ
 喜びも 思い出も ぬくもりも
 全てここにあるから

 Sing a song of my life 命の限り
 Sing a song of my life 強くやさしい歌を

 はかなく散った 愛たちの
 願いを胸に刻んで
 今生きてゆく この時を生きてゆく
 がれきに咲く 花のように

Sing a song of my life 命の限り
Sing a song of my life 強くやさしい歌を』
                                            (作詞/作曲 Sachiyo)



「これからも、まだまだいろいろなことがあるけれど、人間は自発的でなければいけないって、私は思います。震災という出来事に接して、特にそう思いました。
人生は自分で切り開いていくもの。待っているだけじゃダメ。震災なんかに負けてたまるか! と、一人ひとりが立派な大人として振る舞っている姿を、次の世代、子どもたちに見せてあげることがすごく大事だなって思います」

まず自分が歩き出すこと。自分から何かを始めていくこと――。
震災後、こんなふうに言ってくださる方は、実は案外少なかったかもしれません。

3年が過ぎて、宮城の人たちは、それぞれの道を歩み始めています。
「そう。それでいいの。海外の人たちも、ずっと皆さんを見守っています--」
Sachiyoさん声が、そんなふうに、やさしく、強く、励ましてくれます。


コンサートの前に、Sachiyoさんたちからランの花が来場者に送られました。
種類はデンファレ。
ランはシンガポールの国花です。
切り花でも、水を代えてあげれば1カ月近く咲き続ける生命力あふれる花なのです

『 ここにいるよ ここにいるよ 心がずっと泣いている

  悲しみを脱ぎ捨てて
  私は今ここにいる
  目を閉じれば広がる
  あの広く青い空

  海 山 川 花の香り
  さよならも言えなかった
  あの町に残した想いが
  消えては押し寄せる

  見えない光に肩を震わせ
  握りしめる 昨日の未来
  風の中に探してしまう
  大切な人 懐かしい声

  故郷はずっと心にある
  凛と 凛と 深く


  季節は流れてゆく
  私はまだここにいる
  光を待ちわびている
  おきざりにされた夢

  遠く見知らぬこの町で
  一歩一歩 歩いてゆく
  あの町で生まれた誇りが
  明日の道を探す

  明けない夜に ひざを抱えて
  握りしめる 私の未来
  風の中に問いかけてみる
  大切なもの 行くべき道を

  故郷はずっと心にある 
  凛と 凛と 深く
  故郷はずっと心にある 
  凛と 凛と 深く 』

                         『故郷~My Hometown~』 (作詞/作曲 sachiyo)

Sachiyoさんの透き通るような優しい歌声が、風に乗って閖上の〝まち〟に流れていきます。

「聞こえていますか・・・?」
何もなくなってしまった地平を見ながら、つぶやきそうになりました。

慰霊碑が建つ日和山の山頂から見た閖上の〝まち〟
遠くに見えるのは仙台市のビル群です。
季節はめぐり、そして人は歩み続けていきます・・・
「何かをするとき、私は、『出来るかどうか』様子を見ながら決めるのではなく、まず『やるのか、やらないのか』を先に決めてしまいます。そうすることで『やれる』方向を見いだせるんです」

「ご自分たちの力で、すぐ復活させた「ゆりあげ港朝市」ってほんとうにすごいと思います。だから私は、いろんなところで歌わせていただくとき、「ゆりあげ港朝市」のことを紹介しながら、これからの運命は自分たちで切り開いていくことが大切です・・・って、お話しさせていただいています」

Sachiyoさんは、そんなふうに、ふるさとである日本を、そして宮城を、被災地を応援してくださっています。

風が冷たい日でした。できれば青空の下でまた歌ってほしいなと思いました。
――また来ていただけますか?

来場者の方と一緒に。
「Singapore ♡ Tohoku」
「(震災という)悲しい出来事を通してではありますが、私は多くの方と知り合うことができました。このつながりを大切にしていきたいと思っています。最初の年は半ば押し掛けのように名取にやって来ました。でも、お手紙をいただくようになったりして、『来てね』『はい、行きまーす!』という自然なカタチになってきているようにも思います」

今回、聞き逃してしまった方は、次回はぜひ、お出掛けください。
Sachiyoさんの、強く、やさしく、温かなメッセージが、きっと、背中を押してくださるはずです。

※歌詞の引用と掲載につきましては、Sachiyoさんから許可をいただいています。

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その後、sachiyoさんからメールをいただきました。↓↓↓↓↓
 「 今年の東京と閖上のライブをダイジェストにした動画を制作しました。
  下記リンクにアップしましたので、ご覧になってみて下さい。
  この映像は、これからメイプル館でも流していただけるそうです 」
とのことでした。
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(取材日 平成26年10月5日)