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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年11月22日土曜日

2014年11月22日土曜日10:28
こんにちはエムです。

東日本大震災で甚大な被害があった名取市に、今年の夏、ボランティアのための宿泊施設がオープンしました。

NPO法人ボランティアサポートセンターまごころ(以下:まごころ)です。

一般住宅だった建物を整備して宿泊施設として提供しているのは、土木全般を中心に解体業や建築外構などを手掛ける株式会社コウワ工業です。

広い敷地の向こうに事務所(右)とボランティアサポートセンターまごころ

コウワ工業が自社の事務所移転のために現在の土地を手に入れたのは今年(平成26年)5月の初め。当時この土地には住宅と農業用倉庫の他に、大きな畑と、隣接する道路に沿って林立する約50本のスギの木がありました。
住宅をボランティアに来た人のための宿泊施設にするという案が決まり、連休明けには土地や建物の整備が始まりました。そしてオープンは8月3日という早さ。
さすが土木のプロの集団です。きっと社員総出で作業に当たったのでしょう。

今回の取材は、そんな先入観を抱いて伺いました。

25人までは宿泊可能です

コウワ工業は震災の前から、丁寧な作業と従業員の一所懸命に働く姿に定評があり、実績を伸ばしていました。建設業の許可申請をするための準備をしていた矢先、東日本大震災が発生しました。
コウワ工業も大きな被害に遭いましたが、社長の大西康二さんと従業員は「街のため、皆のためにできることを」という強い気持ちで、一丸となってボランティアに参加し、名取市の復旧作業に当たったのです。

コウワ工業社長の大西康二さん
その後の順調な経営で、現在は従業員数約50名を抱えるコウワ工業ですが、その時の従業員の頑張りが心の支えになったと大西さんは言います。

また、震災後の復旧作業の中で、他県から来たボランティアの存在は大きく、自分たち自身も多くの協力と応援を受けた大西さんは、「その人たちを応援する機会があるのであれば」と、使う予定が決まってなかった住宅を提供することにしました。

その要請をしたのは、一般社団法人名取復興支援協会の川崎正雄さんと太田幸男さん。
以前から親交のあった2人の提案を引き受け、コウワ工業の全面的な支援の元に整備が始まりました。

名取復興支援協会理事の川崎正雄さん

「整備はほとんど私が1人でやりました」
そう言ったのは、コウワ工業工事部部長の菅一男さん。
(1人でとは……?)その言葉を理解するために、何度か同じ質問を繰り返す必要があったほどでした。
先の画像でも分かる通り敷地は広く、建物2軒の改装もある等、素人目にも1人の力で、しかも3カ月でできる作業量ではないのは分かります。
私が抱いていた先入観は、全く覆されました。

菅一男さん(左)と名取復興支援協会の太田幸男さん

社長の命を受け、「まごころ」の整備を一任された菅さんは、まず畑として使っていた土地の整備と約50本のスギの木の撤去を行いました。
次に行ったのは農業倉庫を事務所として使えるように改造することです。

「ボランティアの人が来る日が決まっていたので、事務所があって人が常駐している必要があったんです」

続いて、ボランティアの宿泊所となる住宅の床や壁などを改装し、人が住めるように整備。と、何とその全てを本当にほとんど1人で行ったのだそうです。

広々した居間にはテレビもありました。
1階には他に、寝室として3つの部屋があります
「この事務所もまず水洗いし、防虫効果のある塗料を塗り、部屋割りを考え、壁を作ったりなど、1人で構想し、自分でできる事は自分でやりました。
全部見よう見まねですよ」

……見よう見まねでここまでできるものなのか……本業は大工さんなのかと思うほどの腕前です。
雨で現場が休みの日には、他の従業員にも手伝ってもらったと聞いて少しホッとしましたが、約3カ月の短い期間で、ここまでできる菅さんとは一体どういう人物なのでしょうか。

冷蔵庫・電子レンジ・米びつ・フライパンや鍋類
必要なものは全部そろっている台所。
具材を持ち込めばすぐに自炊可能です
「出身は四国の香川県。両親や妻と2人の子どもは今も香川県に住んでいます」

震災前から宮城県にいましたが、震災が起きたためにずっとこちらにいるという菅さん。自身はあまり多くを語りませんが、阪神淡路大震災も体験し、新潟県中越地震の時も駆けつけたという体験を持っているそうです。

「実はあと何年かでそろそろ帰ろうと思っていましたが、『まごころ』が10年単位で考えて動き出してしまったので、帰れなくなりました。
もし帰ったとしても、ボランティアが来る春休みや夏休みのシーズン毎には来ると思います」

2階には洋間と和室があります
今年はこれから12月中旬まで、大型免許取得のためにしばらく菅さんが留守になるようですが、そうなると「まごころ」も営業はストップします。

「菅さんがいないと何も動かない」

関係者が口を揃えて言うのは、本当のことでした。


こうして準備ができた8月。ボランティアに来たのは……この続きは回を改めてお伝えします。どうぞお楽しみに。

コウワ工業の心強いメンバー。左から中村謙太さん(菅さんの片腕ならぬ人差し指[菅さん談])、
菅一男さん、土木部課長の林智幸さん、左官(屋上、お風呂場モルタル等)担当の加藤正生さん

「とにかくもっと 復興優先 に考えてもらいたい」
各被災地を知っている菅さんだからこその、重い一言です

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「NPO法人ボランティアサポートセンターまごころ」はボランティアに来る方であれば誰でも利用可能ですが、電話かFAXでの申し込みが必要です。
( ※ 床の張り替え、お風呂のモルタル工事のため平成26年12月中旬まで休館)

★ 料金/施設維持費として2,500円(素泊まり・自炊)
★ チェックインーーーー16:00
  チェックアウトーーー10:00

☆ 持参する物/食材、歯ブラシ・タオルなどのサニタリー用品
☆ 仕様/男女別の相部屋、お風呂・台所は共同

■ 所在地/宮城県名取市堀内字梅188
  電話/022-323-1074
  FAX/022-323-1094

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一般社団法人名取復興支援協会からの申し込みも可能
http://natorifukkou.com/


(取材日 平成26年10月30日)