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宮城県復興応援ブログ ココロプレス

「ココロプレス」では、全国からいただいたご支援への感謝と東日本大震災の風化防止のため、宮城の復興の様子や地域の取り組みを随時発信しています。 ぜひご覧ください。

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写真 「19年連続 生鮮カツオ水揚げ日本一」に向けて、気仙沼では生鮮カツオ水揚げが順調です。「今年はとりわけ脂が乗っている」と関係者の表情もほころんでいます。
2015.7 ~宮城県震災復興推進課~
2014年11月26日水曜日

2014年11月26日水曜日9:08

「震災のマイナスは確かにあります。しかし、島を知らなかったたくさんの人たちが島を訪れるようになり、そのパワーが今後の島の復活に活かされようとしています。島人(しまびと)である私たちも、頑張らなくちゃいけないと思っています。これからは未来を見つめて行きたいですね」

桂島のカキ養殖家、内海春雄さんは、島の皆さんの様子をそう話しました。

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2014年11月21日 金曜日
実入りは上々、味は極上。桂島カキ祭り【前編】(塩竈市)
http://kokoropress.blogspot.jp/2014/11/blog-post_73.html
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実はこの日の来場者の多くは、山形県からきた皆さんでした。

震災後、桂島でボランティアを行ってきた山形大学東北芸術工科大学の学生さん、そして大学と共に桂島の皆さんと交流を深めてきた山形市東部公民館の皆さんです。

山形大学で学生と共に桂島の支援に関わってきた福島真司さん(エンロールメント・マネジメント部教授)は言います。

「被災地に行って、『思い出作り』や『写真撮影』、それで終わるようなボランティアではなく、被災地でのニーズがある限り、最低1年は継続してボランティアに入る。そのような方針で山形大学の学生たちは被災地に入りました。交流はそこから続いています」


震災の年の冬からは、被災地支援を目的とした「観光再生ツアー」を学生が企画。山形で参加者を募集し、冬期に3、4回、被災地での1泊2日のツアーを行っています。今回は桂島で復興支援に当たる一般社団法人e-frontと共催し、初めて桂島のカキ祭りもコースに入れました。ツアーのチラシも学生が制作しています。

2年前からは山形大学周辺の住民の方々にも声掛けを行い、つながりを広げる取り組みを行っています。

「学生が桂島の皆さんを山形の温泉にお連れして、一杯やりながら島の将来を話し合う。そんな交流もしています。その集まりに、山形大学の周辺地域の方々にも来て加わってもらうんです。さなざまな経験をなさって年齢を重ねた方同士、学生も入れない独特の会話もあるんですね。そうやって築かれる人と人とのつながりは、これから非常に大切になる要素だと思っています」

震災から3年8カ月が経過。OBとなった学生の皆さんも、今回のイベントに参加していました。
「被災地を継続して支援する」。その思いは、山形大学の皆さんにしっかりと引き継がれています。

「こうした活動をじっくりやった学生が、一般企業や行政機関へ入っていく。そうすれば、ちょっとずつですが、世の中も変わって行くのではないかと思うのです」

山形大学の学生やOBの方々40人も、カキ祭りに駆けつけました

山形大学からほど近い山形市東部公民館は、そうした大学の取り組みと共に、地域を上げて桂島との交流を深めています。この日は70人の皆さんが朝8時30分に山形大学をバス出発し、桂島にやってきました。

10月に行われた公民館の文化祭では、桂島の皆さんをゲストに迎え、カキの販売や募金の呼び掛けを行いました。山形市第八地区社会福祉協議会の大江健さんは、「目指すのは地域を上げた永続的な支援だ」と話します。

「お祭りの時だけではなく、それをきっかけに『地域で桂島の皆さんとお付き合いしましょう』と、それぞれの町内会長にも呼び掛けました。そうすれば、支援の輪が地域にも広がります。今後は『カキの故郷宅急便』など、物の交流なども考えています。山形は内陸だから、お魚には目が無いのですよ」

ツアーでカキ祭りに参加した皆さんは、こののち、桂島区長内海粂蔵さんの案内で島内の復興の現場を散策し、漁場をクルージングで見学、漁師の皆さんとの交流会が予定されていました。


午後2時、今年のかき祭りも大盛況に終わりました。








今回の取材では、復旧に向けて歩み続ける島の様子に加え、隣県でありながらも、「被災地を忘れない」という山形県の方々の優しさに、そして学生の皆さんのひたむきさに、心を打たれました。

皆さんとお話しながら、私も震災当時を思い出していました。

震災の3日後、多賀城市の避難所で震災後初めて口にしたご飯。それは山形県の老人クラブの方々が握ったという「おにぎり」でした。「このことを、生涯忘れてはいけない」。そう思いながら食べたおにぎりの美味しさを、私は今でも思い起こします。

被災地にいる私たちは、多くの皆さんに支えられて今日がある。
それをあらためて心に刻んだ取材でした。

山形県の皆さん、そして全国の皆さん。
私たちを支えてくれて、本当にありがとう。


(取材日 平成26年11月16日)